ファッションプロデューサー植松晃士さんが、『プラチナエイジ』(東海テレビ)など、最近のアラ還世代のドラマ台頭に大喜び。これからは「アラ還の時代」と思ったものの、ドラマと現実のギャップにがっかりしたこともあったという。いったい何があったのか? 聞いてみました。
* * *
先日、とてもがっかりする出来事がありました。おしゃれで美人のアラ還女性と話していて「近々、お食事しましょう」という話になったとたんです。
「私、今週は肉ばかりだったから、魚がいいわ」っておっしゃったんです。
私は女性がお肉を「肉」と言ったり、「金」とか「風呂」とか、「うまい」とか、そういう言葉遣いをするのが本当にイヤ。テレビのタレントさんが使っている影響が大きいのかとも思いますが、どんなに可憐なお嬢さんでも、「うまい」って言った瞬間、どん引きです。
「○○なんじゃね?(平坦に!)」という言い方も、すごく耳障りです。
もちろん、言葉は時代の中で常に変化するものです。だから10代、20代のお嬢さんが勢いで使うのはまだいいんです。だけど大人の女性まで使うのはいかがなものでしょう。下品な言葉には独特のパワーがあるので、つい口走りたくなる気持ちはわかります。でも、そこはやはり自制していただきたい。この自制心こそが、「大人の知性」だからです。
そうそう。つい先日、気づいたのですが、私は「だわ」とか「よね~」という語尾をよく使いますが、女性ではほとんどいません。
女性ならではの優しい言葉遣いは、今や“おねえキャラ”だけの専売特許になってしまったのでしょうか。
私自身は、この連載の冒頭で使っている、「ご機嫌よう」という言葉も大好きで、日常でも普通に使っています。
先日、お友達に、「ご機嫌よう。お元気?」って電話したら、「ありがとう。お陰様で、おべんきよ~」と返され、涙を流して大爆笑してしまいました。
こういう、人を気遣いながらの大人のユーモアって、いいものですよ。オバさん、万歳!
※女性セブン 2015年5月14・21日号