芸能

テリー伊藤 TVのオファー続く理由は毒舌に終わらぬ俯瞰目線

テリー伊藤がTV界に求められるのはどうしてか?

 今年3月に『スッキリ!!』(日本テレビ系)を降板するも、そのわずか3か月後に同時間帯の裏番組『白熱ライブ ビビット』(TBS系)、『チャージ730!』(テレビ東京系)に掛け持ち出演。何だかんだといって、テレビ業界はテリー伊藤(65)を使いたくてしょうがないらしい。歯に衣着せぬ発言がネットの“炎上”を招くこともしばしば。それでもテリーがコメンテーターとして引っ張りだこなのはなぜか。

 元テレビプロデューサーで上智大学文学部新聞学科教授の碓井広義氏は、テリーの“ギリギリ加減”が絶妙なのだと語る。

「テリーさんの持ち味といえば、ギリギリトーク、ぶっちゃけトークです。普通のコメンテーターなら自分の立場を考えてセーフティーな発言にとどめるところも、ギリギリのところを攻めていく。テレビの現場を知り尽くしているだけに、そのラインがどこにあるかをよくわかっています。

 過激な発言に対する視聴者の反応もすべて織り込み済みで、そうした反応を取り入れながら次に活かすということを繰り返して、今のテリーさんが作られたといえます」

 テリーが使われ続けるのは、単にテレビ業界に顔が利くだけでなく、卓越したコメント能力にもあるようだ。碓井氏いわく、テレビのプロデューサーには二つの目線が求められるという。

 一つは自分の場所から見る目線、そしてもう一つは引いた場所から全体を見る俯瞰の目線。テリーの発言が単なる毒舌で終わらないのは、自分の思ったことだけを言っているのではなく、俯瞰目線から社会性のある批評を作り出しているからだという。

 碓井氏はさらに、テリーの“とてつもないサービス精神”についてこう評する。

「テリーさんが面白いのは、安全圏にいようとしないことです。反応が予測できるからといって『このへんの発言にしておこう』とセーブするのではなく、ギリギリのラインを少しずつ超えながら、発言の幅をさらに広げようとしています。視聴者に向けて『これで楽しんでいるか、これならどうだ』とボールを投げ続けて、それを受ける視聴者も『次は何を言うのかな』とテリーさんの発言に釘付けになっている。世の中に物申すコメンテーターというよりも、言葉のエンターテイナーとしてみんなを楽しませているのでしょうね」

 とはいえ、世の中にはテリー以外にも、多くのテレビ文化人がいる。彼らとテリーのいちばんの違いはどこにあるのだろうか。

「テレビ業界である程度キャリアを積んでくると、どうしても自分でリミッターを作って既存の枠にはまりがちになります。ところがテリーさんは決して守りに入らない。そこが他の人と違うところです。『こんなもんかな』と思うたびにその枠をぶち壊してきたのがテリーさん。常に何か変わったことをしようと考えていますよ」(碓井氏)

 自分の発言がもとで炎上しようと、降板させられようと、転んでもただでは起きないテリー。『スッキリ!!』の降板も今となっては“おいしい”出来事だったのかもしれない。

関連キーワード

関連記事

トピックス

結婚生活に終わりを告げた羽生結弦(SNSより)
【全文公開】羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんが地元ローカル番組に生出演 “結婚していた3か間”については口を閉ざすも、再出演は快諾
女性セブン
「二時間だけのバカンス」のMV監督は椎名のパートナー
「ヒカルちゃん、ずりぃよ」宇多田ヒカルと椎名林檎がテレビ初共演 同期デビューでプライベートでも深いつきあいの歌姫2人の交友録
女性セブン
NHK中川安奈アナウンサー(本人のインスタグラムより)
《広島局に突如登場》“けしからんインスタ”の中川安奈アナ、写真投稿に異変 社員からは「どうしたの?」の声
NEWSポストセブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン