ライフ

人気の料理YouTuber 材料&分量にこだわって再生回数UP

 人気の動画サイト『YouTube』で、独自の動画を公開し続けているYouTuberたち。世界のYouTuberのなかには、その広告収入で数億円稼ぐ人もいる!?と話題沸騰中。日本でもHIKAKINさんをはじめ有名YouTuberが続々と誕生しているが、海外からも人気となっているのが『Cooking with Dog』。犬のフランシスと女性シェフが、親子丼やたこ焼きなど日本の料理を実演。レシピはフランシスが英語のナレーションで説明し、日本語の字幕で紹介するというスタイルで、現在チャンネル登録者数は98万人以上という人気だ。本名は明かしていないという制作者とシェフに制作秘話を教えてもらった。

――動画を公開するようになったきっかけを教えてください。

制作者(以下、制):最初に動画を公開したのは2007年9月9日です。もともとアメリカのロサンゼルスで、ドキュメンタリーや映画の映像の仕事を2年ほどしていたんですが、ビザの関係で日本に帰国。その後、英語と映像をいかした仕事をやりたいと探していたときに、YouTubeと出合ったんです。

——−料理というジャンルで動画を作ろうとしたのはどうしてですか。

制:日本の情報を海外に発信することに興味がありましたし、ロサンゼルスにいた時に日本食が流行っていたので料理というテーマにいきつきました。そこで、シェフにカメラの前で料理をつくってもらえないかとお願いしました。

――シェフとのご関係は明かしていなんですよね。

制:そうですね。一切明かしていません。他のチャンネルとの差別化もあるし、そこら辺は曖昧にしていたほうが見ている側も想像しながら楽しんでもらえるかなと。
   
シェフ(以下、シ):実はシェフという呼び名も、最初はこちらから名乗ったわけではないんです。視聴者からのコメントがきっかけで、シェフと呼ばれるようになりました。

――フランシスを登場させようと思った理由はなんですか。

制:シェフと動画を作るための話し合いの段階で決めました。もともとシェフとフランシスは一緒に暮らしているので、ふつうの家庭では犬が台所にくることもあるし、フランシスとシェフがそばにいることでお互いに安心できる。もちろん、犬がキッチンにいるのはどうかという批判もあるかと思いましたが、結果的に他の料理動画との差別化もできたと思います。

――ブレイクのきっかけは何だったのですか。

制:この動画がきっかけというのがあるわけではないんです。動画投稿を始めてから7~8年の長い時間かけて徐々に人気が出てきた感じです。

 例えばカスタードプリンやお弁当などは人気のある動画なんですが、そのブームに一時的に乗ったとしても人気は長く続かない。それよりも長く何度も見てもらえる動画をたくさん作ってきた積み重ねによって、ファンのかたが増えたのだと思います。

――撮影の苦労やこだわりを教えてください。

制:撮影用の機材も最初は、工事現場などで使っているようなオレンジ色のライトをホームセンターで購入して、カメラ1台で撮影を始めました。そこから少しずつ改善を繰り返して、今では撮影用照明を使い、カメラも4台になりました。

 カメラは、2台を同時に回して撮影しています。また、全体の映像と手元のズームアップを撮影するために、同じレシピを毎回2度ずつ実演しています。そのため、撮影にも編集にも手間がかかります。シーンごとに手順を写真に撮っておいて、矛盾がないように段取りや構成をしっかり組んで行っています。

シ:私は、使う食材の鮮度や見栄えにこだわっています。例えば、生しいたけでも新鮮でしわのよっていないものを使いたいので、わざわざしいたけを収穫しに出向いたり、スーパーなどで2~3パック買って選別したりするんです。
 
あと、料理はオリジナルレシピなので、毎回、撮影前までに最低2回は作ってみます。うまくいかないときは数えきれないくらい作ります(笑い)。収録してから公開するまでに2週間あるので、しょう油やみりんなどの分量は、撮影後でも納得するまで何度も分量を調整しています。

————動物が相手だと撮影も大変ではないですか。

関連キーワード

関連記事

トピックス

『マモ』の愛称で知られる声優・宮野真守。「劇団ひまわり」が6月8日、退団を伝えた(本人SNSより)
《誕生日に発表》俳優・宮野真守が30年以上在籍の「劇団ひまわり」を退団、運営が契約満了伝える
NEWSポストセブン
清原和博氏は長嶋さんの逝去の翌日、都内のビル街にいた
《長嶋茂雄さん逝去》短パン・サンダル姿、ふくらはぎには…清原和博が翌日に見せた「寂しさを湛えた表情」 “肉体改造”などの批判を庇ったミスターからの「激励の言葉」
NEWSポストセブン
貴乃花は“令和の新横綱”大の里をどう見ているのか(撮影/五十嵐美弥)
「まだまだ伸びしろがある」…平成の大横綱・貴乃花が“令和の新横綱”大の里を語る 「簡単に引いてしまう欠点」への見解、綱を張ることの“怖さ”とどう向き合うか
週刊ポスト
インタビュー中にアクシデントが発生した大谷翔平(写真/Getty Images)
《大谷翔平の上半身裸動画騒動》ロッカールームでのインタビューに映り込みリポーター大慌て 徹底して「服を脱がない」ブランディングへの強いこだわり 
女性セブン
映画『八日目の蝉』(2011)にて、新人俳優賞を受賞した渡邉このみさん
《ランドセルに画びょうが…》天才子役と呼ばれた渡邊このみ(18)が苦悩した“現実”と“非現実”の境界線 「サンタさんを信じている年齢なのに」
NEWSポストセブン
アーティスト活動を本格的にスタートした萌名さん
「二度とやらないと思っていた」河北彩伽が語った“引退の真相”と復帰後に見つけた“本当に成し遂げたい夢”
NEWSポストセブン
放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、小泉家について綴ります
《華麗なる小泉家》弟・進次郎氏はコメ劇場でワイドショーの主役、兄・孝太郎はテレビに出ずっぱり やっぱり「数字を持っている」プラチナファミリー
女性セブン
調子が上向く渋野日向子(時事通信フォト)
《渋野日向子が全米女子7位の快挙》悔し涙に見えた“完全復活への兆し” シブコは「メジャーだけ強い」のではなく「メジャーを獲ることに集中している」
週刊ポスト
1966年はビートルズの初来日、ウルトラマンの放送開始などが話題を呼んだ(時事通信フォト)
《2026年に“令和の丙午”来たる》「義母から『これだから“丙午生まれの女”は』と…」迷信に翻弄された“昭和の丙午生まれ”女性のリアルな60年
NEWSポストセブン
6月2日、新たに殺人と殺人未遂容疑がかけられた八田與一容疑者(28)
《別府ひき逃げ》重要指名手配犯・八田與一容疑者の親族が“沈黙の10秒間”の後に語ったこと…死亡した大学生の親は「私たちの戦いは終わりません」とコメント
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問される佳子さま(2025年6月4日、撮影/JMPA)
《ブラジルへ公式訪問》佳子さま、ギリシャ訪問でもお召しになったコーラルピンクのスーツで出発 “お気に入り”はすっきり見せるフェミニンな一着
NEWSポストセブン
渡邊渚さんが性暴力問題について思いの丈を綴った(撮影/西條彰仁)
《渡邊渚さん独占手記》性暴力問題について思いの丈を綴る「被害者は永遠に救われることのない地獄を彷徨い続ける」
週刊ポスト