ビジネス

『日経平均は3万円を超える!』投資プロ集団 高値継続予想

ITバブル期の現在の「株価2万円」の違い

 8月17日午前、今年4~6月期のGDP(速報値)が「マイナス1.6%(年率)」と発表され、昨年7~9月期以来のマイナス成長となった。

 ところがその日、日経平均株価は下がるどころか前日から約100円高の2万620円の終値となった。

 日経平均は今年4月、15年ぶりに2万円台を回復。それ以来、7月のギリシャ危機や8月の人民元切り下げなど、世界の株式市場を揺るがす「ショック」があったにもかかわらず、2万円台を維持してきた。

 前回2万円を超えた15年前の株高は「ITバブル」と呼ばれた。だが、2000年2月に2万円を突破した株価は4月末には1万8000円を割り込み、その後は長く下落局面が続いた。

 今回の株高はこれからも続くのか、あるいは“瞬間風速”で終わるのか、そこが注目の的となっている。

 そうした中で話題なのが、「SMBC日興証券投資情報部」が著者となった新刊『日経平均は3万円を超える!』(徳間書店刊)だ。投資のプロ集団である証券会社が高値トレンドは続くと「断言」しているのだ。

 どんな理由でそう言い切れるのか。同書をまとめた太田千尋氏(SMBC日興証券投資情報部・部長)が語る。

「簡単にいうと、前回の2万円超えであるITバブル時は『企業がそれほど儲かっていないのに、株価が上がっている』という状況でした。それは今と当時をEPSと呼ばれる指標で比べるとよくわかります」

 EPSとは企業の「1株あたりの利益」を表わす指標だ。画像に記した折れ線グラフは、日経平均株価と東証一部上場企業のEPSの推移を示したものだ。このグラフを見れば「今の株高」と「2000年の株高」の違いが明白だ。

「グラフ上の2本の線の動きを見ると、今の株高がEPSの上昇と連動し、株価は企業業績とともに上昇していることがわかります。株高にしっかりとした裏付けがあると分析できます。

 一方、2000年当時は2本の線が大きく乖離していることからもわかるように、企業の利益水準からは説明ができないほど株価が上昇していました。まさにバブルで、実際、すぐに株価は下がり始めました。同じ『日経平均2万円』といっても、当時と今では全く違うのです」(太田氏)

※週刊ポスト2015年9月4日号

関連キーワード

トピックス

三重県津市議会の青山昇武議長が女性市議への「不同意わいせつ」と「不同意性交等未遂」の疑いで書類送検された(左・Facebookより)
三重県津市議会の“禁断の話題” 公明党・青山昇武議長が女性市議への「不同意わいせつ」と「不同意性交等未遂」の疑いで書類送検、 調査委員会設置は棄権多数で否決
NEWSポストセブン
新橋には庶民に人気の居酒屋が数多くある(写真提供/イメージマート)
新橋の居酒屋が全国初「路上営業」で営業停止処分 人気店が摘発された背景と野外での”違法営業”が続く事情
NEWSポストセブン
すき家がネズミ混入を認める(時事通信フォト、写真は東京都港区の店舗)
【ネズミ混入味噌汁・被害者とのやり取り判明】すき家は「電話を受けた担当者からお詫び申し上げました」 本社も把握していたのに2ヶ月公表しなかった謎
NEWSポストセブン
水原の収監後の生活はどうなるのか(AFLO、右は収監予定のターミナル・アイランド連邦矯正施設のHPより)
《水原一平被告の収監まで秒読み》移送予定刑務所は「深刻な老朽化」、セキュリティレベルは“下から2番目”「人種ごとにボスがいて…」 “良い子”にしていれば刑期短縮も
NEWSポストセブン
歌舞伎町では多くの外国人観光客でにぎわう(撮影/木村圭司)
《全国初摘発》東京・歌舞伎町の「インバウンド向け風俗店」荒稼ぎの実態 客の6~7割は外国人で売り上げは11億円、店からは16か国の通貨を押収
週刊ポスト
眞子さんの箱根旅行のお姿。耳には目立つイヤリングも(2018年)
小室眞子さんの“ゆったりすぎるコート”に「マタニティコーデ」を指摘する声も…皇室ジャーナリスト「ご懐妊でも公表しない可能性」
NEWSポストセブン
ゼンショーホールディングスが運営する「すき家」が問題の画像についてコメントした(時事通信フォト)
【「味噌汁にネズミの死骸」で新展開】すき家がネズミ混入を認めて謝罪「従業員が提供前に商品状態の目視確認を怠った」 約2ヶ月にわたり非公表 昨年には大手製パン会社で混入の事例も
NEWSポストセブン
性被害により、バングラデシュの少女が8歳という幼さで亡くなった(地元メディアのFacebookより)
《バングラデシュ・少女殺害事件》「猿ぐつわをつけられ強制的に…」「義父の犯行を家族ぐるみで手助けした」 “性被害隠蔽殺人”も相次ぐ
NEWSポストセブン
原宿駅を降りてすぐに見える「竹下通り」(時事通信フォト)
《潜入レポート》原宿・竹下通りの偽ブランド品販売店にキャッチ男性に誘われ入店 「売っているのは本物?偽物でしょう」と聞くと…キャッチ男性がとった行動
NEWSポストセブン
3月1日に亡くなったフリーアナウンサーのみのもんたさん
《みのもんたさんは焼き肉で…》“誤飲”の恐ろしさ「窒息事故発生件数が多い食品」と「事故が起きた場合に重症となる割合が高い食品」、まったく異なるそれぞれのトップ3
女性セブン
サインと写真撮影に応じ“神対応”のロバーツ監督
ドジャース・ロバーツ監督が訪れた六本木・超高級和食店での“神対応” 全員のサインと写真撮影に応じ、間違えてファンの車に乗ってしまう一幕も
週刊ポスト
男性キャディの不倫相手のひとりとして報じられた川崎春花(時事通信フォト)
“トリプルボギー不倫”女子ゴルフ選手を待ち受ける「罰金地獄」…「4人目」への波及も噂され周囲がハラハラ
週刊ポスト