元号一覧

【元号】に関するニュースを集めたページです。

日韓関係などを語る際にキーワードとなってきた「自虐史観」のルーツは?(写真EPA=時事)
「自虐史観」のルーツは? 朝日新聞も使っていた過去
 慰安婦問題を始め、日韓関係を論じる際に右派が強調してきたキーワードに「自虐史観」という言葉がある。現在、世界遺産に登録されている長崎・軍艦島について、韓国政府がユネスコに対し「世界遺産登録取り消し」を求める方針だと報じられているが、右派からは、当時の軍艦島で朝鮮半島出身者が不当な扱いを受けていたというのは「自虐史観」だとする主張も出ている。では、この「自虐史観」は誰が、いつごろ言い始めた言葉なのか? ノンフィクションライター・石戸諭氏が「自虐史観」の“ルーツ”を探った(文中敬称略)。 * * * 右派が好んで使い、百田尚樹も含めて現代まで「克服」の対象になっている「自虐史観」は誰が使い始めた言葉なのか? この問題について正確な回答ができる人はそこまで多くない。 間違いない事実は、遅くとも1980年代には右派論壇で使われていたことだ。記事検索で遡れるまで遡ると、例えば1986年10月号「正論」に「“自虐史観”は日本の専売特許 外国教科書にみる歴史の『光』と『陰』」という記事があることがわかる。この論考を書いたのは立教大名誉教授の別技篤彦だが、実はこの論考内に「自虐史観」という言葉は一切使われていない。編集部がつけただけであり、論考の中身もニュートラルなもので、「左派が日本を貶めている」という意味合いでは使われていない。 興味深いのは、自虐史観の克服は右派だけの課題ではなかったことだ。昭和から平成へと元号が変わり、冷戦が終結した1990年代初頭は自虐史観という言葉を左派系メディアの朝日新聞も「陥ってはいけない」対象として書いていた。 1990年8月12日付朝刊の「現代史から何を学ぶか」と題された長いコラムの中で、当時の論説主幹・松山幸雄がはっきりと述べている。「私としては、生き残った世代も、戦争を知らない世代も、すべてが、次の4点について思いをめぐらせるよう期待したい」とし、「1、なぜ戦争を始めたのか」「2、敗戦の原因」「3、反省不足」「4、西独との違い」を挙げて、こう続ける。「こうした『にがい歴史』を反芻するさい心すべきは、日本だけが恥ずかしい過去をもっている、といった『自虐史観』に陥らぬことだ。日本以外の大国の多くも、歴史上いろいろ汚点を残しているのだから。 英仏のかつての植民地支配など、いまなら国連非難決議ものだろう。スペインの中南米侵略、米国の奴隷輸入、ナチスのユダヤ人虐殺……ソ連に至っては周辺諸国に嫌われることばかりやってきた。引け目を感ずることを恐れて『過去を直視しない』のは間違っている」 松山のコラムは日本の歴史を相対化し、かつての大国にも「汚点」があると指摘する後段だけ読めば、およそ「朝日新聞」の論説主幹らしからぬもので、「自虐史観」という言葉のゆらぎを示している。  ここまでの事実関係を整理すると「自虐史観」という言葉のルーツは確かに右派系論壇誌にあるのは間違いないが、松山のようにリベラルメディアでも使う論客はいた。 それを歴史教科書批判に加えて、右派の側から「改革すべき対象」という意味で確定させ、意識的に使ったのが、「新しい歴史教科書をつくる会」の中核メンバーで、東京大学教授(当時)の藤岡信勝だった。彼は1996年1月11日の産経新聞で「自虐史観・暗黒史観」という言葉を使って教科書の歴史観を左派的であると批判し、自身が提唱する自由主義史観の意義を語っている。 藤岡は取材を受けたり、つくる会の準備に奔走したりする中で自虐史観という言葉が持っている「強さ」を前面に押し出すようになる。自虐史観の使用頻度を増やしていき、1997年9月には『「自虐史観」の病理』(文藝春秋)という著作を出すに至る。百田に連なる「自虐史観」は、ここで意味を確立したとみていい。 攻撃的な言葉は使われるたびに威力を増していく。この前後の産経新聞は藤岡への期待を寄せた論考を多数掲載しているが、自虐史観という言葉は、藤岡への注目と比例して、右派メディア上でもリベラル派、左派を攻撃する言葉としてかつてないほどの広がりを見せる。 この「自虐史観」は、1996年からスタートした「新しい歴史教科書をつくる会」の運動の結節点となった。藤岡は私のインタビューで、つくる会の特徴をこう振り返った。「左翼の用語を使えば、これは統一戦線運動なんです。細かい考えは違っても、共通する一致点で力を合わせようというのは、教科書問題ならばできる。教科書問題は、いろいろなテーマの中で最も団結しやすい、まとまりやすいテーマなんです」 団結を深めるためのキャッチフレーズ、それが「自虐史観」だったのだ。※石戸諭著『ルポ 百田尚樹現象 愛国ポピュリズムの現在地』(小学館)より再構成。
2020.06.24 16:00
NEWSポストセブン
神社を襲うコロナショック 参拝客激減、祭り中止で宮司も嘆き節
神社を襲うコロナショック 参拝客激減、祭り中止で宮司も嘆き節
 新型コロナウイルスの影響は、日本経済に大きなダメージを与えている。早くコロナが収束するよう神頼みしている人もいるかもしれないが、当の神社もコロナ不況に見舞われているのが現状だ。 九州北部のとある神社で、長年宮司を務めるNさん(60代/男性)は、「この神社に仕えて40年が経ちますが、こんな事態ははじめて」と語る。 Nさんの神社がある場所は古い城下町で、戦国武将とも縁が深いことから、通常なら年間を通して観光客も多い。しかし今年は、全国的に緊急事態宣言が解除された6月に入ってもなお、境内はシーンと静まり返っている。◆御朱印バブルが一転、収入がほぼゼロに「異変を感じたのは、今年3月頃。コロナの影響から、参拝客がパッタリ来なくなったのです。賽銭はもとより、お守りを買う人や御朱印を求める人もいません。去年のこの時期は元号が令和に代わり、神社はどこも“御朱印バブル”状態でした。それが、1年後にこんなことになるなんて……」(Nさん・以下同) 相次ぐ祭りやイベントの中止も、収入に暗い影を落としている。「地域では神輿をはじめとした、春ならではの大小さまざまな祭りが予定されていましたが、3密が避けられないことから、すべて中止。神職の出番も激減しました。致し方ないとはいえ、祭りを楽しみにしていた氏子の方々も大変残念がっていて、“気枯れ”が心配です。 また、お宮参りや地鎮祭も『延期したい』といった連絡が相次ぎ、御祈祷料等による収入は何分の1どころの話ではなく、ゼロに近い状況。有名な神社であれば体力もあるのでしょうが、ウチのような小さな規模の神社は正直しんどいです」 コロナで収入が減少した中小企業に対し、最大200万円が給付される持続化給付金は、現在のところ宗教法人は対象外だ。「神社を取りまとめている神社庁からは、雇用調整助成金の申請は可能という連絡がありました。従業員に休業手当を支給した場合は、申請できるみたいです。ウチは妻以外に従業員がいるわけでもないので、該当しませんね」◆初詣用のお守りや破魔矢、発注数に悩み Nさんの心配は、すでに来年の初詣に及んでいる。「初詣客に頒布するお守りや土鈴、破魔矢などは、毎年6月頃から業者さんと準備するんです。しかし、今年は第2波、第3波の懸念もあって、いくら発注すればいいのか、皆目見当がつかない。干支がついたものは在庫が余ると翌年に持ち越すこともできないし、かといって発注が少なすぎても、もしコロナが収束したとして、来てくれるかもしれない参拝客に迷惑がかかる。非常に悩ましいです」 とはいえ、辛い状況が続く中にもポジティブな面はあった。「正直、こんなノンビリした数か月は初めてでしたから、普段はなかなかできない参道の整備工事を行って、伸び放題になっていた大きな松の枝も剪定したんです。美しくなった参道で、またいつかたくさんの参拝客を迎えたい、今はそう思うばかりです」 Nさんによれば、最近は少しずつお宮参りや厄払いの予約も入り始めたというが、500年以上続く恒例の夏祭りは中止。前例のない静かな夏が神社に訪れようとしている。
2020.06.22 16:00
マネーポストWEB
1980年の巨人投手陣を牽引した江川卓(左)と西本聖の両エース(時事通信フォト)
1980年代の巨人投手陣を牽引した江川卓と西本聖の凄さ
