民主党に所属しながら、永田町で“将来の総理候補”としてにわかに注目を集める男がいる。玉木雄一郎・衆院議員(46)である。
本誌7月3日号の永田町ウォッチャーが選ぶ「次の総理候補」に民主党から唯一ランクインし(9位)、『FLASH』8月4日号の政治記者101人が選んだ「5年後の総理」ランキングでも民主党トップ(9位)。多くの国民にとっては無名の男が、いったいなぜ? その政治家像に迫った。
──まずは国会論戦について聞きたい。礒崎陽輔・首相補佐官の安保法制をめぐる「法的安定性は関係ない」という発言が問題になっています。
「安倍政権は、法的安定性や、憲法に基づいて権力が行使されていくっていう原則に、戦後初めて挑戦を始めた権力なんだと思いますよ。ですから我々民主党は、憲法という最高法規に基づいて権力を行使するというルールは最低限守る政治集団として、『立憲民主党』に変えたらどうかと思っている(笑い)。立憲主義をめぐって選挙したらいいと思うんですよ」
──ただし、安保法制に関しては民主党のなかでも対案を出すべきという意見と、廃案にして違憲論に議論をとどめるべきという意見があり、考え方に開きがあります。
「それに関しては、私自身悩んだんですね。旧社会党のように何でも反対ではもちろんダメだし、安全保障に関しては、環境の変化に合わせて補う点は補うべきと考えます。
ですから、私も領域警備法(武力攻撃に至らないグレーゾーン事態に対処するための法律)の作成にも関わり、国会に提出しました。安倍政権は中国の海洋進出を煽るわりに今の11本の安保法制の法案のなかには肝心の離島防衛に関する法案が入っていないことも問題だと考えます。