汚屋敷で育った子供は、そもそもゴミや物が散乱した中で生活しているから、「ゴミはゴミ箱へ」「使ったものは元に戻す」といった、生活の基本動作が身についていない場合が少なくありません。
さらに「食事を作る」「部屋を掃除する」「洗濯物はためこまずまめに洗う」という、自活能力も育たない。
床一面に物があるから、つまずかないようにといつも下を見ながら暮らしているので、猫背になってしまう子供も多いように思います。実際、汚屋敷を訪れると、子供は判で押したように、肩をすくめてうつむきがち。覇気が感じられません。
親にその気がなくても、汚屋敷で子供を育てることは“虐待”といわれても仕方がないと思うのです。
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厚生労働省によると、児童虐待は、身体的虐待・性的虐待・ネグレクト・心理的虐待の4種類に分類される。ネグレクトとは親の怠慢による“育児放棄”のことだが、このなかに“ひどく不潔にする”ということが挙げられている。汚屋敷はこれに当てはまるといえるだろう。
※女性セブン2016年2月18日号