ネグレクト一覧

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ママやお友達を叩いちゃう。手が出る子どもにどう注意する?
ママやお友達を叩いちゃう。手が出る子どもにどう注意する?
わが子が家族や友達のことを叩いてしまう…。子育てに答えはないと言われますが、攻撃的な子どもの行動には戸惑ってしまいますよね。また、なぜそんなことをしてしまうのか、どうしたらやめさせられるのかに悩み、不安に思う親も多いことと思います。ここでは、子どもが叩く理由や、手が出てしまう子どもへの対応についてご紹介します。子どもが親や友達を叩くのはなぜ?子どもは2~3歳頃になると、親や友達を叩いてしまう場合があります。私たち大人の視点から見ると「叩く=攻撃的な行為」と思いがちですが、子どもにとって「叩く」理由は必ずしも攻撃的な意図があるとは限りません。子どもが叩く理由はさまざまなので、まずはなぜ叩いてしまうのか考えることからはじめましょう。子どもはどんな様子で「叩く」行為をしている?子どもが人を「叩く」とき、どんな様子でしょうか?いかにも攻撃的な様子で他人を叩く子もいれば、相手は嫌がっているのにもかかわらず自分は楽しそうに叩いている子もいるかと思います。発達心理・児童心理の発展に大きく貢献したスイスの心理学者ピアジェによると、2歳~7歳の子どもは論理的思考力や共感力が未発達であり、自己中心性が高いとされています。つまりこの頃の子どもは、次のような特徴を持つがゆえに、叩く行為をするのです。叩く行為がいけないことだとまだ理解できない叩く行為を遊びのひとつだと捉えている(自分は楽しいから相手も楽しい)思い通りにならない事に対する攻撃(自己中心性が高い)叩くのは子どもからのメッセージかもしれないある程度年齢を重ねると、子どもは「叩くことはいけないこと」と認識できるようになります。しかし、自分の意思表示の方法が分からない時や、語彙力が拙いために言葉で感情を表現することができずに、叩いてしまうこともあり得ます。このような場合には、子どもは「叩く」行為を通じて、なんらかのメッセージを周りに伝えようとしていることもあるのです。子どもが叩くのは発達障害?関わり方に問題があるの?中には「子どもが叩くのは発達障害が原因なのか?」「育て方に問題があるのか?」と不安に思う方もいるでしょう。確かに、発達障害の中には周りに手を出してしまう子もいますが、手を出すからといって必ずしも発達障害であるとは限りません。また、親の虐待やネグレクトにより愛着障害を引き起こしてしまうことで、攻撃的な側面が見られる可能性もあるでしょう。愛着障害に関しては虐待やネグレクトだけではなく、親の無関心さや厳しすぎる躾などが起因となっているケースもあります。いずれにしても素人が判断することは難しいため、専門家に相談することをおすすめします。子どもが友達を叩いてしまった時、どうする?もし、子どもが友達を叩いてしまった時、どのように対応すればいいのでしょうか?つい厳しく叱りつけたくなってしまうものですが、不適切な対応をしてしまうとかえって逆効果になる場合があります。頭ごなしに叱ることや叩いて分からせるのは逆効果頭ごなしに叱ることや、子どもを叩いて分からせるのは逆効果です。これは、叩くことを悪いことだと思っていない子どもには、「叩く=いけないこと」と理解できるようになるかもしれません。しかし、すでに叩くことが悪いことだと理解している子どもに対しては不適切でしょう。叩くことには、何かしらの意味やメッセージが込められています。しかし、親がその行為をいきなり全否定してしまうと、子どもは「自分のことを理解してくれていない」「なんで自分よりも相手の子を大事にするの?」「パパママが叩くのはいいの?」と感じてしまうでしょう。まずは叩いた理由を聞いて、心に寄り添ういずれにせよ、叩くという行為は許されることではありません。しかし、まずはなぜ友達を叩いてしまったのか理由を聞いてみましょう。理由を聞いて心に寄り添うと同時に、だからといって叩くことは許されないことだと教えてください。叩くのがダメな理由、どうすべきだったかを一緒に考える友達を叩いてしまった場合は、まず「○○だから悲しかったんだね。よく分かったよ。でも友達を叩くことは決してしちゃいけないよ。まずは友達に謝ろうね。」などと、友達に謝ることを教えましょう。その後に、どうすればよかったのかを一緒に考えます。