初の本格小説『火花』が35万部の大ヒットとなっているピース・又吉直樹(34才)。又吉は子供の頃からキャラクターを使い分けるような二面性があったのだという。又吉が、自身の子供時代を振り返った。
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小学校の同級生の女の子が“又吉クンが怖い”と言って学校を休んだことがあったんです。ぼくが暴言を吐いたり暴力を振るったりしたんじゃないのは担任もわかってるんですが、女の子が無言のうち恐怖をおぼえるようなぼくを、どう指導していいかわからない。
それでぼくの通ってた学童保育に取材に行ったらしく、そこで聞いたのが“あんな優しい子はいないよ”というセリフ。担任に“又吉クンはボス的な面がある怖い人間やと思ってたけど、ほんまは優しい子なんやなあ”と言われたとき、“おれ、今何言われてるんやろ!?”と思いましたね(笑い)。
ぼくは、学童では先生に頼まれて小さい子たちの面倒をよくみてたんです。でも学校では怖がられるから、ずっと変なことを言わなあかんと思ったり…。
人の言葉には妙な引力があって、ネガティブな評価にも、つい応えてしまう。例えば不良といわれ続けたら、不良になってしまうとか、そういうこと、あると思うんです。
※女性セブン2015年4月9・16日号