 緊急事態宣言の全国的な解除を受け、2020年のプロ野球の開幕が6月19日に決定した。2020年代のプロ野球の幕開けであり、令和になってから最初の開幕となる。 1950年の2リーグ分裂後、プロ野球界を引っ張ってきたのは読売ジャイアンツだった。年代別の優勝回数を見てみると、1950年代は8回、1960年代は7回、1970年代は6回、セ・リーグを制覇している。1955年から5連覇、1965年から9連覇を成し遂げ、巨人は「球界の盟主」と呼ばれてきた。 1965年にドラフト会議が始まり、各球団の戦力が徐々に均衡。長嶋茂雄が引退し、V9戦士に衰えも見え始めた1975年、巨人は球団初の最下位に転落した。1980年にはミスター・ジャイアンツの長嶋監督が退任し、世界のホームラン王である王貞治も引退。V9のイメージが色濃く残るプレッシャーの中、1980年代のチームを牽引したのは江川卓と西本聖の両投手だった。 1974年オフにドラフト外で松山商業から入団した西本は3年目の1977年に8勝4セーブを挙げ、頭角を現す。翌年オフ、江川卓が『空白の1日』を利用して巨人への入団を試みるが、ドラフト会議で阪神が1位指名。金子鋭コミッショナーの『強い要望』が出され、1979年1月31日に江川は小林繁との交換トレードで、阪神から巨人へ。開幕から約2か月の謹慎を経て6月2日にデビューして9勝を挙げる。 西本はこの年に初めて規定投球回数に達し、リーグ2位の防御率2.76をマーク。3位は2.80の江川だった。野球担当記者が述懐する。「オフに地獄の伊東キャンプが行なわれ、2人とも長嶋監督に鍛えられた。1980年からの8年間、江川と西本が交互に開幕投手を務めており、1980年代の巨人投手陣は2人を軸に回っていた」(以下同) 1980年から6年連続で江川と西本の2人が2ケタ勝利を挙げている(※江川は1987年まで8年連続)。1981年は江川20勝、西本18勝で、チームの73勝の半分以上である38勝を記録。この年、チームの投球回数の4割以上を2人で占め、巨人はV9の1973年以来、8年ぶりの日本一に輝いた。「ドラフト外の西本は、入団当初は同期で1位の定岡正二にライバル心を燃やした。先発の一角に食い込んで定岡を抜いたと認められた頃に、江川が入団した。西本はエリートコースを歩んできた投手に対して、反骨心をむき出しにして、自分を高めていくタイプの投手でした」 西本はシーズンでは江川の勝ち星を上回ることはできなかったが、日本シリーズでは1981年に2勝(2完投1完封)でMVP、1983年も2勝(2完投1完封)で敢闘賞を受賞。江川が開幕投手を務めた年は3位、2位、3位、2位に終わったが、西本が開幕投手を努めた年は優勝、優勝、3位、優勝という結果に。プロ野球ファンの間では、江川は勝負弱く、西本は勝負強いというイメージも出来上がった。 巨人が江川と西本を擁した1980年代、広島は“投手王国”と呼ばれ、北別府学、大野豊、川口和久、山根和夫などの好投手がいた。この10年間で、北別府は137勝を挙げており、両リーグを通じて勝ち星トップ(2位は江川と西本の126勝)。2ケタ勝利の回数は北別府9回、大野、川口5回、山根4回だった。ただし、チーム内の2人で30勝以上を挙げたのは1982年の北別府20勝、津田恒美11勝、1986年の北別府18勝、川口12勝(金石昭人も12勝)の2年に留まっている。「チーム内に確実に勝ち星を計算できる投手が2人以上、長年にわたって存在することはほとんどない。だが、江川と西本は1980年から5年連続で、2人で30勝以上を挙げている。しかも、1980年の西本の14勝を除いて、全て15勝以上。 当時はV9や昭和30年代の野球と比較されて、そこまで評価されなかった印象があります。1988年まで元号は昭和でしたし、まだまだ昔の野球のほうが凄かったという認識があり、先発は毎試合完投、シーズン20勝して初めてエースという風潮もあった。特に江川はアマチュア時代の実績や入団経緯もあったため、400勝投手の金田正一やシーズン42勝の記録を持つ稲尾和久などを引き合いに出され、損をしている面もあると思います」 現役選手で、昨シーズンまで連続2ケタ勝利を挙げているのは千賀滉大(ソフトバンク)の4年が最長。続いて、菅野智之(巨人)と大瀬良大地(広島)の3年になる。一昨年まで6年連続2ケタ勝利の則本昂大(楽天)も、昨年は5勝に留まった。「則本の6年連続のうち、15勝は2回です。現在メジャーで活躍している選手のNPB時代の連続2ケタ勝利を見ると、日本ハムのダルビッシュ有は6年(15勝以上4回)、楽天の田中将大は5年(15勝以上3回)、広島の前田健太は6年(15勝3回)、日本ハムの大谷翔平は3年(15勝1回)、西武の菊池雄星は3年(15勝以上1回)です。大谷と菊池を除いた3人はメジャーでも2ケタ勝っていますし、日本にいれば記録をもっと伸ばしたでしょう。こうして振り返ると、今のメジャー投手と同じくらい、江川と西本は凄かった。その2人が同じチームにいたことが奇跡でした」 エースが2人いたことで、1980年代の巨人は安定した強さを見せた。10年間で優勝4回はリーグ最多。全ての年でAクラスだった。2リーグ分裂後、巨人が1度もBクラスに落ちなかったのは1950年代と1980年代だけ。時代の狭間で、切磋琢磨した江川卓と西本聖はジャイアンツの歴史に名を残した。2020年代、巨人に2人のようなライバル関係で競り合う投手は出てくるか。
2020.05.28 16:00
NEWSポストセブン
1989年には11試合連続完投勝利のプロ野球新記録を達成した斎藤雅樹(時事通信フォト)
巨人に斎藤、槙原、桑田の“三本柱”が揃っていた時代
 新型コロナウイルスの感染拡大で、延期になっていたプロ野球の開幕が6月19日に決まった。セ・リーグは連覇を目指す巨人、昨年2位に躍進したDeNA、オープン戦でセ・リーグ1位の阪神、昨年の雪辱を期す広島、高津臣吾新監督を迎えたヤクルト、7年連続Bクラスからの脱出を図る中日が凌ぎを削る。野球担当記者が話す。「120試合制で時間制限も検討され、過密日程も予想される今年は、先発の役割が例年以上に重要になるでしょう。昨年は原辰徳監督が上手くやり繰りし、巨人が5年ぶりの優勝をしましたが、戦力的に圧倒しているわけではない。どの球団にもチャンスがあると思います」(以下同) 巨人は今年のオープン戦16試合でわずか2勝、最下位に終わっている。昨年、2ケタ勝利は15勝の山口俊、11勝の菅野智之の2人だった。勝ち頭の山口が抜けた今季、菅野を刺激するような若手が台頭してくることが、連覇の鍵となるだろう。 V9時代には堀内恒夫と高橋一三、1980年代には江川卓と西本聖という2枚看板がチームを引っ張っていた。1990年代になると斎藤雅樹、槙原寛己、桑田真澄という“三本柱”が君臨。そのため、チームは安定した成績を残してきた。 1987年限りで江川が引退し、翌年オフに西本が中日にトレードされ、元号が平成に変わった1989年、斎藤が前年の6勝から20勝と飛躍し、桑田が17勝、槙原が12勝を挙げる。巨人は日本一に輝き、3人は三本柱と呼ばれるようになる。同年からの10年間で、3人は計351勝。このあいだ、巨人は優勝を4回した。「実は、3人が揃って1年間、活躍したシーズンはほとんどありません。3人とも2ケタ勝利を挙げたのは1989年、1992年、1994年の3度だけです。このうち、2度は優勝しています。 ただし、1989年はオールスター直後に槙原がケガで離脱。1992年は桑田がチームの10連勝や7連勝を止めてしまい、連勝ストッパーと呼ばれるほど絶不調に。槙原も優勝争いの9月、10月で1勝もできず、チームは2位に終わりました。1994年は3人ともシーズンを通して働き、中日との最終戦、同率首位決戦で槙原・斎藤・桑田のリレーで勝った。この年、“三本柱”の印象が強くなったのだと思います」 優勝した1990年は槙原がケガで戦列を離れており、4位に沈んだ1991年は前年まで2年連続20勝の斎藤が9勝に終わった。1993年はリーグ最下位のチーム打率2割3分8厘という打線の不振もあり、斎藤と桑田が1ケタ勝利に。1995年5月には桑田がヒジを痛め、翌シーズンまで棒に振った。「広島との11.5ゲーム差をひっくり返した1996年は、桑田だけでなく槙原も夏場に離脱しています。この年は斎藤とガルベスが16勝で最多勝を分け合い、“メークドラマ”を達成した。1997年の開幕戦で、斎藤がヤクルトの小早川毅彦に3連発を打たれ、このシーズンから全盛期ほどの活躍はできなくなります。翌年は斎藤10勝、桑田16勝でしたが、槙原はシーズン途中から抑えに回った。3人が先発ローテーションに入っていたのは、この年の中盤までです」 3人同時に活躍したシーズンが少なかったとはいえ、1989年から1998年までの11年間で見ると、2ケタ勝利は斎藤が8回、桑田が7回、槙原が6回。3人同時の2ケタ勝利は前述のように3回、2人同時は5回、1人だけは2回。少なくとも三本柱のうち、1人はエースの役割を果たしていたのだ。この10年で、巨人のBクラスは2回のみ。甲乙つけがたい“エース級”が3人いたことで、大崩れしなかった。「3人のうち1人ダメでも、2人残っているという安心感が、首脳陣にも本人たちにもファンにもあったのではないでしょうか。その象徴が1994年の10・8決戦。先発の槙原は打たれたが、斎藤と桑田が好投して勝った。日本シリーズでは、槙原が2勝してMVPになって雪辱を晴らした。1人のエースが10年間、ケガなく絶好調を続けられることは、まずない。3人の誰がエースかという議論もありますが、この数字を見ると、お互いがお互いを助け合っており、まさに“三本柱”という表現がピッタリ当てはまるのではないでしょうか」 これまでの実績を踏まえると、今年の巨人で2ケタ勝利を計算できるのは菅野しかいない。もし菅野が崩れると、ガタガタと大型連敗の可能性すらある。1990年代のように三本柱を形成するのは難しくとも、2年目の高橋優貴や戸郷翔征のような若手の台頭に期待したい。