親は答えをすぐに教えることはせずにヒントを与えながら、答えに導いてあげてください。そうすることで、次に同じようなことが起こった際にも対応できるようになるでしょう。子どもが叩くことで表現しないために日常でできること叩くことが良くないと理解している子どもが叩く行為をしてしまうのは、どうしてでしょうか。それは言葉で自分の気持ちを上手く表現できないことが大きく関わっていると言えます。以下に、日常的にできる工夫や心の持ちようについて考えてみましょう。親と一緒に表現方法を学ぶ自分の気持ちの伝え方を子どもと一緒に訓練することは、日常の生活の中でもできることです。しかし、一方的に教えこむ必要はなく、遊びの中で少しずつ身につけていきましょう。例えば、「ごっこ遊び」やおままごと、○○やさんごっこなどを通じて、人とのやり取りの方法を楽しみながら覚えていくように促してください。また絵本の読み聞かせや、子ども向けのアニメを見ることも効果的です。ちょっとした子ども同士のトラブルは成長の機会と考える子ども同士のケンカやトラブルはできれば避けたいと考えてしまうものですが、軽いケンカであれば、物事の良し悪しや人間関係を学べる良い機会にもなります。もちろん、やりすぎな場面には時に厳しくする必要がありますが、あまり神経質になりすぎず、子どもの成長の通過点と捉える気持ちも必要です。時には専門家に相談も考えてみるどうしても叩くのをやめることができない場合、もしかすると子どもの発達や心に原因があることも考えられます。そういった際には専門家に相談してみることも必要かもしれません。専門家に相談することで叩く子どもへの寄り添い方や、やめてもらうためのアプローチ方法などを具体的に提案してもらえます。おわりに子どもが人を叩く理由は、攻撃的な意図だけに限らずさまざまです。一見攻撃的に見える行動でも、深く掘ってみると寂しさを募らせていたり、不安に思っていたりといった心に行きつくこともあります。そのため、まずは子どもの気持ちに寄り添うことからはじめてみてはいかがでしょうか?なお、表現方法が分からない子どもには、自分の気持ちを表現する環境を整えてあげる、表現方法を教えてあげることも大切です。※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。ご了承ください。
2022.07.01 01:00
たまGoo!
子ども置いて外出。日本はおとがめなし!海外は即逮捕?!
子ども置いて外出。日本はおとがめなし!海外は即逮捕?!
日本では"カギっ子"という言葉あるくらい子どもだけで留守番をする家庭が多いですが、同じことを海外でやってしまうと国によっては逮捕されてしまうことがあります。この記事では日本と海外の留守番事情の違いや子どもを置いて外出する危険性、子どもを置いて行く際の対策についてご説明します。日本と海外の留守番事情について日本と海外では、子どもを置いて外出することへの考え方が大きく異なると言われています。そのため次に日本の留守番事情はアメリカや中国の留守番事情とどう違うのかを、比較してみましょう。日本の留守番は小学校1年生からが多い日本では小学校1年生から留守番をさせている家庭が多いとされています。また子どもを置いて外出する時間は2時間未満の家庭が全体の6割以上を占めており、短い留守番をさせている親がいるようです。留守番の理由は"買い物"や"仕事の都合"など突発的な理由による家庭が多く、"飲みに行く"や"旅行"などネグレクトとも取れるような理由で長時間子どもを置いて外出している方は、非常に少ない傾向にあります。アメリカでは子ども置いて外出すると逮捕されるアメリカでは年間70万人以上の子どもが虐待を受けており、年々深刻化しています。そのためアメリカ国内の児童虐待防止の意識は非常に高く、原則的に12歳以下の子どもを置いて外出すると児童虐待(ネグレクト)と見做されて、逮捕・拘留の対象となります。しかしアメリカでは約7割の両親が共働きのため、子どもと一緒にいる時間が少ない家庭もめずらしくありません。そういった家庭は家政婦を雇い、代わりに子どもの面倒を見てもらっているケースが多いと言われています。このようなショッピングの際には子どものケアを忘れないようご注意ください。 アメリカでは子どもから目を離したり、家や車、ホテルなどに放置する行為は例え短時間でも児童虐待と見られ、警察に身柄を拘束されたり罰金等を課されるなど重大な結果を招くことがあります。