また、地域によって骨壷に違いがあるという。
「東日本はすべての骨を骨壺に収めるため七寸壺を使いますが、西日本は喉仏や頭など主要部分の骨を入れるため、少し小さめの五寸壺を使用します」
さらに、投薬で骨は色づくということも覚えておきたい。
「骨を見れば、だいたいその人の最期がどうだったのかがわかります。青やピンクに着色されているのは、がん治療の投薬によるもの。長期にわたりつらい闘病をされてきたかたは骨はすかすかで、平均的な大人の骨(約2kg)の半分、1kgくらいしかありません」
なかには遺骨がカビていたり、埃を被っている場合もある。
「そういう遺骨を見ると、遺族の苦しみが見えてきます」
また、骨の重さが変わり、戸惑ったこともあるという。
「骨壺から出し、粉骨する前に骨の重さを測量するうち、どんどん重くなっていくことがあります。最初は魂が戻ったのかと焦ったりもしましたが、結局、骨は湿気を含みやすいということがわかりました。作業中は極力湿気を除外しています」
ちなみに、粉骨だけを行う粉骨代行は、骨壷の処分や送料などもすべて込みで2万5000円。
「また“遺灰をもらっても自分で散骨できない”という声を受けて、散骨代行も始めました。散骨代金は東京湾へは2万5000円。沖縄へは3万5000円。ハワイへは8万8000円です(すべて粉骨も含んだ値段。ただし代行が原則なので同行はできない)。
遺族のかたに安心していただくために、どこに散骨したか、誰に依頼したかなど、散骨証明書をお出ししています。散骨の様子を写真に収め、海洋散骨の場合はGPSで位置を記録します。というのも、奥さんを先に亡くしたご主人が、同じ場所で散骨してほしい、という依頼があったからです」
※女性セブン2016年2月11日号