どんな人でも特技のひとつやふたつを持っているもの。たまには特技を自慢気に見せびらかすのも一興だが、度が過ぎるとお寒いことに…。千葉県に住むパート勤務の女性Tさん(49才)が、特技の見せすぎて酷いことになった夫(55才)のエピソードを披露する。
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夫の自慢は、55才にして虫歯が1本もないこと。足腰はへなへなしているのに、歯だけは強くて、おせんべいやたくあんをバリバリ食べては、「人の寿命は歯で決まるって知ってるか?」と白い歯をキラリとさせて、不敵な笑いを浮かべるの。
そのくらいなら、まあいいわよ。年末、家に親戚が集まって、宴席で瓶ビールを開けようとしたら、栓抜きが見当たらない。すかさず夫が「ちょっと貸せ」って。「いやいや、いくらなんでも無理」とみんなが止めるのも聞かず、瓶の口をくわえてポン!
これには親戚一同、「すげ~え」とびっくりぽん。その後も、2本3本とビール瓶の栓を歯で開けて、そのたび酔っ払った親戚からの歓声を浴び、11本も開けちゃった!
でもみんなだって、そうそうつきあっていられないわよ。最後は夫がビールの栓を抜いても、「うん、すごいよねー」って横目で見ながら、おしゃべりを始めちゃった。
でも今まで親戚の中で脚光を浴びたことなんかなかったから、よほどうれしかったのね。しばらく飲んでいたかと思えば、キッチンへやって来て「何か開けるものある? 歯で開けちゃうぜ」って。
で、翌朝、犬歯の根本が腫れて押さえているのよ。絵に描いたようなバカ!
※女性セブン2016年1月28日号