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2015.07.21 11:00  SAPIO

後藤健二氏殺害「彼がクリスチャンだった点重要」と佐藤優氏

佐藤:日本では「一神教が非寛容で、多神教が寛容だ」なんていい加減なことを話す人がいます。でも一神教も基本的には寛容です。他者に対して無関心ですから。

橋爪:他者と比較しませんからね。自分が神の意思に従って、正しく生きて行けばいいわけです。

佐藤:それを象徴するのが三大一神教の共通の聖地であるエルサレムです。プロテスタント教会もあれば、カトリック教会もコプト教会(エジプトに由来を持つキリスト教会の一派)もある。

 ユダヤ教の会堂であるシナゴーグも、イスラム教の礼拝堂のモスクも併存している。かといってお互いの教義には関心を持たない。ただし、共通の神様を信じているわけですから相互に理解し合える基盤はあります。

 一神教の信者は、時々神の声が聞こえる体験をします。後藤さんが生前に受けていた『クリスチャントゥデイ』というインターネット雑誌のインタビューでも、洗礼を受けた後にいろいろ不思議な体験をしたと語っています。危機的な状況を神の力によって救われたと。

 親交があった湯川遥菜さんがイスラム国に拘束されたとき、誰一人助けようとはしませんでした。そのとき後藤さんは神の言葉を聞いたのではないでしょうか。99匹の羊を残しても迷える1匹を探しに行くべきだ。それが、お前の役割だ、と。

 一神教の信徒は神の声が聞こえたら他の人がなにを言おうが関係ありません。だから外務省の制止を聞かずに彼はシリアに向かったのではないかと思うのです。

※SAPIO2015年8月号

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