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福建省で病死した豚肉2000トンが流通 「死刑にすべき」の声

 中国の福建省で、2つのグループが養豚業者から病死した豚を安く買い取り、これらの豚肉をひき肉やハムなどに加工して、2010年から5年間で合計2000トンも売りさばいていたことが分かった。中国各紙が報じた。犯人グループは12人いたが、彼らはこれらの豚肉を一切食べていないという。ネット上では「死刑にしても怒りは収まらない」との声が数多く寄せられている。

 2つの犯人グループが病死豚の肉を加工して売っていたことが分かったのは、豚を売った養豚業者の知人が匿名で警察に訴えたためだ。警察は今年3月、これらの加工工場に強制捜査に入り、死亡した豚や加工済みひき肉やハムを押収し、犯人グループ計12人を逮捕した。

 調べによると、彼らは死亡した豚を一匹当たり100元(約2000円)程度で引き取っていたという。ある養豚業者は2010年初めごろから、犯人グループに病死した豚を売っており、全部で5万匹に達するという。

 これらのハムやひき肉は福建省内の福州市や厦門市、泉州市のほか、河南省や浙江省、湖南省、四川省、広東省で売られていた。販売総額は約5500万元(約11億円)にも上っている。

 犯人グループは福建省の高級法院(高裁)で裁判にかけられ、12人にそれぞれ懲役12年から2年6月の判決が下された。

 ネット上では、これらの加工したひき肉やハムが売られた福建省などからの書き込みが相次ぎ、「もしかしたら、食べたかも知れない。そういえば、2、3日腹の調子が悪い時期が続いたこともあった。懲役12年なんて許せない。死刑にすべきだ」などの怒りの声が多く寄せられている。

 中国では最近、マクドナルドやケンタッキーフライドチキンなどで、抗生物質や成長ホルモン剤を過剰に投与した鶏肉が使用されていたことが分かり、大騒ぎになったばかり。李克強首相も昨年の全国人民代表大会(全人代)で、「中国での食の信頼を取り戻さなければならない」と強調していたが、今回の事件が発覚したことで、中国の食の安全はまったく改善されていなかったことが明らかになった。

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