2020.05.27 16:00
NEWSポストセブン
「M」は伝説のドラマとなるか(イラスト/ヨシムラヒロム)
『M』の魔力 僕らはなぜアユとマサから目が離せないのか
 放送のたびに各所で話題になるドラマ『M~愛すべき人がいて~』(テレビ朝日、AbemaTV)は、ヒロインのモデルである浜崎あゆみファン以外も虜にしている。眼帯をつけたライバル役の田中みな実や、ハイテンションなボイストレーナーとしてゲスト出演した水野美紀らが話題だが、やはりヒロインとその相手役の関係が気になるというのは、イラストレーターでコラムニストのヨシムラヒロム氏。大映ドラマ視聴体験を通過していない世代でもあるヨシムラ氏が、アユとマサからなぜ目が離せなくなるのか、そしてドラマ『M』が持つ魔力について考えた。 * * *“浜崎あゆみ”を見ると、中3の冬を思い出す。当時、浜崎あゆみは社会現象となっていて、女子生徒の多くが何かしらのグッズを持っていた。身に付けるだけでは満足できなかったのだろう、クラスのマドンナ的存在の金井さんの机には白い修正液で特徴的な”A”のロゴまでもがレタリングされていた。僕にとって”アユ”とは、金井さんの机に刻まれた”A”を指す。 あれから20年の月日が経ったが、まさかここにきて”浜崎あゆみ”のイメージが更新されるとは思ってもみなかった。今現在の僕にとって”アユ”とはテレビ朝日とAbemaTVが共同制作しているドラマ『M~愛すべき人がいて~』である。現在、第3話までが公開されているのだが、もう浜崎あゆみとそのプロデューサー・松浦勝人のドラマに夢中、夢中。33歳となった今、人生で最も浜崎あゆみの曲に親しんでいる。なんたって、ドラマで盛りあがる場面になると必ず浜崎あゆみのヒット曲が流れるのだ。最高の状態で曲を聴くわけだから、グッとくるに決まっている。このドラマを観るようになって、一生でいちばん、彼女の曲に耳を傾けている。 様々な角度から検証されている話題作だが、個人的に注視してしまったのがアユ(浜崎あゆみがモデル)とマサ(松浦勝人がモデル)のディープな関係性。劇中、アユとマサは”浜崎あゆみ”というスターを生むための共同作業を行う。2人は強い繋がりと理想をエネルギーに換えて、新世界を築き上げていく。 ドラマの世界観は現実ではなく、基本的な設定から創作だろう……、と疑いたくなるほどクセが強い。しかし、アユとマサのモデルである浜崎あゆみと松浦勝人が実際に周囲に及ぼした影響をかなり忠実に再現している、と聞いた。確かに松浦勝人のInstagramを見ると、マサのような熱い男である。ドラマで非現実的に感じる2人の世界がリアルだったのか、と思えてくる記述がそこかしこにある。 例えば、4月18日に投稿された写真では松浦自身と浜崎あゆみがハグをしている。下記は投稿に添えられた文章である。「いつもどんな時も何があっても どんなことがあっても 俺たちは負けなかったよな。 多分それはこれからも続くのさ。 永遠にね。 誰に邪魔されても ぜってえ負けねぇ!」「ぜってえ負けねぇ!」という根性論の匂いが強い言葉は、オシャレ空間であるインスタに似合わないはず。しかし、浜崎、松浦ペアにとってはこれこそインスタ映え! そして、2人の精神性を完璧に再現しているのがドラマ『M~愛すべき人がいて~』である。 ドラマで多く描写されているのは、今のところ2人の下積み時代である。タレントとして仕事はあるけれど自分はくすぶっていると悩むアユを、すでにスタープロデューサーだったマサが見出し、「ぜってえ負けねぇ!」2人が「今までにいないカッコいいアーティスト像」を築き上げる過程を描く。毎回、アユには理不尽にも見える試練が与えられるが、くじけそうになっても、マサから叱咤激励されて必ず乗り越える。 たとえば、あるときはアユの練習シューズに画鋲が入れられている。別のときには、デビューする歌手を選ぶためアユとそのライバルは山岳レースをさせられる。他にも嫌がらせを含めたアユを邪魔する様々な出来事が襲いかかるが、毎回、最後にアユとマサは試練をクリアし抱きしめ合う。だから各話の最後には、困難を乗り越えた安心感が漂い、勧善懲悪のヒーロードラマのようにすべてが解決したような気持ちで見終わることが出来る。『M~愛すべき人がいて~』は構図が明確で、物語の展開はとことんわかりやすくスカッとしている。そして、「浜崎あゆみはのちにスターになる」と知っている我々は、アユとマサが「ぜってえ負けねぇ!」カタチでドラマが終わることもあらかじめ分かっている。安心して観ていられるドラマでもある。 その一方で、エピソードのひとつひとつは、安心して観ていられるものばかりではない。策略によってマサとの待ち合わせ場所へ入れなかったアユが突然、庭で歌い出したり、浜辺に流木で17文字もの歌詞を書いたりする。どちらもアユの才能の素晴らしさにマサが感激するのだが、アユの突飛な行動に驚かされるのが先に立って、感激するマサに共感するのはなかなか難しい。それはきっと、アユであれば何をしてもすべてを納得させる力があった時代をそのまま描写しているためではないかと思う。 1990年代後半の浜崎あゆみは何をしても最先端でかわいく、格好いい存在だった。あれから随分と時は経ったわけで。21世紀になり20年、元号も平成から令和に変わったし、中学のマドンナだった金井さんも結婚したと聞く。彼女が浜崎あゆみの世界観にどっぷり浸かっていた20年前なら、2人が綴る『浜崎あゆみ物語』にリアリティを感じ、有無も言わさず納得させられた(かもしれない)。しかし、2020年の視聴者である僕は、金井さんと違って当時の熱狂を外側から観ていたため渦の中の勢いが思い出にすら残っていないから、アユとマサの熱さと勢いに驚かされ、振り回される。この振り回される感覚が、だんだん癖になってくるからこのドラマは侮れない。 作り手は本気でアユとマサの物語のリアルを描いているつもりなのだと思う。しかし、コチラが瞬時にそれをリアルと受け止めきれない。奇妙な非現実感を生み出すのだ。成功への渇望はかなり強く、目指すは「売れる」「スターになる」こと。2人の目標は世の中の人が注目する輝く存在となることなのに、劇中向き合う困難は、まるで梶原一騎原作のスポ根マンガのように具体的なハードルだ。そのスクワット1000回のような障害を乗り越えることは、果たして2人が目指すゴールへと繋がっているのか?と思わなくはないが、そんな疑問をじっくり考える暇を与えぬ過剰なリアクションでアユとマサは困難をクリアし続ける。 一話を見終わって少し経つと「過剰すぎやしないか……」と思わせるドラマである。「今やっている苦労はどこで報われるのだろう……」と首をかしげたくなるような努力を続けるバディを、自分は応援すべきなのか迷う。画面に現れるアユとマサ以外の人物が持つ情報量が多いことも相まって、視聴者は2人を冷笑する敵役たちのほうへ目を向けてしまう。そして、我ながら意地悪いなあと思うが、目標に向かって熱く燃えあがるアユとマサを嘲笑ってしまう。街中で濃厚にイチャつくバカップルをついつい観察してしまう感じに似ているのか……、内心「うわぁ~」となりながらも僕を夢中にさせる。脇役のことばかり話題にしても、結局はアユとマサが気になるのだ。だって、何があってもお互いを必要とするカップルなんて、羨ましいに決まってる。 結局、コチラはなんだかんだ言っても1990年代から現在までを駆け抜けてきたアユ(浜崎あゆみ)とマサ(松浦勝人)から目が離せてないわけで。現在は圧倒的なスターがいない時代である。だからこそ、平成という時代にカリスマと君臨していた浜崎あゆみの熱量に引きつけられる。スターのサクセスストーリーは誰しもが興味を持つもの。これだけでも十分すぎるのに、更に昭和的スポ根要素を加わる。浜崎あゆみ全盛期を知る人にとってはもうたまらないのだ。 