なお,保護者等の監督なしで子どもをひとりにすること(子どもひとりきりでの留守番等)の年齢基準については,各州によって差異があると思われますが,ニューヨーク州児童・家庭サービス事務所(New York State Office of Children and Family Services)のホームページ(http://ocfs.ny.gov/main/cps/faqs.asp#supervision)では,以下のとおり記載していますのでご参照願います。引用:在ニューヨーク日本国総領事館上海にはカギっ子がほとんどいない中国では行方不明になる子どもが年間20万人に及ぶと言われており、非常に治安が悪い面があります。そのため上海では子どもだけで留守番をさせることはまずなく、子どもだけで外出もさせない家庭が多いです。しかし中国では共働きが一般的なので、基本的に仕事へ行く時は祖父母に預ける傾向にあります。また学校の近くや大型住宅地にある学童クラスを利用し、子どもを一人にさせないように工夫している家庭も存在します。子どもを置いて外出する危険性とは「日本は平和な国だから、子どもに留守番させても大丈夫!」なんて思っていませんか?過度に心配しすぎるのは良くありませんが、子どもだけで留守番をさせることはたくさんのリスクが存在するのは事実です。ここからは"子どもを置いて外出することの危険性"についてご紹介します。不審者が進入する危険性がある頻繁に子ども置いて外出する家庭であれば、子どもだけで家にいるタイミングを見計らって不審者が侵入してくる場合があります。空いている窓やドアから侵入するケースを始め、来客を装って入り込んでくるなど侵入方法は様々です。不審者の目的は金品を盗むことだけではなく子どもの命を狙うような異常者の可能性もあり、子どもだけで留守番させるのは非常に危険です。火災事故や自然災害が発生することもある子どもだけで留守番をしている際には、火災事故や自然災害に十分注意しないといけません。季節によってはヒーターやストーブ、扇風機などを利用している家庭が多いと思いますが、転倒すると火事になる危険性があります。また地震などの自然災害はなかなか予測することができず、発生時に子どもだけで行動させるのは危ないものです。さらに地域によっては土砂崩れや津波などが起こる可能性もあるでしょう。急病や大怪我などが起こる可能性がある子どもだけで留守番させていると、家の中で転倒するなどして大怪我を負う場合があります。テーブルや椅子など、一見危険性がなさそうな物に見えても、子どもが踏み台にして遊んでいるうちに転倒してしまうこともあるでしょう。また近年ではベランダにある室外機などに登って遊んでいるうちに、ベランダから転落する事故もとても多くなっています。命に関わる病気や怪我の場合は、親が帰宅してから処置しても手遅れになる可能性もあるかもしれません。子どもを置いて外出する際の対策子どもをリスクから守るためには、どうすれば良いのでしょうか?以下に"子どもを置いて外出する際に、親がしておくべき対策"についてお伝えします。子どもに留守番をさせることの多い方は、チェックしてみてくださいね。子どもと親で留守番のルールを決める子どもを置いて外出しなければならないときには、以下のようなルールを子どもとしっかり決めておくことが大切です。誰か来ても絶対に出ない鍵は必ず閉め、ドアチェーンをするガスや火は使わないベランダには出ないテーブルなど高いところに登らない何かあったらすぐに親へ電話をかける など近年では子どもに電話で親がいるか聞いてから家に侵入してくる不審者も多いため、出来れば電話も出ないように伝えている方が良いでしょう。親が外出前にリスク対策をしておく子ども置いて外出する際には、以下のようにリスク対策をしておくことも重要です。ガスコンロは元栓を閉めておく包丁やハサミ、カッターナイフなどは手の届かないところに収納しておくドラム式洗濯機はチャイルドロックをかけておく家中の鍵を閉めてから外出する食事はお弁当を用意しておく など子どもは好奇心旺盛のため、親が思いもしない行動を取ることがあります。事故を起こさないよう、危険の芽はしっかり摘み取るようにしたいですね。親が定期的な子どもに対する安全確認を行う子どもだけで留守番をさせるときには、親がこまめに連絡をすることが大切です。スマートフォンを持っている子どもに対してはメールやLINEをはじめ、電話をしたり、定期的に安全確認を行うようにしてください。
2020.10.16 10:00
たまGoo!
