芸能

素人インタビュー番組増加 人気理由は脱予定調和と人間ドラマ

素人インタビューが人気のひとつになっている『月曜から夜ふかし』(公式HPから)

 素人にインタビューして、面白いトークやユニークなキャラクターを引き出すことを企画のメインに据えた番組が増加している。しかも、人気番組が多い。いったいなぜ増えているのか? そして人気の理由とは? テレビ解説者の木村隆志さんが分析する。

 * * *
 素人インタビュー番組の代表格と言えば、『1億人の大質問!? 笑ってコラえて!』(日本テレビ系)。王道の「日本列島ダーツの旅」に加え、昨年はじまった「朝までハシゴの旅」もラブリさんと佐藤栞里さんの活躍で人気コーナーになるなど、ますます絶好調です。同じ日本テレビ系の『カミングアウトバラエティ!! 秘密のケンミンSHOW』『月曜から夜ふかし』も素人インタビューを中心に構成され、安定した支持を集めています。

 そこにテレビ東京が、2013年に『YOUは何しに日本へ?』、2014年に『家、ついて行ってイイですか?』『逆向き列車』という、1人の人間を掘り下げるスタイルの番組を投入してきました。これらがそろって大好評だったのですが、その理由は、「視聴者が素人インタビューの映像に新鮮さを感じた」から。『クイズ!ヘキサゴン』(フジテレビ系)が全盛期の2000年代前半からタレントを大量投入した番組が激増し、内輪受けのようにガヤガヤさわぐシーンに辟易する人が増えました。その点、素人が等身大で話す姿は、どこか安心感がある上に、意外性や再発見があったのでしょう。

 また、タレントを大量投入した番組と比べると、「素人インタビューには台本がない」ことも大きいと思われます。タレント同士が見せる“お約束”などの予定調和も視聴者が嫌う要素なのですが、それがないため、つい見入ってしまうのでしょう。街ぶら番組や路線バス番組の隆盛を見ても、視聴者が“台本のない楽しさ”を選んでいることがわかります。

 日本テレビとテレビ東京の素人インタビュー番組が好調なため、今年から他局も素人インタビュー番組に力を入れはじめました。テレビ朝日は、4月に『夜の巷を徘徊する』、10月に『聞きにくい事聞く』(テレビ朝日)をスタート。フジテレビは、3月に単発で『バカリズムのとりあえず相談室~日本のリアルお悩み集めてきました~』を放送してレギュラー化への布石を打ち、18日からは『人生のパイセンTV』もスタート予定です。

 さらにテレビ東京は、10月に『おねだりの達人』も追加。「マツコ・デラックスと素人」「素人へ聞きにくい質問」「素人の悩み」「素人のおバカな先輩」「素人におねだり」と微妙にテーマは異なりますが、共通しているのは番組名のわかりやすさ。タレントのネームバリューに頼らない分、「名前だけでどんな内容かわかる」ことが素人インタビュー番組の必須条件とも言えるでしょう。

関連記事

トピックス

米利休氏のTikTok「保証年収15万円」
東大卒でも〈年収15万円〉…廃業寸前ギリギリ米農家のリアルとは《寄せられた「月収ではなくて?」「もっとマシなウソをつけ」の声に反論》
NEWSポストセブン
埼玉では歩かずに立ち止まることを義務づける条例まで施行されたエスカレーター…トラブルが起きやすい事情とは(時事通信フォト)
万博で再燃の「エスカレーター片側空け」問題から何を学ぶか
NEWSポストセブン
趣里と父親である水谷豊
《趣里が結婚発表へ》父の水谷豊は“一切干渉しない”スタンス、愛情溢れる娘と設立した「新会社」の存在
NEWSポストセブン
SNS上で「ドバイ案件」が大騒動になっている(時事通信フォト)
《ドバイ“ヤギ案件”騒動の背景》美女や関係者が証言する「砂漠のテントで女性10人と性的パーティー」「5万米ドルで歯を抜かれたり、殴られたり」
NEWSポストセブン
事業仕分けで蓮舫行政刷新担当大臣(当時)と親しげに会話する玉木氏(2010年10月撮影:小川裕夫)
《キョロ充からリア充へ?》玉木雄一郎代表、国民民主党躍進の背景に「なぜか目立つところにいる天性の才能」
NEWSポストセブン
“赤西軍団”と呼ばれる同年代グループ(2024年10月撮影)
《赤西仁と広瀬アリスの交際》2人を結びつけた“軍団”の結束「飲み友の山田孝之、松本潤が共通の知人」出会って3か月でペアリングの意気投合ぶり
NEWSポストセブン
米利休氏とじいちゃん(米利休氏が立ち上げたブランド「利休宝園」サイトより)
「続ければ続けるほど赤字」とわかっていても“1998年生まれ東大卒”が“じいちゃんの赤字米農家”を継いだワケ《深刻な後継者不足問題》
NEWSポストセブン
田村容疑者のSNSのカバー画像
《目玉が入ったビンへの言葉がカギに》田村瑠奈の母・浩子被告、眼球見せられ「すごいね。」に有罪判決、裁判長が諭した“母親としての在り方”【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
アメリカから帰国後した白井秀征容疑(時事通信フォト)
「ガイコツが真っ黒こげで…こんな残虐なこと、人間じゃない」岡崎彩咲陽さんの遺体にあった“異常な形跡”と白井秀征容疑者が母親と交わした“不穏なメッセージ” 〈押し入れ開けた?〉【川崎ストーカー死体遺棄】
NEWSポストセブン
赤西と元妻・黒木メイサ
《赤西仁と広瀬アリスの左手薬指にペアリング》沈黙の黒木メイサと電撃離婚から約1年半、元妻がSNSで吐露していた「哺乳瓶洗いながら泣いた」過去
NEWSポストセブン
元交際相手の白井秀征容疑者からはおびただしい数の着信が_(本人SNS/親族提供)
《川崎ストーカー死体遺棄》「おばちゃん、ヒデが家の近くにいるから怖い。すぐに来て」20歳被害女性の親族が証言する白井秀征容疑者(27)の“あまりに執念深いストーカー行為”
NEWSポストセブン
不倫疑惑が報じられた田中圭と永野芽郁
《永野芽郁のほっぺたを両手で包み…》田中圭 仲間の前でも「めい、めい」と呼ぶ“近すぎ距離感” バーで目撃されていた「だからさぁ、あれはさ!」
NEWSポストセブン