そもそもドラマ『M~愛すべき人がいて~』は原作がノンフィクション作家による「事実を基にした」フィクション小説である。ドラマHPをみると「原作に”ドラマならでは”のオリジナル要素を加えて、壮大なスケールで描いていきます」と記載されていた。「激動の音楽業界の光と影を圧倒的なスケールで描く」とコピーが打たれているが「本当の音楽業界は違うだろ!」とツッコミを入れたくなる……が、そんなことを言うのは野暮である! 演者の熱演が光るドラマではあるが、唯一気がかりな点が第4話以降の放送が未定なことである。制作上の都合なので仕方はないが、早く続きを観たいものである。 現状、僕は『M~愛すべき人がいて~』に大きな可能性を感じている。その時代に大きなブームを起こしたドラマは、これまで数々のコメディアンによってモノマネされ、パロディになり、元のドラマを知らない人にも伝えられる存在となってきた。マサのセリフ「俺を作った虹を渡れ」が、ドラマを観なかった人にも届くパワーワードとなるのを期待したい。●ヨシムラヒロム/1986年生まれ、東京出身。武蔵野美術大学基礎デザイン学科卒業。イラストレーター、コラムニスト、中野区観光大使。五反田のコワーキングスペースpaoで月一回開かれるイベント「微学校」の校長としても活動中。著書に『美大生図鑑』(飛鳥新社)
2020.05.16 16:00
NEWSポストセブン
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嵐・大野智もお参りした 宝くじにご利益期待の寺・神社
『東京2020協賛ジャンボ宝くじ』(1等・前後賞合わせて3億円)の販売が、2月3日にスタートした。その前日、東京・新宿にある皆中(かいちゅう)稲荷神社は、多くの参拝客で賑わっていた。実はこの神社、参拝すると宝くじが当たる「当せん神社」として知られているのだ。「江戸時代、鉄炮組百人隊という射撃部隊があったのですが、その中で射撃ベタの隊員がこの神社に参拝したところ、みるみる上達。的に当たるようになりました。これを見たほかの隊員も参拝すると、“皆中る(あたる)”ようになったことから、皆中稲荷と呼ばれるようになり、宝くじも当たると評判です」(地元関係者) そのご利益を求め、3億円当せんを狙う人々が願掛けに訪れていたというわけだ。このように宝くじにご利益があると噂される寺や神社は、全国各地にある。 茨城県には、そのご利益で61億円以上の当せんくじが出たとされる神社がある。全国の有名宝くじ売り場を運営する会社までもが、発売前のくじ祈願に訪れる大宝八幡宮だ。「2005年に、ある運営会社さんが発売前の宝くじを持ち込み、高額当せんを祈願されました。ドリームジャンボとサマージャンボで、2等の1億円が8本もその売り場から出たそうです。それからいろいろな会社のかたがいらっしゃるようになりました。もちろん、一般の宝くじ購入者の祈願もさせていただいております」(山内雄佑宮司) 創建は701年。平将門や源義家など多くの有名武将が祈願成就のために訪れたという由緒ある神社で、社名は当時の元号の「大宝」に由来するという。 嵐の大野智(39才)が1月25日放送の『嵐にしやがれ』(日本テレビ系)で訪れ、話題になったのが、佐賀県唐津市の沖合に浮かぶ小さな島、高島に鎮座する宝当(ほうとう)神社だ。「もともと運を開く神様として信仰されてきた、島の守り神です。20年ほど前に島おこしとして“宝が当たる”神社にお参りくださいとPRしたところ、参拝したかたから宝くじ当せんの報告が続々と届き、全国に情報が広まりました。神社にはお礼状や実際に当せんした宝くじのコピーが貼ってあります。なかには2012年の年末ジャンボ宝くじの1等、4億円の当せんくじ(コピー)もあるんです」(宝当神社の担当者)◆蛇と像で億万長者 京都市の市街地ど真ん中にあるのは、御金神社。この神社は、V6の岡田准一(39才)・宮崎あおい(34才)夫妻がお忍びで参拝したこともあり、「御金」と書いて「みかね」と読み、金運が上がるパワースポットとして全国的にも有名だ。宝くじを中に入れて保管すればと当たりやすくなるといわれている、祈祷済みの「福財布」を購入するため、全国各地から参拝客が訪れる。 熊本県にある白蛇神社 阿蘇白水龍神權現は、商売繁盛・財運を司る弁財天の化身、白蛇を祀る。「2000年に当社の宮司がこの地で白蛇様と出会い、その後、お宮を建ててお参りいただくようになりました。お参りしたところ高額当せんしたかたが多く、口コミで広がりました」(白蛇神社の担当者) 購入した宝くじを持参し、白蛇様に直に触れてもらえる祈願も受けられるという。 幸せを呼ぶ「吉ゾウくん」が高額当せんを招くと評判なのが、千葉県長生郡にある長福寿寺。約1200年前に伝教大師最澄(さいちょう)が創建、「西に比叡山、東に長福寿寺(当時は東叡山と称した)」といわれる大古刹だ。 吉ゾウくんは、織田信長の焼き討ちにあって荒廃した比叡山を再建した17代目の住職・豪仙學頭(ごうせんがくとう)が護摩修行をしている最中、火炎の中に一頭の象が舞い降りたことに由来するという。「幸せを呼ぶ象には健康や夫婦円満など5つのご利益があります。ところがここ10年ほどは金運が突出していて、特に宝くじが当たったという報告が相次いでいます」(今井長秀・第56世住職) 長福寿寺では例年、ジャンボ宝くじの「大当たり祈願祭」を行っており、今年も同じ名称で2月16日に開催するという。 事前の祈願だけが“当せんへの道”とは限らない。東京・新宿にある宝禄稲荷神社は、“外れくじ”を供養することで、次の当せんへと導いてくれるとされている。「毎年5月22日の宝禄祭で『外れくじ供養』が行われ、全国から来られたかたがたが勝運を授かって帰られます」(宝禄稲荷神社のある原町三丁目の町会会長・土屋勝さん)※女性セブン2020年2月20日号
2020.02.10 07:00
女性セブン
五輪期間はお小遣い稼ぎのチャンス 号外のメルカリ転売で儲ける人も
五輪期間はお小遣い稼ぎのチャンス 号外のメルカリ転売で儲ける人も
 五輪イヤーとなった今年は、副業が激増するといわれている。副業の専門家によれば、今年は、絶好の「稼ぎ時」だというのだ。現在、どこの企業も人手不足に悩んでいるが、海外からの観光客が増えるほど“おもてなし人材”の不足は深刻化するだろう。しかし、これもまたチャンス。「裏を返せば、五輪特需の副業が増え、より稼げる副業を選びやすくなるということです」(生活経済ジャーナリスト・柏木理佳さん) 今や、スマホがあれば24時間、どこでもお小遣い稼ぎができる。たとえば数あるスマホアプリの中でも、その稼ぎやすさから人気が継続しているのがメルカリだ。 高級ブランドのバッグから、セミの抜け殻まで売買されているこのマーケットでは、時流を読めば濡れ手で粟。『働きながら小さく始めて大きく稼ぐ【0円】起業』(クロスメディア・パブリッシング)の著者でインターネットビジネスに詳しい有薗隼人さんはこう語る。「元号が『令和』に変わった時、号外新聞が1点3000円ほどで売買されました。号外は無料で配られていますから、10点売ればそれだけで3万円です。号外を集めている人は案外多い。先日、高校サッカーで静岡学園が優勝した時の号外も770円で売れていました」 東京五輪開催中も、日本人選手の活躍による号外が配られれば、高値で売れるかもしれない。このような「記念」になるものは値がつきやすく、限定デザインのペットボトルや映画の公開記念特典なども人気商品だ。「自分ではいらないものでも、誰かは欲しがっていると考えること。丁寧に扱い、きれいに保管することを心がけてください」(有薗さん) 昨年3月、日本で赤ちゃん用の液体ミルクが解禁された。そのニュースに触れた多くの人は、液体ミルクを哺乳瓶に移し替えて使うことを想像しただろう。しかし、忙しいママの間では、液体ミルクの容器そのものから赤ちゃんに飲ませるための「ニップルアタッチメント」へのニーズが殺到した。海外では当たり前に販売されているものの、日本では入手が困難だったからだ。「海外からアタッチメントや関連グッズを仕入れ、メルカリなどで販売したことで大反響を得た人もいます。わざわざ海外へ行かなくても、仕入れは『BUYMA(バイマ)』や『eBay(イーベイ)』のような海外サイトを利用すれば安く抑えられます」(有薗さん) 海外のサイトから買い物をするとなると、言語にハードルを感じてしまう。しかし、最近は海外サイトを見る際の翻訳機能が充実しているほか、『ポケトーク』のような使いやすい翻訳アイテムもあるため、それほど困難ではないという。※女性セブン2020年2月6日号
2020.01.29 15:00
マネーポストWEB