子どもの車内置き去りが危険な行為だと気づいていない親が多い
後絶たぬ子どもの「車中放置」 厳罰化の必要性と監視強化案
 8月に高松市で幼い姉妹2人が乗用車内に長時間置き去りにされて死亡した事件。保護責任者遺棄致死罪で起訴された母親は、以前にも複数回にわたって子どもを車内に残し、繁華街で飲酒していたと供述しているという。こうした痛ましい事件が度々報道されても後を絶たない「車中放置事件」。子どもの命を救うにはどうしたらいいのか。作家の内藤みか氏がレポートする。 * * * 毎年、夏になると子どもが車中に置き去りにされ、熱中症で亡くなってしまう事件が起きてしまいます。こうした事件が繰り返し報道されても、子どもの命を粗末にする親が後を絶ちません。子どもを車に閉じ込める親の“言い訳” 今夏、高松で起きた姉妹熱中死事件も衝撃でした。20代の母親は自分が飲み歩きたいがために2人の女の子を乗せた車を真夏の深夜の駐車場に放置したのです。朝方までに戻るのなら大丈夫だと、母親もそう思っていたそうなのですが、飲んだ後に知人男性の家に寄り、昼まで放置し続けて、最悪の事態を招いてしまったのです。 車を持っている人にとって、車内は部屋のようなプライベート空間という感覚があります。 車に子どもを残す親に「子どもは寝ていたので、起こして買い物に同行させたらかわいそうだと思った」「うちの子はおとなしいし、大丈夫だと思った」などと言う人が多いのも、家で留守番させるのと近い気持ちがあるからではないでしょうか。車内放置が危険な行為だということに気づいていない人は、大勢いるのかもしれません。 2018年にJAFが発表したデータでも、子どもを車中に残したまま保護者がクルマを離れ、「キー閉じ込み」の救援要請が8月の1か月間だけで全国200件以上もあったそうです。置き去りにされた子どもの気持ち 私自身も、5歳の時に親に車中放置されたことがあります。といっても父親が知人宅に挨拶に行っている間、1時間ほどの出来事でしたが、かなりの心細さを味わいました。私の場合、車は路上に停められていたので、通りがかりの知らないおじさんに中を覗き込まれた時にゾッとしたのをよく覚えています。 もしあの日が夏で、車の中に強い日差しが入ってきていたら、さらに辛かったでしょう。そして車の中には暇をつぶせるものは何もなく、ただただシーンとした車の中で時が過ぎるのを待つばかり。 途中で耐えきれなくなり、父が戻ってきた頃には私はワアワア泣いていました。そんな私に父は詫びることなく「なんだちょっと待ってるだけで泣いたりして」と叱っただけで、自分がひどいことをしているという意識はまったくなかったのです。米国では車中放置は“ネグレクト” 車の中に置いて行かれた子どもの心細さを思えば、車中に置き去りにするのは育児放棄に近いものがあると私は考えています。放置する親は、最初は「ちょっとだけ」のつもりだったのが、大丈夫だとわかると次第に長時間に延びてしまうのかもしれません。けれど真夏や真冬に車内に長時間放置し子どもの命を危険に晒すようなことは、あってはならないことです。 アメリカでは車中に子どもを置き去りにするとネグレクト(育児放棄)や虐待とみなされ、逮捕されるケースもあります。わずか5分でも認められず、罰金が科される州もあるのです。 それに対し、日本では子どもの車中置き去りに対する罰則はありません。厳罰化が進めば「法律違反なのだ」「逮捕されるかも」という認識が広まり、周囲も注意をしやすくなるのではないでしょうか。車内の生体反応センサーの開発 前述した高松の事件では、車の中が見えないようにとサンシェードで隠していたのだとか。せめて窓から中が覗けていれば、ぐったりしている女の子たちを誰かが見つけることができたかもしれなかったのにと思うと残念でなりません。 隠す親がいるのであれば、救う側はそれを見破る必要があります。車中の生体反応を感知するセンサーの開発も進んでいるそうです。