格差が拡大し、これまでなら普通に暮らしていけたはずの「中流階級」が、そこから陥落するリスクも高まっていくのです。富める者はより富み、それ以外の者は貧困層へと追いやられる、新たな格差社会が待ったなしの状況です。
実際、労働所得に課せられる所得税は累進課税になっており、稼げば稼ぐほど税率は高くなっていきます。これに対し、株式の売買益や利子、配当といった資本所得への課税は何億円稼いだとしても一律2割で済みます。日本の税制は、ただでさえ資産を持つお金持ちにとって有利なものとなっています。
ここに資本収益率(r)は経済成長率を上回るという「r>g」の定理を当てはめて考えれば、格差の拡大は避けようがないでしょう。日本経済の二極化はますます進み、放っておけば中流からの没落は必至の情勢です。
だからといって悲嘆に暮れている場合ではありません。到来が迫る「新格差社会」で生き残るためには、資本収益率を高めるしか選択肢はありません。すなわち資産運用の意識を高め、労働所得以外の収入をいかに得るかが、何よりも重要となってくるのです。
※マネーポスト2015年春号