国際情報

「マイルドヤンキー」が一つの家族の将来像と京大名誉教授指摘

経済成長の呪縛から逃れられないでいる Natsuki Sakai/AFLO

 アベノミクスの大号令は聞こえてきても、経済好転の実感はなし。この状況に対し「日本人には発想の転換が必要」と佐伯啓思・京都大学名誉教授は指摘する。そのカギとなるのが「マイルドヤンキー」だという。
 
 * * *
 高齢化と人口減が進む日本では、今からでも価値観を転換し、経済中心の競争社会から共生社会への転換を図るべきだ。「貧しい者と富める者」が、「地方と都市」が、「若者と老人」が譲歩しあって、共に生きる社会を目指すべきである。10年、20年先の社会像を描き、今の社会を緩やかに変えていき、着地させる必要がある。

 そのための方策を3つ挙げる。第一に、地方の中核都市のコンパクトシティ化だ。

 人口20万人から40万人程度の地方都市に公共投資して、高齢化しても暮らせるシステムを整備する。働く人は徒歩や自転車で職場に通え、高齢者は公共交通機関を利用して病院にも買い物にも行けるような環境を整備する。無駄を省きながら、快適に暮らせるコミュニティを作り出す。

 第二には、日本列島は災害が頻発する時代に入り、また、予測不能なリスクが襲いかかるようになった。ソフトも含め、防災が重要な課題になる。テロや巨大地震などの緊急事態に対処する措置を早急に整える必要がある。

 第三には、基本はやはり人づくりにある。教育が大事だ。アメリカや中国のように、ごく一部のエリートに集中投資する教育制度は、グローバル経済で活躍する人材を育てるためのもので、これからの日本には馴染まない。全体を底上げして、しごく普通の者が、道徳心も社会性も持つ、つまり、平均値を上げる教育が共生社会には必要と言える。

関連キーワード

関連記事

トピックス

エンゼルス時代、チームメートとのコミュニケーションのためポーカーに参加していたことも(写真/AFP=時事)
《水原一平容疑者「違法賭博の入り口」だったのか》大谷翔平も参加していたエンゼルス“ベンチ裏ポーカー”の実態 「大谷はビギナーズラックで勝っていた」
週刊ポスト
中条きよし氏、トラブルの真相は?(時事通信フォト)
【スクープ全文公開】中条きよし参院議員が“闇金顔負け”の年利60%の高利貸し、出資法違反の重大疑惑 直撃には「貸しましたよ。もちろん」
週刊ポスト
昨秋からはオーストラリアを拠点に練習を重ねてきた池江璃花子(時事通信フォト)
【パリ五輪でのメダル獲得に向けて】池江璃花子、オーストラリア生活を支える相方は元“長友佑都の専属シェフ”
週刊ポスト
大の里
新三役・大の里を待つ試練 元・嘉風の中村親方独立で懸念される「監視の目がなくなる問題」
NEWSポストセブン
店を出て並んで歩く小林(右)と小梅
【支払いは割り勘】小林薫、22才年下妻との仲良しディナー姿 「多く払った方が、家事休みね~」家事と育児は分担
女性セブン
テレビや新聞など、さまざまなメディアが結婚相手・真美子さんに関する特集を行っている
《水原一平ショックを乗り越え》大谷翔平を支える妻・真美子さんのモテすぎ秘話 同級生たちは「寮内の食堂でも熱視線を浴びていた」と証言 人気沸騰にもどかしさも
NEWSポストセブン
「特定抗争指定暴力団」に指定する標章を、山口組総本部に貼る兵庫県警の捜査員。2020年1月(時事通信フォト)
《山口組新報にみる最新ヤクザ事情》「川柳」にみる取り締まり強化への嘆き 政治をネタに「政治家の 使用者責任 何処へと」
NEWSポストセブン
乱戦の東京15区補選を制した酒井菜摘候補(撮影:小川裕夫)
東京15区で注目を浴びた選挙「妨害」 果たして、公職選挙法改正で取り締まるべきなのか
NEWSポストセブン
愛子さま
【愛子さま、日赤に就職】想定を大幅に上回る熱心な仕事ぶり ほぼフルタイム出勤で皇室活動と“ダブルワーク”状態
女性セブン
行きつけだった渋谷のクラブと若山容疑者
《那須2遺体》「まっすぐ育ってね」岡田准一からエールも「ハジけた客が多い」渋谷のクラブに首筋タトゥーで出没 元子役俳優が報酬欲しさに死体損壊の転落人生
NEWSポストセブン
成田きんさんの息子・幸男さん
【きんさん・ぎんさん】成田きんさんの息子・幸男さんは93歳 長寿の秘訣は「洒落っ気、色っ気、食いっ気です」
週刊ポスト
「週刊ポスト」本日発売! 岸田自民「補助金バラ撒きリスト」入手ほか
「週刊ポスト」本日発売! 岸田自民「補助金バラ撒きリスト」入手ほか
NEWSポストセブン