国内

呉智英氏 元号について天声人語がおかしなこと書いたと指摘

評論家の呉智英氏が朝日新聞に異議

 世の中にはおかしなことが様々なことがあるが、最近評論家の呉智英氏がおかしいと感じたことは何か。同氏は、「元号」に関する朝日新聞「天声人語」の書き方に異議を呈する。

 * * *
 1月9日付朝日新聞の「天声人語」がおかしなことを書いている。衆院予算委で自民党の新藤義孝議員が「平成二十八年、伝統的な数え方では皇紀二六七六年」と発言したのがけしからんというのだ。和暦の年号(元号)は大化以来千四百年の伝統があるのに、たかが明治以来の皇紀を伝統的だとするのがけしからん、と言いたいのかと思ったら、そうではなかった。自民党の「復古志向」、それも「無遠慮」なところがけしからんというのである。

 自民党の復古志向なるものは、確かにあると言えよう。だが、無遠慮って、何がどう無遠慮なのだろう。異なる歴史観を持つ野党、さらには近隣諸国に対して無遠慮だということらしい。

 どうも、天声人語は紀年法(暦数の方法)ということが分かってないようだ。日本では伝統的に年号が使われてきた。ただ、年号は明治までは数年ごとに変わったし、明治以降は一世一元制になったけれど、それぞれに年数が違うため、通歴計算が難しい。そこで通しの紀年法が必要とされ、皇紀が定められた。

 皇紀は神武紀元とも呼ばれるように、神武天皇即位の年を皇紀元年としている。もちろん、これは神話に基いている。

 それなら、天声人語が奨励しているらしい西暦はどうか。西暦はキリスト教暦とも言うように、キリスト生誕年を西暦元年としている。そのキリスト生誕年も、歴史学者の多数はBC4年説を採る。キリスト生誕はキリスト生誕の4年前、というおかしなことになる。それで別段問題が起きないのは、これがもともとキリスト教神話に基いているからである。皇紀だろうと西暦だろうと、宗教基準なのである。

関連記事

トピックス

殺害された宝島さん夫婦の長女内縁関係にある関根容疑者(時事通信フォト)
【むかつくっすよ】那須2遺体の首謀者・関根誠端容疑者 近隣ともトラブル「殴っておけば…」 長女内縁の夫が被害夫婦に近づいた理由
NEWSポストセブン
曙と真剣交際していたが婚約破棄になった相原勇
《曙さん訃報後ブログ更新が途絶えて》元婚約者・相原勇、沈黙の背景に「わたしの人生を生きる」7年前の“電撃和解”
NEWSポストセブン
令和6年度 各種団体の主な要望と回答【要約版】
【自民党・内部報告書入手】業界に補助金バラ撒き、税制優遇のオンパレード 「国民から召し上げたカネを業界に配っている」と荻原博子氏
週刊ポスト
なかやまきんに君が参加した“謎の妖怪セミナー”とは…
なかやまきんに君が通う“謎の妖怪セミナー”の仰天内容〈悪いことは妖怪のせい〉〈サントリー製品はすべて妖怪〉出演したサントリーのウェブCMは大丈夫か
週刊ポスト
常に全力笑顔の林家つる子
《抜擢で真打ち昇進》林家つる子、コロナ禍でYouTubeに挑戦し「揺るがない何かができた」 サービス精神旺盛な初代・林家三平一門の系譜
週刊ポスト
グラビアから女優までこなすマルチタレントとして一世を風靡した安田美沙子(本人インスタグラム)
《過去に独立トラブルの安田美沙子》前事務所ホームページから「訴訟が係属中」メッセージが3年ぶりに削除されていた【双方を直撃】
NEWSポストセブン
エンゼルス時代、チームメートとのコミュニケーションのためポーカーに参加していたことも(写真/AFP=時事)
《水原一平容疑者「違法賭博の入り口」だったのか》大谷翔平も参加していたエンゼルス“ベンチ裏ポーカー”の実態 「大谷はビギナーズラックで勝っていた」
週刊ポスト
阿部詩は過度に着飾らず、“自分らしさ”を表現する服装が上手との見方も(本人のインスタグラムより)
柔道・阿部詩、メディア露出が増えてファッションへの意識が変化 インスタのフォロワー30万人超えで「モデルでも金」に期待
週刊ポスト
中条きよし氏、トラブルの真相は?(時事通信フォト)
【スクープ全文公開】中条きよし参院議員が“闇金顔負け”の年利60%の高利貸し、出資法違反の重大疑惑 直撃には「貸しましたよ。もちろん」
週刊ポスト
店を出て並んで歩く小林(右)と小梅
【支払いは割り勘】小林薫、22才年下妻との仲良しディナー姿 「多く払った方が、家事休みね~」家事と育児は分担
女性セブン
大の里
新三役・大の里を待つ試練 元・嘉風の中村親方独立で懸念される「監視の目がなくなる問題」
NEWSポストセブン
テレビや新聞など、さまざまなメディアが結婚相手・真美子さんに関する特集を行っている
《水原一平ショックを乗り越え》大谷翔平を支える妻・真美子さんのモテすぎ秘話 同級生たちは「寮内の食堂でも熱視線を浴びていた」と証言 人気沸騰にもどかしさも
NEWSポストセブン