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中国産輸入食品 鶏肉1gに1300万個の細菌でアサリから除草剤

 中国食品の安全性の問題は繰り返し指摘されてきた。2014年7月に明らかになった日本マクドナルドのナゲットに“腐れ肉”が入っていた問題では、中国当局が「上海福喜食品」の幹部らを逮捕し、その後も「安全アピール」を続けてきた。が、現在も中国食品の危うさはまったく拭えていない。

 厚生労働省の統計によれば、日本は中国から年間400万トンの食品を輸入しており、届出件数で第1位。重量ベースでもアメリカ、カナダに続く第3位だ。厚労省が発表する「輸入時における食品衛生法違反事例」を見ると、今年度(2015年4~8月)は約330件の違反事例があり、うち62件が中国からの輸入品に関する事例だった。件数では圧倒的なトップになっている。

 具体的に見ていこう。怖いのは、マクドナルドのケースと同様、加熱するだけでそのまま口に入る可能性の高い「冷凍食品」だ。

「鶏肉の角切りと唐辛子炒め」と「鶏肉とピーマンのオイスター炒め」は、細菌がそれぞれ1gあたり1300万個と240万個も検出されて、廃棄・積み戻しを命じられた。「紅こち唐揚げ」、「冷凍ボイルタコ」、「アジフライ」なども同様の理由で廃棄、積み戻しを命じられている。それらはすべて製造業者が異なるから、「悪意ある1社だけの問題」とは言えない。

 農産物では、「落花生」から発がん性が指摘されているカビ毒のアフラトキシンが基準値以上検出されたケースが4件あった。漬物の「刻みたくあん」や「福神漬」からは基準値を超えた量の人工甘味料スクラロースを検出。「活アサリ」からなぜか除草剤のプロメトリンが検出されるという驚くべき例まであった。

 バイオテクノロジーがらみの違反も起きている。「ビーフン」について、原料に安全性が未審査の遺伝子組み換え米が使われているとして廃棄・積み戻しの指示が出たのだ。食品ジャーナリストの郡司和夫氏が警鐘を鳴らす。

「厚労省が発表している違反事例は自主検査やモニタリング検査で発見されるケースが中心で、氷山の一角と言えます。この他にも多くの違反食品はチェックを潜り抜け、日本の食卓に上っていると見るべきです」

 今日も中国からは大量の食品が上陸している。

※SAPIO2015年10月号

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