ビジネス

無印の通称「人をダメにするソファ」 発売10年で再ブーム

 2003年の発売以降、累積販売数100万個を突破した『体にフィットするソファ』(良品計画)。

 いまや中国やニューヨークでも予約が殺到、国内でも品薄状態の人気ぶりだが、「無印良品」の定番商品になるまでには紆余曲折があったという。作家の山下柚実氏が、その経緯について担当者に斬り込んだ。

 * * *
『体にフィットするソファ』の発売は12年前の2003年。良品計画生活雑貨部・依田徳則氏(39)に、開発コンセプトを聞いた。

「当時、『すわる生活』というテーマを設定し、ネットユーザーと対話しながら開発した商品でした。低い位置で体を崩して座るクッション、という企画自体は、お客様の要望の数の多さで決まりました」

 基本構想は固まった。しかし、それを形にするデザイナーの試行錯誤は続いた。そしてある日、偶然が舞い降りる。プロトタイプ作成中に、たまたまカバーに使う伸縮素材の生地が足りなくなったのだ。

「外はひどい嵐。追加の布を買いに行ける状況ではありませんでした。そこで手元にあった木綿のハンカチで足りない部分を継いで作ってみたのです。

 すると伸縮性の異なる布を互い違いに組み合わせることで、椅子のようにもなり体を包み込むような座布団のようにもなるという、多様な使い方のクッションができることが分かったのです」(開発担当デザイナー・柴田文江氏『日経デザイン』2014年6月号)

 当初はトライアル商品でヒットは誰も想像していなかったという。だが、評判はじわじわと広まり、年間10万個を売る定番商品に育った。

 しかし、そこから累計100万個販売へと、順風満帆に進んでいったわけではない。

「一時は廃番の危機に直面したのです」と聞いて驚いた。

関連キーワード

関連記事

トピックス

70歳の誕生日を迎えた明石家さんま
《一時は「声が出てない」「聞き取れない」》明石家さんま、70歳の誕生日に3時間特番が放送 “限界説”はどこへ?今なお求められる背景
NEWSポストセブン
イスラエルとイランの紛争には最新兵器も(写真=AP/AFLO)
イスラエルとの紛争で注目されるイランのドローン技術 これまでの軍事の常識が通用しない“ゲームチェンジャー”と言われる航空機タイプの無人機も
週刊ポスト
一家の大黒柱として弟2人を支えてきた横山裕
「3人そろって隠れ家寿司屋に…」SUPER EIGHT・横山裕、取材班が目撃した“兄弟愛” と“一家の大黒柱”エピソード「弟の大学費用も全部出した」
NEWSポストセブン
ノーヘルで自転車を立ち漕ぎする悠仁さま
《立ち漕ぎで疾走》キャンパスで悠仁さまが“ノーヘル自転車運転” 目撃者は「すぐ後ろからSPたちが自転車で追いかける姿が新鮮でした」
週刊ポスト
無期限の活動休止を発表した国分太一
「こんなロケ弁なんて食べられない」『男子ごはん』出演の国分太一、現場スタッフに伝えた“プロ意識”…若手はヒソヒソ声で「今日の太一さんの機嫌はどう?」
NEWSポストセブン
9月に成年式を控える悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
《模擬店では「ベビー核テラ」を販売》「悠仁さまを話題作りの道具にしてはいけない!」筑波大の学園祭で巻き起こった“議論”と“ご学友たちの思いやり”
NEWSポストセブン
1993年、第19代クラリオンガールを務めた立河宜子さん
《芸能界を離れて24年ぶりのインタビュー》人気番組『ワンダフル』MCの元タレント立河宜子が明かした現在の仕事、離婚を経て「1日を楽しんで生きていこう」4度の手術を乗り越えた“人生の分岐点”
NEWSポストセブン
元KAT-TUNの亀梨和也との関係でも注目される田中みな実
《亀梨和也との交際の行方は…》田中みな実(38)が美脚パンツスタイルで“高級スーパー爆買い”の昼下がり 「紙袋3袋の食材」は誰と?
NEWSポストセブン
5月6日、ニューメキシコ州で麻薬取締局と地区連邦検事局が数百万錠のフェンタニル錠剤と400万ドルを押収したとボンディ司法長官(右)が発表した(EPA=時事)
《衝撃報道》合成麻薬「フェンタニル」が名古屋を拠点にアメリカに密輸か 日本でも薬物汚染広がる可能性、中毒者の目撃情報も飛び交う
NEWSポストセブン
カトパンこと加藤綾子アナ
《慶應卒イケメン2代目の会社で“陳列を強制”か》加藤綾子アナ『ロピア』社長夫人として2年半ぶりテレビ復帰明けで“思わぬ逆風”
NEWSポストセブン
2人の間にはあるトラブルが起きていた
《2人で滑れて幸せだった》SNS更新続ける浅田真央と2週間沈黙を貫いた村上佳菜子…“断絶”報道も「姉であり親友であり尊敬する人」への想い
NEWSポストセブン
ピンク色のシンプルなTシャツに黒のパンツ、足元はスニーカーというラフな格好
高岡早紀(52)夜の港区で見せた圧巻のすっぴん美肌 衰え知らずの美貌を支える「2時間の鬼トレーニング」とは
NEWSポストセブン