コラム

2016年内に1ドル110円の円高も? 為替急変時のFX戦略を指南

FXトレーダー・羊飼い氏が伝授する最新FX戦略

 カリスマFXトレーダー・羊飼い氏が、外為市場の旬な話題をウォッチする連載「FXトレンドフォーキャスト」。今回は、2016年中にも十分起こりうる「為替急変局面」を勝ち抜くFX戦略について解説する。

 * * *
 2015年の為替相場を振り返ると、アメリカの利上げ観測に一喜一憂する方向感の定まらない1年だった。特に、アベノミクスで始まった円安ドル高の強力なトレンドが影を潜めたことが、最大のニュースだったのではないかと感じている。

 とはいえ利上げは実施され、時間をかけて段階的に進められていくだろう。長い目で見ればドル高をサポートしていくと考えられるが、短期的にはむしろ逆で、金融危機やリスクオフを引き起こすきっかけになりかねない。

 現実に、すでにその影響は広がっている。2015年8月には中国発の金融不安に端を発した世界同時株安「チャイナ・ショック」が市場を襲った。米ドル/円は1日で1ドル=121円台から一時116円台まで下落するという記録的な暴落となった。

 アメリカの利上げは、過去にもアジア通貨危機(1997年)などの金融危機を誘発してきた。今回も程度の差はあるだろうが新興国への投資マネーが引き揚げられ、資金を失った国々の株価や通貨、景気は多かれ少なかれ打撃を受けるだろう。

 2016年も、世界の投資マネーの流れにひずみが生じ、株安やリスクオフによる円高、世界的な金融市場の混乱が同時多発するショックの発生は十分ありえる。個人的には1ドル=110円程度の円高局面があってもおかしくはないと考えている。

 こうしたショック時に取りうる対応として、最も安全な選択肢はポジションをすべて閉じて静観することだ。相場は必ずしも一方向に向かうわけではなく、ボラティリティ(変動率)も大きくなっているので、トレードするリスクは非常に高まる。

 なによりこうしたショック時はストップロス(損切り指値)が機能しなかったり、指定したレートで約定できなくなるおそれもあり、予期せぬ事態が起こりかねない。混乱が収まるまで様子見に徹するのも立派な戦略のひとつだろう。

関連キーワード

関連記事

トピックス

中村佳敬容疑者が寵愛していた元社員の秋元宙美(左)、佐武敬子(中央)。同じく社員の鍵井チエ(右)
100億円集金の裏で超エリート保険マンを「神」と崇めた女性幹部2人は「タワマンあてがわれた愛人」警視庁が無登録営業で逮捕 有名企業会長も落ちた「胸を露出し体をすり寄せ……」“夜の営業”手法
NEWSポストセブン
愛子さま、初の単独公務は『源氏物語』の特別展 「造詣が深く鋭い質問もありドキっとしました」と担当者も驚き
愛子さま、初の単独公務は『源氏物語』の特別展 「造詣が深く鋭い質問もありドキっとしました」と担当者も驚き
女性セブン
“くわまん”こと桑野信義さん
《大腸がん闘病の桑野信義》「なんでケツの穴を他人に診せなきゃいけないんだ!」戻れぬ3年前の後悔「もっと生きたい」
NEWSポストセブン
中森明菜
中森明菜、6年半の沈黙を破るファンイベントは「1公演7万8430円」 会場として有力視されるジャズクラブは近藤真彦と因縁
女性セブン
食品偽装が告発された周富輝氏
『料理の鉄人』で名を馳せた中華料理店で10年以上にわたる食品偽装が発覚「蟹の玉子」には鶏卵を使い「うづらの挽肉」は豚肉を代用……元従業員が告発した調理場の実態
NEWSポストセブン
報道陣の問いかけには無言を貫いた水原被告(時事通信フォト)
《2021年に悪事が集中》水原一平「大谷翔平が大幅昇給したタイミングで“闇堕ち”」の新疑惑 エンゼルス入団当初から狙っていた「相棒のドル箱口座」
NEWSポストセブン
昨年9月にはマスクを外した素顔を公開
【恩讐を越えて…】KEIKO、裏切りを重ねた元夫・小室哲哉にラジオで突然の“ラブコール” globe再始動に膨らむ期待
女性セブン
稽古まわし姿で土俵に上がる宮城野親方(時事通信フォト)
尾車親方の“電撃退職”で“元横綱・白鵬”宮城野親方の早期復帰が浮上 稽古まわし姿で土俵に立ち続けるその心中は
週刊ポスト
大谷翔平の妻・真美子さんの役目とは
《大谷翔平の巨額通帳管理》重大任務が託されるのは真美子夫人か 日本人メジャーリーガーでは“妻が管理”のケースが多数
女性セブン
17歳差婚を発表した高橋(左、共同通信)と飯豊(右、本人instagramより)
《17歳差婚の決め手》高橋一生「浪費癖ある母親」「複雑な家庭環境」乗り越え惹かれた飯豊まりえの「自分軸の生き方」
NEWSポストセブン
店を出て染谷と話し込む山崎
【映画『陰陽師0』打ち上げ】山崎賢人、染谷将太、奈緒らが西麻布の韓国料理店に集結 染谷の妻・菊地凛子も同席
女性セブン
殺人未遂の現行犯で逮捕された和久井学容疑者
【新宿タワマン刺殺】ストーカー・和久井学容疑者は 25歳被害女性の「ライブ配信」を監視していたのか
週刊ポスト