染め上げられた「日の丸」は高温ボイラー式乾燥機を通過し、短時間で乾燥
世界で最も作るのが難しい国旗「日の丸」 製造現場に密着
 鮮やかな朱色に染め上げられた直後の日の丸が、高温乾燥機へと高々と昇っていく。私たちの日常にある「日の丸」国旗はどのように作られているのか、製作現場の工場を密着取材した。 訪れたのは群馬県沼田市。JR東京駅が毎朝掲揚する国旗も製作する東京製旗(TOSPA)の沼田工場だ。12月上旬の朝。工場内では、ベテラン職人が製造ラインの調整など準備作業を慎重に行なっていた。世界約230の国・地域の国旗や企業・自治体などの様々な旗も作っており、日本国旗を製作する日は専用の設定が必要となるのだ。「日の丸はシンプルなデザインですが、それだけにほんのわずかなズレでバランスが崩れます。世界中の国旗の中で、作るのが最も難しい国旗が日の丸なのです」(小林達夫社長) 長さ2000メートルの白地の木綿の布がライン上を流れ、次々に日の丸が染められていく。この日は70センチ×105センチの国旗が約1900枚作られた。東京製旗は創業者が戦前から日の丸作りに携わり、時代と同社の変遷は縦糸と横糸のように日の丸の歴史を紡いできた。「日本の主権回復が決まったサンフランシスコ講和会議、昭和34年の皇太子ご成婚、同39年の東京五輪では空前の日の丸ブームが巻き起こり、増産で対応。昭和天皇崩御の際は半旗を掲げるために企業や官公庁などから注文が殺到し、在庫がなくなりました。直近では、2019年5月の平成から令和へ元号が変わる際に奉祝で国旗の注文が集中。事前に例年の10倍程度の国旗を生産準備し、休日返上で全国出荷しました」(小林社長) 喜びの時も悲しみの時も、私たちのそばには日の丸があった。今年、東京五輪が開催される。日本人にとって日の丸がより身近になる1年となるだろう。◆撮影/内海裕之※週刊ポスト2020年1月17・24日号
2020.01.07 16:00
週刊ポスト
現在は週3回、個人トレーナーについてトレーニングを行ったり、独身時代からの友人とよく一緒に旅をする。ともに夫を見送り、気楽な立場だ(撮影/森浩司)
橋田壽賀子、『渡る世間は鬼ばかり』続編1本を約束したが…
 元号が平成から令和になるなど、大きな変化の1年だった2019年。では、東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年は、一体どんな1年になるのだろうか──。そこで、ドラマ界の重鎮である脚本家の橋田壽賀子さんに、2020年を予測してもらった。 * * * かつてテレビのドラマといえばホームドラマが主流で、お茶の間に多くの話題を提供してきました。 でも昨今はほとんどないし、2020年には皆無になるんでしょうね。したがって、私の出番がなくなるのは確か。『ドクターX』のような医療ドラマが増えるでしょうか。 私自身は、『渡る世間は鬼ばかり』の続編1本を約束していますが、さて、90才を過ぎると明日は何が起こるかわからない。書ける確約はできません。また、「年老いての孤独」を書きたい構想はありますが、こちらも確約はできません。【プロフィール】橋田壽賀子/1925(大正14)年、京城(現在のソウル)生まれ。TBS東芝日曜劇場や同『渡る世間は鬼ばかり』、NHK連続テレビ小説『おしん』、同大河ドラマ『いのち』など、問題作・話題作を執筆し続けてきた。最新著書に『人生ムダなことはひとつもなかった 私の履歴書』(大和書房)。※女性セブン2020年1月16・23日号
2020.01.06 07:00
女性セブン
タピオカ店に行列が絶えなかった
2019年の食を総括 タピオカ、オレンジワイン、コメ復権
 美味いものを食う、それ以上に楽しいことはそうない。今年はどんな1年だっただろうか。食文化に詳しい編集・ライターの松浦達也氏が2019年を総括する。 * * * 2019年も食業界でさまざまなブームが起きたが、元号が令和となった今年の大賞はなんと言ってもタピオカに尽きる。「タピる」が流行語大賞トップ10に選ばれ、飲んだ後の空きカップのゴミ問題などを含め、1990年代の第一次、2000年代の第二次とは比較にならないほど盛り上がった。若者が行き交う町には、続々とタピオカミルクティーの店舗が出店し、狭小物件でも行列ができ、社会現象にまでなった。 過去二回のブームと違ったのは、インスタグラムなどSNSなどでの個人発信が大きなうねりを生んだことで、関連用語が爆発的に増えたことだった。 前出の「タピる」(タピオカを食べる)のほか、「タピ活」(タピオカに触れる活動)などの言葉も一般的に遣われた。さらに発祥店によるSNSへの写真投稿催事「タピオカチャレンジ」が、ユーザーによって独り歩き。一部ではタピオカミルクティーを胸に乗せて写真を撮影し、「#タピオカチャレンジ」というハッシュタグでSNS展開するユーザーも現れた。流行を個人個人がカスタマイズして、サブカルチャー文脈に乗せて楽しむしなやかさも印象的だった。 局所的に使われる用語も増え、筆者が耳にした範囲では「タピられる」という言葉を「行列に割り込まれる」という意味で使う大学生もいた。極大化したブームは、ビジネス面、社会問題、そして若者文化まで多様な影響を与えながら、肌寒くなるとともに落ち着きを見せている。来年、暖かくなる頃に、果たしてどれだけの行列が復活するのか。無数に増殖したタピオカ店はブームの先に到達できるか、真価が問われるのは2020年である。 一方、大人世代にとって一大ブームとなった飲料と言えば、「オレンジワイン」。「オレンジ」と言っても柑橘類を原料としているわけではない。もともとは一大産地ジョージア(グルジア)で「アンバーワイン」と言われていたワインを指す。 白ワインに使われるような白ブドウ品種を使いながら、赤ワインのように果皮や種とともに発酵させたワインで、白の華やかさのなかに赤にも通じる渋味や苦味がニュアンスとして効いている。添加物の少ないワインが多かったこともあり、ナチュラルワインの流行とともに追い風に乗った。一般的な赤ワインや白ワインが苦手としてきた香辛料を使った料理との相性もよく、今年一年で扱う飲食店も一気に増えた。白、赤、ロゼという作りの体系で考えると、見落とされていた種類であり、こちらはブームでは終わらずカテゴリーとして確立されていくはずだ。「復権」という側面から見ると、この数年「糖質制限」などの逆風にさらされてきたコメにも光が当たりつつある。近年、地球温暖化に伴い、各地で育てられてきた品種に高温障害が多発した。各地の農業試験場が新品種の開発に乗り出した結果、この数年でコメの新品種が一気に増加。甘みと粘りに特徴のあるコシヒカリの逆を行くような「ハリ」や「粒立ち」といった特徴のあるコメがデビューしたことで、一気にコメの多様化が進んだ。 コメが進化すればカレーも変わる。特にこの数十年、家庭の食卓では固形のルウを使ったカレーが絶対王者だったが、この数年で各種スパイス&ハーブから作る「スパイスカレー」が家庭でも人気となり始めている。「そもそもカレーにはスパイスが使われているはずなのに、『スパイスカレー』という名はいかがなものか」という声もあるものの、舶来文化をカスタマイズしてきた、日本ならではの食文化がその源流へと回帰しようというトレンドのようでもあり、実に興味深い。 望まれざる流行として挙げられるのが豚コレラ(CSF/豚熱)だろうか。豚とイノシシ特有の病気で、下痢や発熱を伴う。人間には感染らないが、現在アジア圏で猛威をふるっていて、日本でも岐阜県で発生が確認されて以降、中部地方を中心に東は関東、西は京都まで20に及ぶ都府県がワクチン接種推奨地域となってしまっている。一刻も早い事態の収束が望まれる。 番外編としては、この数年快進撃を続けてきた「いきなりステーキ」が年末に40店舗以上の閉店を発表したことや店頭に創業社長の一瀬邦夫氏による「来店のお願い」が掲出されたことがSNSで話題となった。 Twitterでは「(運営会社の)ペッパー、四季報の見出し変遷 【いきなり加速】⇒【いきなり減速】⇒【いきなり閉店】(2017年秋号⇒2019年夏号⇒2020年新春号)」と揶揄されてしまっていた。年の瀬は悲喜こもごも。逆風にさらされている方々におかれても、来年はぜひ捲土重来を期待したい。その姿は日本経済にも重なるからだ。2020年が読者諸兄にとっていい年でありますように。
2019.12.31 16:00
NEWSポストセブン
「天気の子」の劇中カット (C)2019「天気の子」製作委員会
アニメや漫画原作が強い2019年映画界 音楽は今年も米津
