「女の子の場合は、そういうはっきりした条件ではありませんが、確かに“子”がつく名前を好む方は、一種の回帰現象のように2、3年前から増えつつあります。戻ったとは言えないが揺り戻しのような、日本人が昔からつけている、伝統的な名前の方がいいと思う人が増えたのだと思います。

 逆に言うと、キラキラネームというのははっきり言えば、あまりにも陳腐で軽い名前なのです。世界にひとつしかないと言ってみても、これだけ奇抜な名前が増えると、逆にそんな名前はありきたりになっていますから。ただ奇抜なら面白い、個性的だという考え方は、今はもう頭打ちになっている状況だと思います」

 実際に、奇抜な名前が受験や就職にハンデになっていることも影響している。

「あまりにも悪ふざけのような名前だと、親が暴走族出身なのかと、ろくな親じゃないと連想され、面接のときに不利になるともかなり言われています。学校側もモンスターペアレンツではと連想しますから。そういう話もかなり広まっているのではと思います。ちゃんとした名前をつけようという方は増えていますから、これから日本人らしい名前に戻っていくのではないでしょうか」

 もともと「子」は、身分の高い男性の名につけられていた。平安時代以降は、子型の名前は貴族の女性名として広がり、明治時代あたりに庶民にも普及したとされている。一文字名前やキラキラネームが溢れる今だからこそ、美しい響きを持つ古風な名前の良さに改めて目を向けたい。

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