ムラサキスポーツ イオンモールむさし村山店の店長・鈴木さんと担当・遊佐さん
遊具として子供を遊ばせるだけでなく、親がそのアイテムを工夫する余地があり、レースやサークルへの参加を通じて交流の輪が広がる――といった点に付加価値を感じる人も多く、継続的に親子で楽しむ動機となっているようだ。このように、ひとつの遊具に複数の要素があり、親子で繰り返しモチベーションが上がるポイントがあることは、それだけ子供の能力を高める点においても、メリットがあるという。
「バランス能力は、自然に何もしないで育つものではありませんし、脳も、筋肉も神経の働きも何もしないのでは育ちません。繰り返し刺激を与えることによって働きが良くなるのです。その点で『ストライダー』がバランス能力を発達させるということは、アメリカのサウスダコタ州立大学の研究で明らかにされています。『ストライダー』で遊ぶと子供自身も少しずつ、上手になっていくのがわかります。上手になってくるともっとやりたくなります。もっとやればさらに上手くなっていき、それがさらに脳を活性化させるのです。
幼児期に育てるべき運動能力はすべての基礎となるバランスと、すばやく動く急に方向を変えるなどといった敏捷性、異なった動作をコントロールして巧みに行なう協応性です。それが子供の運動神経を良くし、運動を楽しむ意欲を育て、ケガの少ない子供に育てることに繋がると思います」(前出・亀谷氏)
このようにポジティブな点の多い『ストライダー』だが、だからこそ「ルールを守って、安全に楽しんでもらいたい」と遊佐さんは語る。
「左右の重心のバランス感覚を鍛えたり、ハンドルの動きに合わせて、重心の位置を変えて行きたい方向へ移動する訓練は、自転車をはじめ、いろんな運動を始める時に役立つと思います。乗る際には、ヘルメットはもちろん、肘や膝を着くことも多いので、プロテクターを着用するようにしてください。また小さいお子さんは頭が重いので、前のめりになった際に、額がハンドルにぶつかってしまうこともありますから、衝撃を和らげるための専用のハンドルパッドもお勧めしています。
『ストライダー』は公道ではなく、安全なスペースで楽しむ遊具ですから、思い切り遊ぶのに差し支えない場所へ移動するまでは、乗らないようにしましょう。また、遊んでいる際も、保護者の方がきちんと見守って、『上手にできたね』など声をかけていただけると、お子さんも早く上達します。小さい時に触れる遊具で、ルールを守って、安全に遊んだり、練習したりすることが、成長する中でいろいろなスポーツを身につける時のための、良い練習になると思いますよ」(遊佐さん)