「普通、薬には量に応じて効果が変わる用量依存性がありますが、ニボルマブはありません。体重当たり0.1mgでも10mgでも効果は出る。しかし、適量がわかりにくい。
また、最初の3か月は変化がないか、逆に症状が悪化しても、その後に効き始めることがあり、ずっと効果が持続するという特徴もあります。中には治療後すぐに転移してしまっても、あきらめずに治療していると、ゆっくり効く場合もあります。しかも、1度効果が出ると長期にわたり効果が持続します」(山崎科長)
海外で使用されている同様の作用機序のイピリムマブには、10年間効果が継続している患者もいるという。副作用は皮膚のかゆみや下痢、肝臓障害、ホルモン障害、間質性(かんしつせい)肺炎などがあるので、専門医の指導のもと、治療することが重要だ。ニボルマブは他のがんの治療薬としても注目され、治験が始まっている。
■取材・構成/岩城レイ子
※週刊ポスト2015年6月12日号