二塁手と遊撃手の共通点はともに守備範囲が広いこと。三塁手と一塁手の守備範囲はベース付近だけ。遊撃手は一塁まで遠いのでアウトにできる守備範囲は限られており、その点では二塁手のほうが守備範囲は広い。一、二塁間の三分の二以上は二塁手が守っています。
そのため遊撃手に比べて二塁手は大胆なポジショニングができる。ほとんど自分の判断でやっていたが、これもベンチの信頼がないとやらせてもらえない。そういうことができたのはレギュラーになって5~6年目でした。観客には分かりにくいかもしれませんが、一、二塁間のヒット性の当たりを正面で捕球したりすると快感でした。
どこを守っていても重要なのは、いかに素早く第一歩を打球方向に踏み出すか。僕は捕手のミットを見て動いていました。投手の手を離れた瞬間、捕手はボールの方向にミットを構える。それが内か外か、あるいは低めか高めかで踏み出す。この1歩が守備範囲の広さを決める。
最強の二遊間とは、二塁手と遊撃手の守備範囲が広いコンビではないでしょうか。内野手の間をゴロで抜くのが難しくなりますからね。そのためにはいかに“根拠あるヤマ”を張れるかが大事だと思います。
※週刊ポスト2015年4月10日号