女性にとって年齢とともに気になってくるのが、顔のしわやシミ。少しでも老化を防ぎたいと思うのが、世の女性というものだが、一体どうやってお顔のお手入れをすればいいのだろうか。
まずは、クレンジング。時間をかけてじっくり丁寧にしたほうがいいように思うが、実はそうではないようだ。よしき皮膚科クリニック銀座院長で『新版 今さら聞けないスキンケアの正解』(主婦の友社)などの著書がある吉木伸子さんが解説する。
「クレンジングはすみずみまで丁寧に、は大きな誤解。ファンデーションなどの油汚れは、メイク落としによるクレンジングが必要ですが、肌に負担をかけてしまうので、“手早く”が基本。500円玉くらいの量のメイク落としを手に取り、汚れになじませ、洗い流すまで40秒以内で終わらせましょう。この後で洗顔をするので、6割ほど落とせば充分。刺激が強いメイク落としでのマッサージは、肌にダメージを与えるので絶対やめましょう」
また、朝の洗顔は水洗いだけでOKとの説もあるが、実際はどうなのだろうか。
「睡眠中であっても、肌からは皮脂が分泌され、新陳代謝によって古い皮膚が肌の表面に出てきます。肌に皮脂が残っていると、それが酸化し、ニキビや肌老化の原因に。朝もきちんと洗顔料を使って肌の汚れを落とすと、その後に使うスキンケア用品の浸透もよくなりますよ」(吉木さん)
毛穴が気になるからと、洗顔の終わりに冷たい水で肌の引き締めをするとよいとの噂も。肌を冷やすと毛穴が小さくなるというのは、ホントなのか?
「冷やしても体温ですぐ戻ってしまうので、毛穴は縮まりません。むしろ急に冷やすような温度変化を繰り返すと、肌にストレスを与えることになり、赤ら顔の原因になるので注意して。毛穴が気になるなら、ピーリング剤入りの石けんで洗顔を。この石けんには毛穴の角栓詰まりや肌表面の余分な角質を取り除く効果があるのでオススメ」(吉木さん)
そしてもうひとつ気になるニキビ。オイリー肌が原因だとの説もあるが…。
「大人ニキビの場合、ストレスや不規則な生活によるホルモンバランスの乱れなどが原因で角質が厚くなり、毛穴を塞いでニキビができてしまうことが多いのです。睡眠不足で悪化するので、スキンケアに加え、生活習慣の改善も必要」(吉木さん)
さらに、長期療養病床田中病院院長で、著書に『女医が教える老化を止める美肌術』(扶桑社)がある美容皮膚科医・田中優子さんはこう説明する。
「洗顔をしすぎると乾燥が進み、角質が厚くなるため、かえってニキビの原因に。洗顔料の洗い残し、顔を拭く際のタオルの摩擦も肌を傷めてしまうので、やさしく拭いて」
※女性セブン2015年9月17日号