ビジネス

2016年度の就活戦線は「勉強」を熱く語れることが重要になる

 2016年度の就職面接で聞かれるキーワードは「勉強」という。もはや「学チカ」ではない。作家で人材コンサルタントの常見陽平氏が解説する。

 * * *
 就活生の皆さん、突然ですが、大学時代に勉強したことを熱く語ることができますか? というのも2016年度の就活で鍵となりそうなのか「勉強」の話なのです。

 前回、「おわハラ(就活終われハラスメント)」の記事でもご紹介しましたが、大学、短期大学、高等専門学校で構成する就職問題懇談会は「大学等卒業・修了予定者の就職・採用活動時期変更に係る企業等への要請に関する申合せ」を取りまとめ、2月25日に発表しました。

 内容は、1.就職時期の変更について 2.就職・採用活動の公平・公正の確保について 3.採用選考活動における評価について 4.学生の健康状態への配慮についてという、大きく4つの柱からなっています。この件は、大学内での企業説明会でやってきた企業に書面で手渡しするように要望されています。

 この3つ目の項目において、「学業のことを選考でも重視するように」ということがうたわれています。「今般の就職・採用活動の後ろ倒しの趣旨を踏まえ、少なくとも卒業・修了前年度までの学業成果(成績や履修履歴等)を採用面接において活用するなど適切に評価していただきたいこと。」とあります。

 もちろん、これは「要請」であって、法的な拘束力はありません。ただ、企業の方も、ここ数年、「勉強のこと」を質問するのは「便利」であることに気づき始めたのです。というのも、よくある「学生時代に力を入れたことは何ですか?(通称:学チカ)」という質問では、聞くことができる内容に限界があるのです。意地悪な言い方をすると、「自分が好きなこと」を「自分と仲の良い人」と「できる範囲」でやったことを劇的に語っているだけ、ということになり得るわけです。

 勉強に関する質問というのは、その人の価値観、思考回路、行動特性がよりわかりやすいのです。なぜ、その科目を履修したのか、その科目で成績をアップさせるためにどのような取り組みをしたのかなどを聞いていく質問は有効です。学生は勉強するのが本業のはずで、それは重視するべきですが、同様に、これは便利な質問でもあるわけですね。

 大学というのは、基本は単位を取得し、卒業を目指すことが前提です。単位を取得するのは、いわば、「やらざるを得ない」ことです。社会に出ると「やりたいこと」よりも「やらざるを得ない」ことの方が多いわけです。この「やらざるを得ない」ことにどう取り組むかがわかるのも、勉強に関する質問が有効である理由です。考える力、何か新しいことを習得する力が強いかどうかもわかります。

関連キーワード

関連記事

トピックス

中村佳敬容疑者が寵愛していた元社員の秋元宙美(左)、佐武敬子(中央)。同じく社員の鍵井チエ(右)
100億円集金の裏で超エリート保険マンを「神」と崇めた女性幹部2人は「タワマンあてがわれた愛人」警視庁が無登録営業で逮捕 有名企業会長も落ちた「胸を露出し体をすり寄せ……」“夜の営業”手法
NEWSポストセブン
愛子さま、初の単独公務は『源氏物語』の特別展 「造詣が深く鋭い質問もありドキっとしました」と担当者も驚き
愛子さま、初の単独公務は『源氏物語』の特別展 「造詣が深く鋭い質問もありドキっとしました」と担当者も驚き
女性セブン
“くわまん”こと桑野信義さん
《大腸がん闘病の桑野信義》「なんでケツの穴を他人に診せなきゃいけないんだ!」戻れぬ3年前の後悔「もっと生きたい」
NEWSポストセブン
中森明菜
中森明菜、6年半の沈黙を破るファンイベントは「1公演7万8430円」 会場として有力視されるジャズクラブは近藤真彦と因縁
女性セブン
食品偽装が告発された周富輝氏
『料理の鉄人』で名を馳せた中華料理店で10年以上にわたる食品偽装が発覚「蟹の玉子」には鶏卵を使い「うづらの挽肉」は豚肉を代用……元従業員が告発した調理場の実態
NEWSポストセブン
報道陣の問いかけには無言を貫いた水原被告(時事通信フォト)
《2021年に悪事が集中》水原一平「大谷翔平が大幅昇給したタイミングで“闇堕ち”」の新疑惑 エンゼルス入団当初から狙っていた「相棒のドル箱口座」
NEWSポストセブン
昨年9月にはマスクを外した素顔を公開
【恩讐を越えて…】KEIKO、裏切りを重ねた元夫・小室哲哉にラジオで突然の“ラブコール” globe再始動に膨らむ期待
女性セブン
稽古まわし姿で土俵に上がる宮城野親方(時事通信フォト)
尾車親方の“電撃退職”で“元横綱・白鵬”宮城野親方の早期復帰が浮上 稽古まわし姿で土俵に立ち続けるその心中は
週刊ポスト
大谷翔平の妻・真美子さんの役目とは
《大谷翔平の巨額通帳管理》重大任務が託されるのは真美子夫人か 日本人メジャーリーガーでは“妻が管理”のケースが多数
女性セブン
17歳差婚を発表した高橋(左、共同通信)と飯豊(右、本人instagramより)
《17歳差婚の決め手》高橋一生「浪費癖ある母親」「複雑な家庭環境」乗り越え惹かれた飯豊まりえの「自分軸の生き方」
NEWSポストセブン
店を出て染谷と話し込む山崎
【映画『陰陽師0』打ち上げ】山崎賢人、染谷将太、奈緒らが西麻布の韓国料理店に集結 染谷の妻・菊地凛子も同席
女性セブン
殺人未遂の現行犯で逮捕された和久井学容疑者
【新宿タワマン刺殺】ストーカー・和久井学容疑者は 25歳被害女性の「ライブ配信」を監視していたのか
週刊ポスト