レンジは、上下2つの目標レートに挟まれたレンジ(範囲)に、判定時刻のレートが「収まるか」(レンジIN)、「収まらないか」(レンジOUT)を予想する。
「何か、突発的なニュースが出て、相場が動きそうなんだけど、どちらの方向にいくのかすぐには判断できない、といった状況のときにはレンジOUTを選びます。この夏は、頻繁に大きなニュースが出たので、このレンジが威力を発揮しました。重要な経済指標の発表や、相場に影響力のある要人発言などが飛び出したときにも、活用しています」
タッチは、設定された目標レートに、一定時間内に一度でも到達する(TOUCH)か、一度も到達しない(NO TOUCH)か、を予想するもの。一見、ラダーと同じようだが、一定時間内に一度でも到達すれば取引が終了する点が異なっている。
「上下どちらかのトレンドが発生したときに活用しています。ラダーだと、トレンドが発生しても、材料が相場に織り込まれて反転してしまい、結局、判定時刻のレートが取引時点とあまり変わらない、といった事態が起きます。しかし、タッチは、判定時刻までに一度でも目標レートに到達すればいいので、トレンドが発生したときには成功する可能性が高いのです」
ボリ平さんはこれら3つのタイプを使い分けて、難局相場を乗り越えようしているのだという。とはいえ、バイナリーオプションはそのシンプルさゆえの投機性の高さも指摘されている。
2013年秋には投資家保護を目的に、多くの規制が導入された。それまでは1日数百回も取引可能だったのが、最短でも2時間おきの取引に制限され、また、上か下かを選択するだけの二者択一という点も規制の対象となり、複数の目標レートが設定されるようになっている。
こうしたルールを遵守して、現在、バイナリーオプションを提供する国内のFX会社は、トレイダーズ証券、ヒロセ通商、FXトレード・フィナンシャル、FXプライムby GMO、GMOクリック証券、IG証券、JFX、YJFX!の8社。ちなみに、すべてのFX会社がラダーをラインナップしているが、レンジを採用しているのはFXトレード・フィナンシャルのみ。タッチを採用しているのは、FXトレード・フィナンシャルとIG証券。はたしてバイナリーオプションは、FXトレーダーにとって、有力な選択肢となり得るか。