「効果が出ないのは、喫煙者や自宅で犬や猫のペットを飼っていて、それらの抗体ができている方などです。アレルギー性気管支喘息は、放置すると気管支が硬く細くなり、肺機能が低下します。このような症例も効果が落ちます。なので、発症からできるだけ早く治療を始めることができれば、より効果の高い治療結果を得られます」(永田教授)
ダニアレルゲン治療薬は、気管支喘息だけでなく、ダニが原因のアレルギー性鼻炎や結膜炎にも効果がある。また、喘息は、年数が経過するとダニだけでなく、スギ花粉や真菌(カビ)類、動物、各種の食物など、アレルゲンが増えていく。免疫療法は、これらの新規のアレルゲン増加を抑制する効果も報告されている。
なお、本年中にダニアレルゲンの舌下錠(ぜつかじょう)が発売される見込みだが、こちらは鼻炎だけで、残念ながら気管支喘息の適用はない。アレルゲン免疫療法は、アナフィラキシー(アレルギー性ショック)のリスクもあるので、必ずアレルギー専門医のもとで治療を受けることが肝心だ。
■取材・構成/岩城レイ子
※週刊ポスト2015年9月18日号