たとえば駐車場の管理人や警察がそのセンサーからのアラートをキャッチできれば、早期の救出も可能なのではないでしょうか。駐車場に保育施設の併設を また、子どもが車内に放置される理由は、パチンコや買い物、そして飲み会などの時が多いようです。私自身も子どもを預け、お世話になっている人の出版パーティーに向かったことがありますが、シッター代は高額なうえに子ども2人だと料金は倍増するため、1万円を軽く超えました。もしかしたら託児費用が払えないため、車中放置する人もいるのではないでしょうか。 だとしたら車中放置する親が多い場所に、無料もしくは格安の託児所の設置を増やすのはどうでしょうか。実際、保育室のあるショッピングセンターはいくつもありますし、無料託児所があるパチンコ店もわずかですがあるようです。保育所の設置は難しくても、駐車場に「車中置き去り禁止」などの注意喚起を貼り出すだけでも歯止めになるかもしれません。自転車のチャイルドシート放置も 近ごろはコインパーキングが増えています。高松市の事件で母親が停めていたのも、繁華街近くのコインパーキングでした。こうした場所は管理人不在のところも多く、子どもが車中放置されていることに気づいてもらいにくいもの。周辺住人や商店街のかたが、繁華街周辺の駐車場を定期的に見守るようにすることで、置き去りの子どもの発見につながるかもしれません。 置き去りは車中だけではありません。眠った子どもを自転車のチャイルドシートに乗せたまま商店の前に放置する保護者もいます。子どもの頭が揺れるたびに自転車が揺れて倒れそうで大変危険です。 私は見つけるたびに倒れないよう自転車を支えるか「この子の親御さんはいませんか」と声をあげています。慌てて駆けつけ、すみませんと謝る保護者もいれば「いちいちうるせえな」とすごまれたこともあります。けれど誰かが声をあげることで防げる事故もあるはずです。 もし車中に放置されている子どもを見つけたら、場合によっては通報する必要もあるでしょう。周辺の人がしばしばチェックすることで、監視されてやりづらいと放置親は感じるようになるかもしれません。その結果、子どもの車中置き去りは少なくなっていくのではないでしょうか。
2020.10.01 07:00
NEWSポストセブン
SNSだけでどんな母親だったか判断できるはずがないのだが
育児放棄の母親をただ罵倒しているだけでは悲劇は防げない
 幼い子供が虐待によって死亡する事件が起きるたびに、保護者(多くは母親)への非難の声が高まる。ネット、とくにSNSでは、攻撃してよいと認められた相手が現れたとばかり、親のSNS履歴などを勝手に解釈して非道な人格をつくりあげ、罵詈雑言をわめきちらす人たちが出現する。大田区蒲田で発生した保護責任者遺棄致死事件をきっかけに、ライターの森鷹久氏がSNSと現実との乖離と、無責任なSNS罵倒民たちについて考えた。 * * * 声すらあげられない小さな命の灯火が、また消されてしまった。 わずか3歳の女児が食事も与えられず部屋に閉じ込められ放置された末に死亡した、東京都大田区蒲田で発生した事件について、区は検証チームを設置したと発表した。定期検診にも訪れなかった事を放置していたのではないか、さらには区の職員が自宅を訪ねたとき中に女児が一人でいたのではないか、といった行政への批判が相次いでいることを受けての対応と思われるが、被疑者である母・S子の生育環境についても議論になっている(S子については実名報道されているがこの稿ではS子と表記する)。「S子自身も、ネグレクト(育児放棄)や虐待を受けていたと週刊誌が報じました。あばら骨が浮くほど痩せこけていた、包丁で切りつけられた、などその内容は凄惨で、S子の両親は共に逮捕されていることが新聞記事でも確認されています。まさに負の連鎖、悪の再生産が起きたのです」(大手紙社会部記者) 筆者は以前、子供への性犯罪とその負の連鎖について取材し、小欄で記事にしている。かいつまんで言えば、子供に性的被害を加えようとする大人自身が、実は過去には同様の被害にあっていたケースが目立つ、という傾向についてである。