ビジネス

日本は1000兆円の借金大国 そもそも借金はなぜ悪いのか?

 日本は1000兆円もの借金があるが、今後の日本経済は本当に大丈夫なのだろうか。経済学者で投資家の小幡績氏が解説する。

 * * *
 日本は借金大国といわれています。政府部門の借金は国と地方を合わせて1000兆円、国の負債だけで800兆円にも達しています。これは世界最高水準であり、歴史的に見ても世界大戦時などを除けば前例のない水準です。

 普通は「すぐに借金を減らさなければ!」となるはずです。ただ、そもそも借金はなぜ「悪い」のかを考えてみましょう。

「借金は返すべき」という倫理観を別にすれば、実は経済学的には借金がいけない理由はありません。ただ、借金に伴う「ロス」は存在するのでそれが問題になります。借金に伴うロスとは何でしょうか?

 第一に倒産リスクです。倒産は、借金の利子などを払えなかった場合に起きますが、非効率です。倒産すると、様々な経済活動が断絶します。カネを貸した方は取り返そうとしますから、経済活動をストップさせてとにかく現金化できるモノは現金化しようとします。

 本来、たとえばスーパーなどの企業が倒産した場合は、営業を続けながら新しいスポンサー(=買い手)を探した方がいいのですが、それができないときもあります。倒産しそうとなると、多くの取引相手が不安になって商品を納入しなくなったり、融資を引き上げたりするので、普通に効率的な営業が続けられなくなってしまいます。

 国の倒産リスクも同じで、倒産しそうだとなると誰もお金を貸してくれなくなります。たとえば日本の場合、毎年の支出の半分近くを借金でまかなっていますから、新たな借金ができなくなれば、国の財政は回らなくなります。そうすると、それまで続けてきた政策が実行できなくなります。年金や公務員の給与支払いを減額、延期したりせざるを得なくなります。

関連キーワード

トピックス

小室圭さんの“イクメン化”を後押しする職場環境とは…?
《眞子さんのゆったりすぎるコートにマタニティ説浮上》小室圭さんの“イクメン”化待ったなし 勤務先の育休制度は「アメリカでは破格の待遇」
NEWSポストセブン
女性アイドルグループ・道玄坂69
女性アイドルグループ「道玄坂69」がメンバーの性被害を告発 “薬物のようなものを使用”加害者とされる有名ナンパ師が反論
NEWSポストセブン
遺体には電気ショックによる骨折、擦り傷などもみられた(Instagramより現在は削除済み)
《ロシア勾留中に死亡》「脳や眼球が摘出されていた」「電気ショックの火傷も…」行方不明のウクライナ女性記者(27)、返還された遺体に“激しい拷問の痕”
NEWSポストセブン
当時のスイカ頭とテンテン(c)「幽幻道士&来来!キョンシーズ コンプリートBDーBOX」発売:アット エンタテインメント
《“テンテン”のイメージが強すぎて…》キョンシー映画『幽幻道士』で一世風靡した天才子役の苦悩、女優復帰に立ちはだかった“かつての自分”と決別した理由「テンテン改名に未練はありません」
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
《ヤクザの“ドン”の葬儀》六代目山口組・司忍組長や「分裂抗争キーマン」ら大物ヤクザが稲川会・清田総裁の弔問に…「暴対法下の組葬のリアル」
NEWSポストセブン
1970~1990年代にかけてワイドショーで活躍した東海林さんは、御年90歳
《主人じゃなかったら“リポーターの東海林のり子”はいなかった》7年前に看取った夫「定年後に患ったアルコール依存症の闘病生活」子どものお弁当作りや家事を支えてくれて
NEWSポストセブン
テンテン(c)「幽幻道士&来来!キョンシーズ コンプリートBDーBOX」発売:アット エンタテインメント
《キョンシーブーム『幽幻道士』美少女子役テンテンの現在》7歳で挑んだ「チビクロとのキスシーン」の本音、キョンシーの“棺”が寝床だった過酷撮影
NEWSポストセブン
女優の趣里とBE:FIRSTのメンバーRYOKIが結婚することがわかった
女優・趣里の結婚相手は“結婚詐欺疑惑”BE:FIRST三山凌輝、父の水谷豊が娘に求める「恋愛のかたち」
NEWSポストセブン
タレントで医師の西川史子。SNSは1年3ヶ月間更新されていない(写真は2009年)
《脳出血で活動休止中・西川史子の現在》昨年末に「1億円マンション売却」、勤務先クリニックは休職、SNS投稿はストップ…復帰を目指して万全の体制でリハビリ
NEWSポストセブン
“凡ちゃん”こと大木凡人(ぼんど)さんにインタビュー
「仕事から帰ると家が空っぽに…」大木凡人さんが明かした13歳年下妻との“熟年離婚、部屋に残されていた1通の“手紙”
NEWSポストセブン
太田基裕に恋人が発覚(左:SNSより)
人気2.5次元俳優・太田基裕(38)が元国民的アイドルと“真剣同棲愛”「2人は絶妙な距離を空けて歩いていました」《プロアイドルならではの隠密デート》
NEWSポストセブン
『ザ・ノンフィクション』に出演し話題となった古着店オーナー・あいりさん
《“美女すぎる”でバズった下北沢の女子大生社長(20)》「お金、好きです」上京1年目で両親から借金して起業『ザ・ノンフィクション』に出演して「印象悪いよ」と言われたワケ
NEWSポストセブン