だが、機能性表示食品が増えれば増えるほど、トクホや栄養機能食品との棲み分けが曖昧になるうえ、簡易審査のために玉石混交の商品が出てこないとも限らない。
「特に海外の植物を取り入れている食品などは、産地や種類が違えば効果も変わるため、農水省でもデータを把握できないものが多くあります。
そこで、機能性表示食品に申請しなくても、論文を転用したり日本流に置き換えたりしたインチキ商品がネット通販やダイレクトメールで広まる恐れはあります」(前出・小泉氏)
都内の調剤薬局に勤務する薬剤師はこんなアドバイスをする。
「もちろん、薬よりも体質に合う機能性食品はあるでしょうが、逆に日頃から服用している薬との併用によって効果を不必要に強めてしまうこともあるので注意が必要です。そもそも食品で病気が治ると思ってはいけません」
これまで以上に消費者の自己責任も増す食品の機能性表示。健康価値を実感できるかどうかの賢い“選択肢”を持つことが重要だ。