謝罪会見で頭を下げる旭化成グループの首脳陣


「本人は意図的にやったわけではなく、杭が(地盤の)支持層まで届いていなかったという認識はないと話しています。古い記憶で証言も曖昧だが、杭の現状を調べれば証言の真偽もはっきりする」

 と、平居副社長。しかし、この現場代理人は今でこそ旭化成建材の契約社員だが、施工当時は下請け会社からの出向だったという。つまり、杭打ち作業は下請けに“丸投げ”されていたのだ。

「これが不動産業界の実態。大型マンションともなると、建設は元請け企業から何十社もぶら下がり、最終的な責任は末端の下請け業者に押し付けられることになる」(ゼネコン関係者)

 こんな無責任体質で出来上がったマンションを買わされる住民はたまったものではない。

 会見で週刊誌記者から、「あなたが住んでいるマンションの杭打ち工事はどこが担当したのか?」と皮肉交じりに問われた浅野社長は、「私の住んでいる場所も含めてプライベートな質問に答えるつもりはない」と一瞬ムッとした表情で答えた。

 コンプライアンスの強化を謡う前に、まずは現場からもっとも遠い経営陣がいかに不安な住民の気持ちに立てるか――。補償内容も含め、いま、その対応力が問われていることを肝に銘じるべきだ。

●撮影/横溝敦

関連記事

トピックス

国内ミュージカル単独主演記録を樹立した堂本光一(撮影/浅野剛)
《思い残すことは何もない》堂本光一『Endless SHOCK』大千秋楽、清々しい笑顔で本音を吐露「究極体を演じるというのは、つらい25年でした」
女性セブン
地元で愛されるスーパーマーケットが被害に(左:『株式会社伊徳』公式Xより。右:時事通信フォト)
《秋田スーパー・クマ立てこもり》駆除へのクレーム電話が殺到するなかで店舗が“お詫び投稿“ 県内外から「謝らないで!」「きりたんぽ買いました」の声
NEWSポストセブン
自宅マンションの火災で家族を失った猪口邦子議員(時事通信フォト)
猪口邦子議員、自宅マンション火災で夫と長女が死亡 「政界はジャングルですが、家庭は温かい草原なんです…」幸せな日常を一瞬にして奪った猛火
女性セブン
“アメリカのお騒がせセレブ”として有名なタレントで実業家のキム・カーダシアン(本人のインスタグラムより)
《頭隠して尻隠さずなハイレグ姿》カニエ・ウェストの元妻(44)と現妻(29)が“ほぼ丸出しファッション”対決か
NEWSポストセブン
クマによる被害
《秋田スーパー・クマの立てこもり》市には119件の電話とメールが殺到「半数が苦情、残りは感謝の声」秋田県猟友会の会長が明かした県警と市の「苦情」対策
NEWSポストセブン
サガミオリジナル16代目宣伝大使に就任したグラビアアイドルの鈴木聖
《サガミPR大使に就任》“バトル漫画ボディ”のグラドル・鈴木聖「同年代や私より若い人たちにも必要性を発信していきたい」
NEWSポストセブン
窮地に立たされている藤原紀香と夫の片岡愛之助
【SNSに「試練は人を強くする」と投稿】藤原紀香、夫・片岡愛之助が稽古中に重傷 窮地を支える“9年目の梨園の妻”の心強さ
女性セブン
阪神残留を決めた大山
《巨人行ったらお前の実家が無くなると思えよ》阪神・大山悠輔のFAめぐり脅迫まがいの投稿も…そば店を営む実父が明かした「ファンとのやりとり」
11月に不倫が報じられ、役職停止となった国民民主党の玉木雄一郎代表、相手のタレントは小泉みゆき(左・時事通信フォト、右・ブログより)
《国民・玉木代表が役職停止処分》お相手の元グラドル・小泉みゆき「連絡は取れているんですが…」観光大使つとめる高松市が答えた“意外な現状”
NEWSポストセブン
アメリカの実業家主催のパーティーに参加された三笠宮瑶子さま。写っている写真が物議を醸している(時事通信フォト)
【米実業家が「インスタ投稿」を削除】三笠宮瑶子さまに海外メーカーのサングラス“アンバサダー就任”騒動 宮内庁は「御就任されているとは承知していない」
NEWSポストセブン
「ホワイトハウス表敬訪問」問題で悩まされる大谷翔平(写真/AFLO)
大谷翔平を悩ます、優勝チームの「ホワイトハウス表敬訪問」問題 トランプ氏と対面となれば辞退する同僚が続出か 外交問題に発展する最悪シナリオも
女性セブン
2025年にはデビュー40周年を控える磯野貴理子
《1円玉の小銭持ち歩く磯野貴理子》24歳年下元夫と暮らした「愛の巣」に今もこだわる理由、還暦直前に超高級マンションのローンを完済「いまは仕事もマイペースで幸せです」
NEWSポストセブン