すべての虐待サバイバーが同じ事を繰り返すわけではないが、悪循環の例がいくつも確認できてしまうため、よく言われるように筆者もそれを「負の連鎖」と表現した。 今回も「ネグレクトや虐待を受けていた母親が、自らの子供にも同様のことをやってしまった」という文脈で語られているが、違和感がある。被疑者であるS子は、ある一時期までは確かに、愛娘を可愛がり、人並み以上の愛情を注いでいたのである。「S子は施設育ちとは思えないほど明るく、そして可愛くて、男女問わずモテた。ちょっと天然なところはあるけど、S子のことを悪くいう人間はこっち(宮崎)にはいない。子供もとても可愛がっていたし、虐待するなんて絶対にありえない」(宮崎在住のS子の後輩) S子を庇うのは、S子に可愛がられたという後輩だけではない。高校時代の友人も、S子にはよいイメージしかないと強調する。「S子はSNSに、子供との写真を頻繁にあげていました。以前は、離婚したと思われる男性の写真もあった。このアカウントは鍵付きで外からは見られません。S子は鍵のついていないオープンなアカウントも持っていて、そちらは確かに遊びの写真ばかりだったから、ネットの情報しか知らない人たちは文句を言っている。でも私たちは、相変わらず優しくて可愛くて、子育ても頑張りモテてるんだろうと思って見ていた」(S子の地元・宮崎県在住の高校同級生) 実際、S子が愛娘に手を挙げた形跡はない。だが遺体で発見された時、子供の胃は空っぽだったというから、暴力を伴う「虐待」ではなくネグレクト、育児放棄だったのだろう。もちろん、ネグレクト自体も「虐待」そのものである。それでも、彼女は決して冷酷な人間ではなかったと高校時代の同級生が続ける。「S子本人は自分の育った環境のことは言わなかった。いまこうやって子供時代に虐待されていたと聞いて、彼女のこれまでのことを思い出しても、暴力的な一面は見たこともない。本当に大切に子育てしていました。ただ、彼氏や気になる男性ができた時、少し不安定になっていた部分はあったかもしれない。人への気遣いはあったが、自分のこととなると、周りが見えなくなるような…」(S子の地元・宮崎県在住の高校同級生) 愛娘が亡くなった時も、S子はかつて職場の同僚だった男と共に、鹿児島に滞在していた。リアルで彼女と接していた人に対しては、思いやり深さや面倒見の良さを発揮しているから、まさか子供を放置しているとは想像もつかなかったことだろう。いったい、どちらがS子の本当の姿だったのか。おそらくどちらもS子そのものだったはずだ。人間は矛盾した内面を抱えながら、どちらとも付き合いながら生きるものなだから。ところが、同級生が感じていた「不安定さ」ゆえに、S子は自分のなかをシンプルな愛情で満たそうとし、娘を育てることと、新たなパートナーと親密になることの両立を妨げたのか。 自分が愛されなかった分、娘を愛そうと懸命に努力をしたS子。ただ、自身が愛される機会があると自分を見失うほど喜び、そこに依存しすぎて自分から子へ愛をそそぐことを敬遠し逃げ出したのではと筆者は考える。同じような現象は、シングルマザーと子供、そこにシングルマザーの彼氏や夫が関与して起きた事件を取材している時、何度も確認した光景だ。子供を抱えて二人きりで生きざるを得なくなると、その直後のシングルマザーは人一倍、子供を可愛がり、育児に熱心になる。ところが、再び自分が愛される機会が訪れると、男に依存し翻弄され、子がおざなりになって悲劇へと転がり落ちる光景を何度見たことだろうか。虐待事件には至らなくても、似たような経過を経て親子関係を壊してしまった事例は多い。 もちろん、子供をないがしろにしない人が大半だ。だが、シングルマザーは社会からの孤立感、金銭的な逼迫を感じやすく、そのなかで自分を一時的にでも尊重してくれる存在をみつけると、子供を含めた自分たちが置かれている状況を見誤りやすくなる現実が確かにある。夫婦でいるべき、離婚すべきではなかった、というそもそも論もあるかもしれない。