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中国での歴史学はヒストリーでなくプロパガンダ 事実は不要

 中国の習近平国家主席は、2014年3月にドイツで開いた記者会見で、「日本の軍国主義によって3500万人の中国人死傷者が出た」と述べた。

 しかし、終戦直後の国民党政権時代に主張していた中国人犠牲者数は320万人だった。この数字でさえ、何の根拠も示されていないが、共産党政権が樹立すると、どんどん膨れあがっていくのである。

 中国の歴史教科書では、1960年までは1000万人と記載されていたが、1985年には2100万人に改訂された。

 1995年5月に、戦後50年の戦勝記念式典に出席した江沢民国家主席は、中国人犠牲者は3500万人と発表し、この年から歴史教科書でもこの数字が採用された。もちろん、何の根拠もない。なぜこんなことがまかり通るのか。中国問題評論家の宮崎正弘氏の話。

「中国の大学で歴史を学ぶのは文学部史学科ではなく、政治学部です。 歴史学はヒストリーではなくプロパガンダで、客観的事実も考古学的証明も不要で、共産党が3500万人と決めたから、3500万人なんです」

※SAPIO2015年9月号

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