ビジネス

大塚家具の父娘バトル 泥沼化で「看板」外す事態もあり得る

大塚の「かぐや姫」社長は総会で株主を納得させられるか

 一族会社の経営支配をかけた父と娘の骨肉バトル――。大塚家具を舞台にしたお家騒動は、いよいよ3月27日に開催される株主総会で雌雄を決する。

 総会の直前まで、娘の大塚久美子社長(47)率いる会社側と、創業者であり大株主の父・大塚勝久会長(71)は互いの退任要求を訴え、激しく株主の委任状争奪戦(プロキシーファイト)を繰り広げてきた。多数派工作でより多くの議決権を握ったほうが勝者となるからだ。

 果たして、その結果はどうなるのか。事前予想では、米投資ファンド(ブランデス・インベストメント・パートナーズ)や機関投資家を味方につけた久美子社長に対し、フランスベッドをはじめ取引先や家具団体、従業員などの支持を受ける勝久会長の議決権は、ともに2割程度でほぼ拮抗している状況だ。

 残る「基礎票」のうち勝敗のカギを握っているのは、三井住友銀行ほかメインバンクや、東京海上日動火災保険など安定株主の動向だが、これらの企業は父と娘どちらの肩を持つのか。

 経済ジャーナリストの松崎隆司はこんな見立てをする。

「メインバンクや安定株主は儲け重視の機関投資家と違い、会社の経営を安定させるために株を持っているので、基本的には会社側につくケースが多い。

 しかし、今回の場合は身内である会長や取締役が株主として反発しているので、どちらが会社側という単純な見方はできません。しかも、社員や取引先が会長についていることもあり、仮に会社側を支持して負けた場合は取引先との関係悪化も免れません」

 そう考えると、勝久氏が優勢と言えなくもないのだが、金融機関の関係者はこんな懸念を抱いている。

「無謀な増配案を提示したことがネックになっている。前期比倍増の80円を約束した久美子氏に対抗し、勝久氏はその上をいく3倍増の120円を示したが、それだけの配当が払えるほど収益が持続する保証はまったくない」

 父娘間の“私怨”も膨らみ、まさに正常なコーポレートガバンス(企業統治)の機能が働かない事態に、株主はほとほと呆れ果てている。

 いずれにせよ、株主総会では白黒が分かれることになるのだが、「どっちが勝っても負けても泥沼のケンカは終わりそうにない」と話すのは、前出の松崎氏だ。

「勝久氏が勝てば、久美子氏を会社から追い出して長男の勝之氏(45)を後継者として社長に据えることになるのでしょう。しかし、いかんせん勝之氏は協調性こそあるが経営能力が乏しいと言われているので、集団指導体制を築く以外にはありません」

関連キーワード

トピックス

9月6日から8日の3日間、新潟県に滞在された愛子さま(写真は9月11日、秋篠宮妃紀子さまにお祝いのあいさつをするため、秋篠宮邸のある赤坂御用地に入られる様子・時事通信フォト)
《ますます雅子さまに似て…》愛子さま「あえて眉山を作らずハの字に落ちる眉」「頬の高い位置にピンクのチーク」専門家が単独公務でのメイクを絶賛 気品漂う“大人の横顔”
NEWSポストセブン
川崎市に住む岡崎彩咲陽さん(当時20)の遺体が、元交際相手の白井秀征被告(28)の自宅から見つかってからおよそ4か月
「骨盤とか、遺骨がまだ全部見つかっていないの」岡崎彩咲陽さんの親族が語った “冷めることのない怒り”「(警察は)遺族の質問に一切答えなかった」【川崎ストーカー殺人】
NEWSポストセブン
最新機種に惑わされない方法とは(写真/イメージマート) 
《新型iPhoneが発表》新機能へワクワク感高まるも「型落ち」でも充分?石原壮一郎氏が解説する“最新機種”に惑わされない方法
NEWSポストセブン
シーズンオフをゆったりと過ごすはずの別荘は訴訟騒動となっている(時事通信フォト)
《真美子さんとの屋外プール時間も》大谷翔平のハワイ別荘騒動で…失われ続ける愛妻との「思い出の場所」
NEWSポストセブン
選手会長としてリーグ優勝に導いた中野拓夢(時事通信フォト)
《3歳年上のインスタグラマー妻》阪神・中野拓夢の活躍支えた“姑直伝の芋煮”…日本シリーズに向けて深まる夫婦の絆
NEWSポストセブン
学校側は寮内で何が起こったか説明する様子は無かったという
《前寮長が生徒3人への傷害容疑で書類送検》「今日中に殺すからな」ゴルフの名門・沖学園に激震、被害生徒らがコメント「厳罰を受けてほしい」
パリで行われた記者会見(1996年、時事通信フォト)
《マイケル没後16年》「僕だけしか知らないマイケル・ジャクソン」あのキング・オブ・ポップと過ごした60分間を初告白!
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
【七代目山口組へのカウントダウン】司忍組長、竹内照明若頭が夏休み返上…頻発する「臨時人事異動」 関係者が気を揉む「弘道会独占体制」への懸念
NEWSポストセブン
『東京2025世界陸上』でスペシャルアンバサダーを務める織田裕二
《テレビ関係者が熱視線》『世界陸上』再登板で変わる織田裕二、バラエティで見せる“嘘がないリアクション” 『踊る』続編も控え、再注目の存在に 
NEWSポストセブン
会話をしながら歩く小室さん夫妻(2025年5月)
《ベビーカーショットの初孫に初コメント》小室圭さんは「あなたにふさわしい人」…秋篠宮妃紀子さまが”木香薔薇”に隠した眞子さんへのメッセージ 圭さんは「あなたにふさわしい人」
NEWSポストセブン
試練を迎えた大谷翔平と真美子夫人 (写真/共同通信社)
《大谷翔平、結婚2年目の試練》信頼する代理人が提訴され強いショックを受けた真美子さん 育児に戸惑いチームの夫人会も不参加で孤独感 
女性セブン
海外から違法サプリメントを持ち込んだ疑いにかけられている新浪剛史氏(時事通信フォト)
《新浪剛史氏は潔白を主張》 “違法サプリ”送った「知人女性」の素性「国民的女優も通うマッサージ店を経営」「水素水コラムを40回近く連載」 警察は捜査を継続中
NEWSポストセブン