上からもつ煮込み350円、クジラ刺身400円、ポテトサラダ250円
ホワイトボードに書かれたメニューは、どれをとっても酒飲みが無視することができっこないほどのいい味のつまみばかりが並ぶ。
「彼女、魚介類とか野菜とかの目利きも素晴らしいし、当然ながら料理の腕もいい。三浦三崎に揚がったマグロを筆頭に、刺身はどれも新鮮で絶対にうまい。それだけじゃないんです。挙げたらきりがないけど、豚のしょうが焼き、もつ味噌煮込み、ポテトサラダ…。まだまだ挙げ足りません。ここ酒屋でしょ、立ち飲み屋さんでしょ。そこでこれだけのものが食べられるなんて、驚きですよ」(40代、製造業)
「私は20年以上通っている者です。彼女のこのつまみが出てくるようになってから、店に対する思い入れは確かに強くなりましたね。それと同じように、通い始めの頃はなかったけれど、現在心を惹かれているものがもう一つあるんです。タカラ焼酎ハイボールですよ。甘くないのでスーッと飲める。そのくせ、存在感がある酒で、好きですねえ」(60代)
「自分は今年初めてこの店に入ったんですけどね。もう通いづめですよ。気に入ってしまった理由ですか。店の人や常連の人にすぐに顔を覚えてもらったのがうれしかったってこともあるんですけどね。細かいことはいいじゃないですか。とにかく、ここで飲んでる人たちの顔を見ればわかるでしょ。ただただ幸せなんですよ。そう、店のあるここは幸区だしね」(40代、機械系)
酒もうまけりゃ、つまみもうまいと、角打ち(酒屋の立ち飲み)愛好者に親しまれるこの店は、お品書きには載っていないが、親父ギャグもうまい肴になっているようだ。