国際情報

24歳日本人女性記者「イスラム国戦士からの求婚」をレポート

 イスラム国に参加しようと渡航する外国人義勇兵は後を絶たない。同時に、戦闘員の妻としてシリアやイラクを目指す女性も増えている。3月2日発売の週刊ポスト(3月13日号)で、24歳のジャーナリスト・鈴木美優氏が「イスラム国の外国人女性スカウト」の実態について体験レポートしている。

 英シンクタンクが1月に発表した調査結果では、すでに550人もの西ヨーロッパ出身女性がイスラム国に参加するため渡航したとされている。2月17日には、ロンドンに住む15~16歳の少女3人が消息を絶ち、シリアに向かったのではと報じられた。

 彼女たちはインターネットを通じで情報を収集し、戦士たちと連絡を取りあう。具体的にどのように入国の算段をつけるのか。それを知るため、鈴木氏は「イスラム国に行きたい女性イスラム教徒」と名乗ってフェイスブックアカウントを作成した。

 イスラム国関連のグループからランダムに選んだ5人に友達申請するとすぐに承諾され、その他のユーザーから瞬く間に友達申請が殺到した。翌日に227人、さらにその翌日には新たに243人からの友達申請があり、鈴木氏が承諾していくと、〈友達になってくれてありがとう!〉とメッセージが送られてきたという。

 選別の後にコンタクトを取ったうちの一人からは、英語でこんな文面が送られてきたと鈴木氏は書いている。

「国境越えはかなり苦労する。だが、金さえ払えば大丈夫だ。4000~5000ドル、大した金じゃない」

 鈴木氏は、今回の取材方法について、英紙『TIMES』の記者が使った方法を参考にしたと述べている。同紙記者はツイッターで東ロンドン出身の17歳の女子高校生「アイシャ」を演じ、戦闘員に「イスラム国へ行きたい」と伝え、3か月やり取りを続けた。すると、渡航費を送金するとの提案があったという。

 鈴木氏の場合も、入国の資金を渡すという申し出や「君を愛している。自分の命を犠牲にしてでも君を守りたい」といった熱烈な求愛を受けた点で、符号する点が多々あったようだ。

 鈴木氏は、〈世界が注目する勧誘の実態を取材することに意味があると考えた〉とし、イスラム国へ引き寄せられる若者を止める有効な対策がないことに対しても警鐘を鳴らしている。

関連記事

トピックス

NYの高層ビルで銃撃事件が発生した(右・時事通信フォト)
《5人死亡のNYビル乱射》小室圭さん勤務先からわずか0.6マイル…タムラ容疑者が大型ライフルを手にビルに侵入「日系駐在員も多く勤務するエリア」
NEWSポストセブン
犯行の理由は「〈あいつウザい〉などのメッセージに腹を立てたから」だという
【新証言】「右手の“ククリナイフ”をタオルで隠し…」犯行数日前に見せた山下市郎容疑者の不審な行動と後輩への“オラつきエピソード”《浜松市・ガールズバー店員刺殺事件》
NEWSポストセブン
女優の真木よう子と、事実婚のパートナーである俳優・葛飾心(インスタグラムより)
《事実婚のパートナー》「全方向美少年〜」真木よう子、第2子の父親は16歳下俳優・葛飾心(26) 岩盤浴デートで“匂わせ”撮影のラブラブ過去
NEWSポストセブン
那須で静養された愛子さま(2025年7月、栃木県・那須郡。撮影/JMPA) 
《「愛子天皇」に真っ向から“NO”》戦後の皇室が築いた象徴天皇制を否定する参政党が躍進、皇室典範改正の議論は「振り出しに戻りかねない」状況 
女性セブン
注目を集める「既婚者マッチングアプリ」(イメージ)
《「既婚者マッチングアプリ」の市場拡大》「AIと人間の目視で悪質ユーザーを監視」「顔写真に自動でボカシ」…トラブルを避けて安全に利用できるサービスの条件とは
週刊ポスト
那須御用邸にて両陛下とかりゆしウェアで登場された愛子さま(2025年7月、栃木県・那須郡。撮影/JMPA) 
愛子さま、3年連続で親子水入らずの夏休み 那須御用邸にて両陛下とかりゆしウェアで登場 「祈りの旅」の合間に束の間の休息 
女性セブン
次期総裁候補の(左から)岸田文雄氏、小泉進次郎氏、高市早苗氏(時事通信フォト)
《政界大再編》自民党新総裁・有力候補は岸田文雄氏、小泉進次郎氏、高市早苗氏 高市氏なら参政党と国民民主党との「反財務省連合」の可能性 側近が語る“高市政権”構想
週刊ポスト
人気中華料理店『生香園』の本館が閉店することがわかった
《創業54年中華料理店「生香園」本館が8月末で閉店》『料理の鉄人』周富輝氏が「俺はいい加減な人間じゃない」明かした営業終了の“意外な理由”【食品偽装疑惑から1年】
NEWSポストセブン
お気に入りの服を“鬼リピ”中の佳子さま(共同通信)
《佳子さまが“鬼リピ”されているファッション》御殿場でまた“水玉ワンピース”をご着用…「まさに等身大」と専門家が愛用ブランドを絶賛する理由
NEWSポストセブン
選挙中からいわくつきの投資会社との接点が取り沙汰されていた佐々木りえ氏
《維新・大阪トップ当選の佐々木りえ氏に浮上した疑惑》「危うい投資会社」への関わりを示す複数のファクト 本人は直撃電話に「失礼です」、維新は「疑念を招いたことは残念」と回答
週刊ポスト
筑波大学で学生生活を送る悠仁さま(時事通信フォト)
【悠仁さま通学の筑波大学で異変】トイレ大改修計画の真相 発注規模は「3500万円未満」…大学は「在籍とは関係ない」と回答
NEWSポストセブン
2025年7月場所
名古屋場所「溜席の着物美人」がピンクワンピースで登場 「暑いですから…」「新会場はクーラーがよく効いている」 千秋楽は「ブルーの着物で観戦予定」と明かす
NEWSポストセブン