 元号が変わり、節目の1年となった2019年。エンタメ業界では、どんな作品がヒットしたのだろうか。「2019年はいつもに増してアニメやコミックが原作の映画が多く、興行収入100億円超えが続出の当たり年。楽曲のすばらしい作品、応援上映や特殊効果に対応した作品が多かったのが特徴です」 こう振り返るのはトレンドウォッチャーのくどうみやこさんだ。 映画興行収入ランキング(興行通信社調べ。2019年正月映画から11月公開までの作品が対象。興収値は推定値で、見込み成績含む)は以下の通りだ。第1位『天気の子』(140.2億円)第2位『アラジン』(121.5億円)第3位『トイ・ストーリー4』(100.8億円)第4位『名探偵コナン 紺青の拳』(93.1億円)第5位『ライオン・キング』(66.6億円)第6位『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』(66億円)第7位『アベンジャーズ/エンドゲーム』(61.2億円)第8位『アナと雪の女王2』(60.2億円)第9位『キングダム』(57億円)第10位『劇場版 ONE PIECE STAMPEDE』(55.3億円) 映画館では静かに見るのが常識だったが、応援上映の回は声出しOK。ライブのように声援を飛ばして映画を楽しめる。『名探偵コナン』や『アナ雪2』、さらには『天気の子』でも大合唱上映が行われた。 また、「4DX」に対応している映画館では、水・風・香りの演出とともに、映像に合わせてシートが動き、3面スクリーンで視野270度楽しめるという。「2019年は『アラジン』をはじめ4DXに対応していた作品が多く、アトラクションのように楽しめました。Netflixなど映像ストリーミングサービスが増えている中、一方で映画館ならではの一体感やライブ感などを見出せる作品がウケたといえます」(くどうさん)◆2018年の名曲がロングヒット 2019年の音楽ランキングは以下の通りだ。【邦楽シングルCD売上】(タワーレコ―ド全店総合シングルチャートより。集計期間は2019年1月1日~11月30日)第1位 嵐『BRAVE』第2位 乃木坂46『Sing Out!』第3位 欅坂46『黒い羊』第4位 King & Prince『君を待ってる』第5位 King & Prince『koi-wazurai』【楽曲ダウンロード】(レコチョク調べ。集計期間は2018年12月1日~2019年11月30日)第1位 米津玄師『Lemon』第2位 米津玄師『馬と鹿』第3位 あいみょん『マリーゴールド』第4位 菅田将暉『まちがいさがし』第5位 back number『HAPPY BIRTHDAY』【カラオケ】(第一興商 通信カラオケDAM調べ。集計期間は2019年1月1日~12月7日)第1位 米津玄師『Lemon』第2位 あいみょん『マリーゴールド』第3位 菅田将暉『さよならエレジー』第4位 中島みゆき『糸』第5位 Official髭男dism『Pretender』「楽曲ダウンロード」「カラオケ」の1位は、ともに米津玄師の『Lemon』。実はこれ、2018年の作品だ。「2019年を代表するようなメガヒットはなかった」と語るのは世代・トレンド評論家の牛窪恵さんだ。時代の節目のヒット曲には法則があると牛窪さんは言う。「メッセージ性の強い曲は、新たな時代を迎える時に流行りやすいのです。バブルがはじけた頃には応援歌のような『負けないで』(1993年、ZARD)、世紀が変わった時には『花火』『カブトムシ』(1999年、ともにaiko)など女性の心情を綴る歌がそれぞれ流行りました。 2019年でいうと、米津玄師、あいみょん、菅田将暉の楽曲がそれにあたり、聴く人の心に強く共鳴します。また、偶然ではない出会いを歌った中島みゆきの『糸』がランクインしたのにも、時代の節目を感じます」(牛窪さん・以下同) 一方、「シングルCD売り上げ」では、ランキングの様相がガラリと変わる。「嵐は2020年に活動を休止するため、1曲1曲がファンにとっては宝物です。King & Princeは、80年代のアイドルのようなキラキラ感を打ち出して人気に。どちらのグループも支持する年齢層が広いことが共通点です」 CD購入が当たり前の世代にもファンが多いのが強みといえそうだ。※女性セブン2020年1月2・9日号
2019.12.29 07:00
女性セブン
ばぁば直伝 パーティー仕様「骨付きラム肉有馬焼き」レシピ
ばぁば直伝 パーティー仕様「骨付きラム肉有馬焼き」レシピ
『きょうの料理』(NHK Eテレ)への出演でおなじみ、現役最高齢95才の日本料理研究家、“ばぁば”こと鈴木登紀子さんが、後世に残していきたい、料理の“手仕事”を紹介します。 * * * 2019年もあっという間の一年でしたね。元号も「令和」と改まり、師も奔走する12月、師走の到来です。 ばぁばは11月14日に95才になりました。「四捨五入すると100才ですね。おめでとうございます!」と言われ、四捨五入しちゃうの? と大笑い。まあ、おめでたいかどうかはともかくとして、人はみな、神様から今生での使命をもって生まれるといいます。お料理がばぁばの使命であるならば、今もこうして日本の家庭料理をお伝えできるのは、つくづく有り難いことです。 よく「ばぁばの長生きの秘訣は何ですか?」と聞かれます。これはもう「食いしん坊ばんざい!」に尽きますわね(笑い)。ばぁばは筋金入りの“肉食系女子”ですから、お肉がだーいすき。一度にたくさんは食べられませんが、ステーキなどシンプルなお肉料理がばぁばの95年を支えてきたのだと思います。 よく食べ、よく笑い、明日を楽しみに今日を生きられるのは、何よりの幸せですわね。 さて、本題に入りましょう。 12月はパーティーシーズン。そこで今回は、ホームパーティーにうってつけの「骨つきラム肉の有馬焼き」をご紹介します。「有馬焼き」と言えば、日本料理では山椒焼きを意味します。また焼きものに限らず「有馬煮」など、実山椒を使った料理はすべて“有馬”の冠がつきます。その理由は、温泉で有名な兵庫県の有馬地方がその昔、山椒の産地だったことに由来するようです。 ラム肉は苦手、というかたも多いようですが、実山椒のたれに漬け込みますとラム独特のにおいが和らぎ、さらにローストすると香ばしく爽やかな味わいに昇華いたします。 バターたっぷりで口当たりのよい、なめらかなマッシュポテトを添えてお楽しみください。◆実山椒の仕事 実山椒はしょうゆ漬けになったものを使用。包丁で軽く叩いて潰し、酒、塩、しょうゆと合わせる。そこへ筋切りをした骨つきラム肉を15分ほど漬けてからオーブンへ。フライパンで焼く場合は、汁気を除いて薄力粉を軽くつけ、オリーブ油を熱した中火で、こんがり焼き色がつくまで焼く。肉が硬くなるので、焼きすぎに要注意!◆じゃがいもの仕事「じゃがいもをゆでてそのままマッシュポテトにするかたもいるようだけれど、ゆでた後にしっかり粉吹きにして水分を飛ばすことが肝要です。バターはたっぷりと。ここでケチると味気なくパサついたマッシュポテトになります」(ばぁば)◆盛り付けの仕事 ラム肉はなんと言っても熱々を頬張るのがいちばんおいしい。焼き上がりに合わせて、あらかじめ温めておいた皿にマッシュポテトや野菜を盛り付けておき、そこにラム肉の骨を上にして立てかけるように並べる。『骨付きラム肉の有馬焼き』の作り方【1】骨つきラム肉3本は筋切りをする。【2】バットに塩小さじ1、酒大さじ2、しょうゆ大さじ1を合わせ、包丁でたたいて粗く刻んだ実山椒の佃煮(びん詰め)大さじ1を加えてさっと混ぜる。【3】ラム肉を【2】に漬け、15分ほど常温で寝かせる。7分ほどしたら途中で裏表を返す。長く置きすぎるとしょっぱくなるので注意。【4】マッシュポテトを作る。じゃがいも3個は皮をむき、8等分に切る。鍋に入れ、じゃがいもがかぶるくらいの水を入れて軟らかくなるまで10分ほどゆでる。【5】よく水気を切ってもう一度火にかけて粉吹きいもにする。手早くバター15gを加えてマッシャーやフォークなどで潰す。【6】弱火にかけ、牛乳1/2カップを少しずつ加えて、好みのなめらかさに仕上げる。塩少量で調味する。【7】オーブンを250℃に予熱し、天板にクッキングペーパーを敷いて【3】を並べ7分焼く。【8】皿にマッシュポテト、プチトマト適量、さっとゆでたさやえんどうを盛り付け、焼き上がったラム肉を並べる。熱々をいただく。撮影/鍋島徳恭※女性セブン2020年1月2・9日号
2019.12.27 07:00
女性セブン
吉本興業社長の謝罪会見は「ダブル」で謝罪することに
責任転嫁に正当化… 心理士が振り返る2019年の謝罪会見
 臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になったニュースや著名人をピックアップ。心理士の視点から、今起きている出来事の背景や人々を心理的に分析する。今回は、2019年の印象的な謝罪会見をまとめて分析。 * * * 平成から令和に元号が変わった2019年も数多くの謝罪会見が行われたが、その中にはさらなる物議を醸すことになったものも多い。今年の会見を振り返り、その違いを考えてみた。 芸能界では、不倫だけでなく違法薬物所持による謝罪会見も多く、その度にその謝り方が話題になった。音楽家で俳優のピエール瀧さんは保釈後にカメラの前で深々と頭を下げたが、元KAT-TUNの田口淳之介さんは土下座。そこまでやるのかと賛否両論が巻き起こった。闇営業問題では芸人の宮迫博之さんらが涙の謝罪会見を開き、それを受けて吉本興業の岡本昭彦社長が5時間半にわたる謝罪会見を開いたが、長時間のわりに問題の真相がよくわからず批判を浴びた。だらだら続けても集中力は長くは続かないし、人は曖昧性を嫌う傾向がある。マイナス要素の多い会見で、印象は悪くなるだけだった。 企業の不祥事では、セブン&アイ・ホールディングスのスマホ決済サービス「7pay(セブンペイ)」が、不正アクセスの発覚でサービス開始4日でつまづき、小林強社長が謝罪。会見では、スマホ決済の基本的なセキュリティーである「二段階認証」について問われた小林社長が、「二段階認証?」と頭を傾げてつぶやいたことで、危機管理意識の甘さが露呈。セブンペイは早々に終了した。 関西電力では、経営幹部20人が福井県高浜町の元助役から約3億2000万円相当の金品を受領していたことが発覚し、八木誠会長と岩根茂樹社長が会見。「金貨や金品の出所は承知していなかった」と一貫して主張し、話したくないことには口をしっかりとつぐんだ。第三者委員会の調査は約700人にも及んでおり、「原発マネー」の根深い問題が浮き彫りに。結論はまだ出ていない。 教師同士のいじめが発覚した神戸市立東須磨小学校では、仁王美貴校長が謝罪。壮絶ないじめも“トラブル”と捉え、「いじめである認識が欠けていた」と話した。どの会見も、当事者意識の低さや、リスクを正しく認識し適切に対応する能力“リスク・リテラシー”が欠如していた。また、その裏には、見たい物しか見ない、知りたいことしか知ろうとしないという「認知バイアス」が潜んでいた可能性もある。 認知バイアスが働いた会見だと、見ている方は誰に対して謝っているのか、何について謝っているのか、そもそも謝罪する気があるのかさえわからなくなり、世間から反感を買うことになる。今年起きたこれらの会見はその典型と言っていいだろう。 安倍晋三首相は12月13日、東京都内で開かれた講演で、問題視されている「桜を見る会」について、「政策論争以外の話に多くの審議時間が割かれている」と述べ、「国民のみなさまに大変申し訳なく思っている」と謝罪した。首相や官邸に向けられた疑惑に対し、説明責任を果たしていないのは自分たちだが、そこはスル―。まるで野党の追及によって時間を使ってしまったとでも言いたげだ。責任転嫁と問題のすり替えで、自分たちを正当化している印象が強い。 9月、千葉に甚大な被害をもたらした台風15号。千葉県の対応の遅れと、災害本部設置当日に森田健作知事が別荘に公用車で向ったことが問題となった。これに対し森田知事は、「別荘ではなく自宅」と説明。「私用車に乗り換えプライベートで被害を視察した」と、唇を舐めたり大仰に表情を作ったりしながら述べた。 さらにその視察では、メモも写真も「頭に残した」だけ。視察している知事を見た者もいない。森田知事はこのやり方を「これは私の政治スタイル」と、声の抑揚をつけ悪びれることもなく言ってのけた。どう追及されても言い逃れ的な自己弁護を繰り返し、大規模停電の復旧が遅れた東京電力にクレームをつける始末であった。 自己正当化は、時に政治家としてのあり方も問う。国後島への「ビザなし交流」訪問団の一員として参加し、元島民の訪問団長・大塚小弥太さんに「戦争しないとどうしようもなくないですか」と酒に酔ってこう発言した丸山穂高衆院議員。一度は謝罪したものの、失言・暴言だったという意識は本当はなかったのだろう。辞任を促されると、「(戦争発言は)賛否を聞くという形での発言」「謝罪すべきは(戦争発言自体ではなく)あの場での不適切さ」と問題をすり替え、「私が辞めることで前例を作ってしまいかねない」と辞職勧告決議を非難。都合よく問題を解釈し自分を正当化した。いまだ議員のままである。 例え辻褄が合わなくても、言い逃れやこじつけでも、自分が正しいと言い切ってしまう。これではまるで「ナイーブ・リアリズム」の極致みたいだ。人は自分の判断が正しく、自分の物の見方や感じ方は客観的だと信じる傾向がある。自分は冷静に判断しているため、自分と同じように考えられない人がおかしいと思うのだ。こうした傾向を「ナイーブ・リアリズム」という。これもまた、謝罪会見で強く出ると、世間の反感を買うだけである。 さて、ナイーブ・リアリズムと聞いて、真っ先に思い浮かぶのはこの人以外にいないだろう。それは韓国の文在寅大統領。日韓関係がどうなろうとも、自分を正当化することを優先させた彼が、結局は国民の失望を買い支持率低下に追い込まれた姿は、今年最も印象的だったのではないだろうか。
2019.12.26 07:00
NEWSポストセブン
「災害対策」「マンション管理の重要性」「住まい選びの多様化」…2019年不動産市場を5つのキーワードで振り返る
「災害対策」「マンション管理の重要性」「住まい選びの多様化」…2019年不動産市場を5つのキーワードで振り返る
2019年も残りあと数日となりました。今年の不動産界隈ではどのような出来事がおこったのでしょうか。さくら事務所会長の長嶋氏に、5つのキーワードで2019年の不動産市場を振り返っていただきました。今年は以下の5つのキーワードをピックアップしました。【今年の注目5大キーワード】キーワード1:災害とその対策キーワード2:マンション管理の「質」に焦点キーワード3:省エネ義務化 見送りキーワード4:住まい選びはますます多様にキーワード5:不動産価格は今がピーク?詳しくみていきましょう。●キーワード1:災害とその対策台風15号や19号は国内各地に甚大な被害をもたらしましたが、浸水が発生したのはおおむね被害が想定されていた地域も多く、あらためて「ハザードマップ」の有効性がクローズアップされました。現在は不動産を売買・賃貸する際にハザードマップの説明をすることは必ずしも義務化されておらず、浸水可能性の有無を知らずに買ったり借りたりしているケースも。しかし今後の気候変動の趨勢(すうせい)を考えれば、法改正でハザードマップの説明が義務化される可能性は高く、また金融機関の担保評価項目に織り込まれることとなれば、資産価格への影響も必至だとみておいたほうが良いでしょう。災害大国ニッポン。自身や家族の安全・安心のためにも、また不動産の資産性を守るためにも、ハザードマップの確認は必須。万一の際の避難場所の確認や防災グッズの準備も欠かせません。また、各地で大型地震の予測がされているほか、昨今は想定していなかった地域でも大型の地震が発生しています。「地理院地図」(国土地理院)などで、地盤の性質について確認しておくこともマストといえます。●キーワード2:マンション管理の「質」に焦点(画像/PIXTA)主に1990年代後半から建設されてきたタワーマンションが続々と大規模修繕の時期に差しかかったこともあり、マンションの「持続可能性」に注目が集まりました。マンションの大規模修繕はおおむね15年ごとに行われますが、その原資となる修繕積立金の設定は、新築時に低めに設定されていたり、段階的な値上げを予定しているケースが多く、長期的な視野に立った修繕計画が大切です。一般的なマンションでは専有面積平米あたり200円程度の積立金が必要です。例えば60平米なら1万2000円程度の積み立てができているかということ。豪華な共用施設があるマンションやタワーマンションなどではもっとかかります。マンションへの永住意識が年々高まる中、購入者もマンションの持続可能性を見極め、所有者は管理組合運営に積極的にかかわるといった風潮が強まり始めています。●キーワード3:省エネ義務化 見送り2020年に一定の省エネ基準が義務化される予定であったところ、住宅などついては2015年に続いて見送りが決定されました。義務化された省エネ基準のない国は先進国では日本だけであり、世界的に見ればかなり後れを取っているといっていいでしょう。しかし長期的に見れば、気候変動対策として、または「ヒートショック」などを防ぎ健康寿命を延ばすことを目的とした住宅省エネの追求は、やがて前進することになるはず。