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【がん検査法6/6】がんの有無はDNA、血液1滴で分かる時代

 日進月歩で進化するがんの早期発見法。中でも、がんができる前にがんを発見する究極の早期発見法が、【DNA検査】である。

 がんの先天的リスクを判定するために、血液中の細胞のDNAを検査する方法だ。血液を採取して検査機関に送る方式で、1か月程度で結果が出る。

 費用は検査内容やクリニックごとに違い、5000円程度から20万円まで幅広い。米国では盛んに行なわれ、女優のアンジェリーナ・ジョリーが検査を受けて「がん予防のための乳房切除」をした。

 血液だけでがんが発見できる――日本発の検査技術で、いま非常に大きな注目を浴びているのは【マイクロアレイ血液検査】である。

 がんが発生するとがんを攻撃する血液の細胞に遺伝的な変化が起こるという研究成果を応用した検査法で、マイクロRNAと呼ばれる遺伝物質を調べてがんの発生を見極める。金沢大学発のベンチャーであるキュービクスが開発した。

 胃がん、大腸がん、膵臓がん、胆道がんなど消化器系がんが主な対象で、研究グループは、早期発見が難しい膵臓がんを含めた早期がんを発見する確率が98%近くになると報告している。

 すでに実用化されていて、血液採取だけですむので非常に手軽だが、料金は10万円ほどと少々高額。検査が改良されれば、価格は下がっていくだろう。

 血液検査のなかでもわずか一滴でがん発見できるというのが、兵庫県のベンチャー企業「マイテック」と昭和大学のグループが取り組んでいる【バイオチップ血液検査】だ。

 血液1滴をバイオチップ(DNAやタンパク質、糖鎖などで構成された基板)に乗せると、3分以内にがんの有無を検診できるという。実験では、直径0.1mm以下のステージ0のがんを判定したとされる。年内に実用化が予定されており、検査費用は数万円と想定されている。

※週刊ポスト2016年2月5日号

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