平成22年国民生活基礎調査によると、女性の自覚症状第1位は「肩こり」だった。
「肩こりで悩んでいる人は、男性より女性の方が多いんです。女性は男性に比べて骨格が華奢で、首が細長く、首の筋力が弱い。首や肩の筋肉に負担がかかりやすく、肩こりになりやすいんです」
と、話すのは、東京都済生会中央病院整形外科脊椎外科担当部長。著書に『首・肩の痛みとこりを解消する』(法研刊)などがある手塚正樹さん。その原因は3つある。
「肩こりは、首や肩周辺の筋肉に疲労がたまり、血行が悪くなることで生じます。その筋肉疲労を招く要因が、【1】姿勢【2】運動不足【3】ストレスです。例えば、料理や掃除などで長時間同じ姿勢を続けると、首・肩へ負担がかかります。また、加齢によって筋力が衰えてくると、肩の痛みを感じやすくなります。“たかが肩こり”と放置すれば悪循環に陥り、慢性的な痛みが続いてしまうことも。早めに対処しましょう」(手塚さん、以下同)
さらに手塚さんは「悪い姿勢は背骨をゆがませ、筋肉疲労のもとになります」と指摘する。
「特に、猫背がよくありません。理想の立ち姿勢は、体を横から見た時、耳の穴・肩の中心・股関節・ひざ関節・くるぶしが一直線の状態です。ただし、良い姿勢を意識しすぎて力が入るのも逆効果。リラックスすることを心がけましょう。また、寝る時に自分に合った枕を使い、首や肩に負担をかけないことも大切です」
肩こり改善には、ウオーキングなど適度な運動で筋力をつけることが大切。筋肉疲労が解消し、血行もよくなる。ストレッチを行うのも有効だ。
「現代人は運動不足で、筋肉が硬くなりがちです。こり固まった筋肉を、ストレッチでほぐしましょう。時間をかけて1度だけ行うより、朝・昼・夕の3回くらいに分けて小まめに行う方がいいです。私も診療中は大変肩がこりますので、患者さんに説明しながら一緒にストレッチをして改善させています」
※女性セブン2015年8月20・27日号