現行耐震基準にくらべて耐震性が低いいわゆる「旧耐震」の建物が、不動産取引や金融機関の融資、税制などで待遇に差があるように、やがて省エネ性の行程で、住んでいての快適性はもちろん、資産価格にも差がつく時代が来るでしょう。●キーワード4:住まい選びはますます多様にこれまで住まいといえば「賃貸か持ち家か」といった2択でしたが昨今では、特定の住居を持たず定期的に居住地を移動する「アドレスホッパー」や、都心や地方といった複数の拠点を居住地とする「複数拠点居住」といった、新しいライフスタイルが台頭し始めています。また「新築か中古か」といった2択も、ガス・電気・水道などのライフラインや構造躯体の性能を必要に応じて更新・改修したり、ライフスタイルに合わせ間取りや内外装を刷新する「リノベーション」の普及によってその境目もあいまいになってきました。従来の常識や価値観にとらわれない多様な暮らし方は、今後もますます広がっていくでしょう。●キーワード5:不動産価格は今がピーク?(画像/PIXTA)国内最高価格を誇る銀座4丁目の交差点周辺の地価上昇率は2017年にピークを迎え2018年、2019年とその上昇率が鈍化。このペースでいくと2020年のその上昇率はほぼゼロないしはマイナスに転じそうです。2012年12月の民主党から自民党への政権交代以降、株価が上昇するのと同様に、都心部・都市部を中心に上昇を続けてきた国内不動産価格も潮目が変わる可能性が高いでしょう。「不動産投資家調査」(日本不動産研究所)においても、2020年が不動産価格のピークとみる向きが多いようです。また東京より不動産価格の高いロンドンや香港・上海・ニューヨークなどの米主要都市も、米中貿易戦争やブレグジット、香港デモといった世情を受けピークから下落が鮮明。東京都心部から始まった不動産価格の上昇は転換期を迎えそうです。【最後に】歴史を振り返れば、元号の変わり目には大きな社会変化が起きてきました。大正から昭和に変わった翌年には最大商社(鈴木商店)が破綻、2年後に世界大恐慌へ。昭和から平成となった年末に株価は4万円近くのピーク、翌年の大発会で大崩れし、その後戻ることはありませんでした。数年たち「あれがバブル崩壊だった」と気づきます。「歴史は繰り返さないが、韻を踏む」というマーク・トウェインの言葉がありますが、1990年バブル崩壊から衰退の30年を経過した今、社会には30年サイクルがあるように思えます。1960~1990年はいわゆる戦後を脱し「モーレツ」な高度経済成長。1930~1960年は恐慌から戦争へと突入し敗戦とその処理。1900~1930年は日清・日露戦争に勝利し先進国の仲間入り。さらに30年前は明治維新です。いま、世界の債務は2京円を超え過去最大。ブレグジットで揺れるEU、多額のデリバティブ商品を抱えるドイツ銀行、米中貿易戦争、香港デモなど、世界の金融システム、ひいては政治経済を大きく揺るがす可能性のある火種はいくらでも転がっています。思えば1990年のバブル崩壊、2000年初頭のITバブル崩壊、2008年のリーマン・ショックと、金融ショックはおよそ10年ごとに起きてきました。前回リーマン・ショックの際には、米国政府がファニーメイやフレディーマックといった住宅系金融機関に公的資金を投入したところ批判が相次ぎ、民間金融機関であるリーマンブラザースを放置したところあのような事態となりました。リーマン・ショックから10年あまり、2020年以降の金融システムに変調があるか、着目しておきたいところですね。(長嶋修)
2019.12.24 07:00
SUUMOジャーナル
相鉄12000系。写真は直通運転開始前の横浜行き(写真提供:早大鉄研)
早大鉄研メンバーが投票で選んだ「2019鉄道10大ニュース」
 平成から令和へと元号が変わった2019年も残すところあとわずか。早稲田大学鉄道研究会が会内でアンケートを実施し、鉄道関連の出来事から今年の鉄道10大ニュースを選定した。以下、得票が多かった順にご紹介する。 * * *【1位】JRと相鉄が相互直通運転を開始 早大鉄研が選ぶ2019年の鉄道ニュース、1位に輝いたのは11月30日に開始されたJR東日本と相模鉄道(相鉄)の相互直通運転である。神奈川の県央部に住む会員にとっては新宿や渋谷へ乗り換えなしで行くことができるようになり、同時に東京近辺に住む会員にとっては鮮やかな「YOKOHAMA NAVYBLUE」(濃紺色)の相鉄12000系が新宿や渋谷に停車していることが、新鮮な驚きであったようだ。【2位】JR西「おおさか東線」が延伸される 2位に入ったのは3月のダイヤ改正でのおおさか東線(放出~新大阪)の延伸。路線の廃止や事故といった暗いニュースよりも、大阪都市圏での新しい路線の開業という明るいニュースに会員の支持が集まった。貨物線を通るため、多くの貨物とすれ違うのも魅力的だ。【3位】台風19号による各鉄道路線の被災 10月12日に上陸し、各地で猛威を振るった台風19号の被害が3位に入った。北陸新幹線、箱根登山鉄道、上田電鉄、阿武隈急行など、日本各地の鉄道が大きな被害を受けた。現在も被災の影響で、運転見合わせや減便となっている路線も多くあり、被害の大きさを物語る。我々会員にとって思い入れのある鉄道路線も多い。早期の復興を祈りたい。【4位】「三陸鉄道リアス線」が全線開通 4位は三陸鉄道リアス線の全線開通だ。こちらは東日本大震災で被害を受け、運行見合わせとなっていたJR山田線の宮古~釜石間が三陸鉄道に移管され、従来の南・北リアス線が久慈~盛を結ぶ「リアス線」として1つにつながったのである。沿線には絶景スポットも数多く、全通前も、そして全通直後からも現地を訪れる会員が後を絶たない。【5位】JR北海道「石勝線夕張支線」が廃止 5位は北海道の石勝線夕張支線の廃止。かつては炭鉱で栄えた路線だが、鉱山の閉鎖、沿線住民の人口減少等により廃止となった。北海道はこのように経営の苦しい路線が多くあるが、どれも本州では見ることのできない雄大な自然を堪能できる路線である。多くの会員が、乗り納めとして北海道へと向かったようだ。【6位】京急線が踏切内でトラックと衝突事故 6位に入ったのは、9月5日午後に発生した京浜急行(京急)線の踏切事故である。踏切に進入し、動けなくなったトラックと列車が衝突。大きな事故となった。現在でも当時の事実確認や捜査が進められている。そのスピード感や車両に関して、会内でも高い人気を誇る京急線。その未来を左右しかねない事故に会員の注目が集まった。【7位タイ】「700系」東海道新幹線での定期運用終了 7位は2つのニュースが同率でランクイン。1つ目は700系新幹線の東海道新幹線内での定期運用終了だ。これにより東海道新幹線内は一部の臨時列車を除き、全てN700系となる。私たちの世代では新幹線と言えば500系や700系。500系は既に東海道新幹線からは引退し、今回は700系も運用終了となった。時代の流れを感じるニュースであった。【7位タイ】JR中央線の「ライナー」廃止と特急の新設 2019年3月のダイヤ改正では「中央ライナー」、「青梅ライナー」が廃止され、新たに特急列車として「はちおうじ」、「おうめ」が設けられた。廃止前に夜間の「青梅ライナー」に乗車する機会があったが、多くの会社帰りの旅客を載せて東京の夜景の中をゆったりと進むのは非日常的な感覚があり、快適であった。特急となった今も多くの通勤客、そしてもちろん、何人かの鉄道ファンを載せて走っているのだろう。【9位】JR各社が「車内販売」を縮小 9位には車内販売サービスの縮小が入った。JR各社は一部の列車の車内販売の廃止や、商品の種類の削減等を行った。効率化のためには仕方がないとはいえ、旅の楽しみとしていた会員には大きな衝撃だった。【10位】西武鉄道の新型特急「Laview」が運行開始 10位には西武鉄道の新型特急001系「Laview(ラビュー)」がランクイン。従来の鉄道車両とは大きく異なる、メタリックで3次元的な外観は衝撃であった。筆者は幸運にも3月に乗ることができ、静謐な車内、揺れない車体、そして何よりも足元まで広がった大きな窓に驚かされた。今後は可能ならば大学の帰りに贅沢して乗車してみたい。 以上、早大鉄研が選んだ「2019鉄道10大ニュース」を紹介した。さて、来る2020年にはどのような鉄道ニュースが生まれるのだろうか。願わくは、鉄道にとって、また同時に趣味者にとっても、明るいニュースが増えますように。2020年も鉄道から目が離せない。●取材・文/早稲田大学鉄道研究会・会誌『SWITCHER』編集部(※記事中の写真は全て同会会員が撮影)
2019.12.22 07:00
NEWSポストセブン

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