子を殺める親が悪い、と最終的に起きた出来事だけで断じることもできる。ただその前に、今危機に晒されている子供たちを守ることを考えたら、予防策にあたる働きかけは必要だ。 実は、千葉県野田市で起きた児童虐待死事件などを受け一年前に可決された改正児童虐待防止法と改正児童福祉法が2020年4月から施行されている。そこでは、たとえしつけであろうとも「親による体罰禁止」「児童相談所の体制強化」など、子供を守るための内容が明文化された。ところが現状はと言えば、世間があまりに感情的になりすぎ、子供への逆的事件が起こると加害者である母親叩きに終始するばかり。さらにこの法改正には問題点も多く、体罰を禁止されているのは親権者のみで交際相手などについては言及がなく、ネグレクトについてはそれを防止する実効性ある変更は今回もない。個々の事案の担当者と、運まかせのままだ。だが、これら積み残された課題について積極的な議論がなされるような向きはない。 結局、根本的な原因を見誤り、議論らしきものすら傍に置かれ、いつものように、一ヶ月も経てばこの事件は多くの人の脳裏から消えるだろう。 攻撃できる対象だと、見せかけの事実だけで判断し、登場すると我を忘れて皆で叩く。その熱狂こそが真実を歪め、結果として被害者も浮かばれなければ、新たな悲劇の発生も防げない。今、私たちがやっていることがいかに無益で虚しく、そして有害か、見つめ直したい。
2020.08.01 16:00
NEWSポストセブン
(写真/時事通信社)
「赤ちゃんポスト」の真実に迫る――母親はなぜ預けたのか
 赤ちゃんを遺棄や虐待から救う、命を守る。崇高な理念を掲げて設立された。それから13年、155人の子どもが預けられた。赤ちゃんポスト、それは新聞やテレビドラマで数多く取り上げられた名称だ。しかしあなたは赤ちゃんポストの“真実”をどこまで知っているだろうか。このたび地元・熊本で取材し続けたジャーナリストで『赤ちゃんポストの真実』著者の森本修代氏が、ある問いを投げかけた。なぜ母親は子どもを預けたのか。預けられた子は“その後”何を想うのか。改めて命を考える渾身のノンフィクション。◆「幸せになってね」前日に産んだわが子の姿をその目に焼き付けて 10年近く前のことだった。一人の女性が前日に産んだばかりの赤ちゃんを抱えて、熊本市内の病院を訪ねた。目指したのは病院の一角にある「赤ちゃんポスト」だ。わが子との別れを決意していた。その姿を目に焼きつけて祈った。「幸せになってね」 赤ちゃんポストは2007年5月、前年に発覚した乳児遺棄事件をきっかけに熊本市の慈恵病院に設置された。「遺棄や虐待から救う」ことを目的とする。正式名称は「こうのとりのゆりかご」。親が育てられない子どもを匿名で預かる。2020年3月までの約13年間で155人が預けられている。 赤ちゃんポストに子どもが預けられた場合、戸籍法に基づき「棄児」(捨て子)と位置づけられ、児童相談所(児相)と警察に報告される。児相は親を捜す調査をするが、それでも身元が分からない場合、親の名前が空欄の一人戸籍が作られ、姓名は熊本市長が定める。ちなみに身元が判明しない子どもは健康保険に入ることはできず、医療費は熊本市が負担する。 よくいえば慈恵病院の信念に基づいた孤軍奮闘によって、より現実的にいえば現行法では扱えず、グレーゾーンで運用されている。 私は地元紙の記者をしている。ポストは、大手メディアによって大々的に取り上げられ、認知度も高い。だが、一度預けられた後は、匿名性という壁のもと「その後」を追うことは困難だ。母はなぜわが子を預けたか。その子はいま何を想うか。取材したかった。 細い糸を伝うようにして、「預けた人」である女性に接触できたのは、2019年10月のことだった。 時間通りに、理恵さん(仮名)はやって来た。幼稚園に通う2人の男の子を連れている。小柄な体に、白地に青のボーダーが入ったニットとジーンズ。化粧は薄く派手さは全くない。男の子の一人は任天堂のゲーム機、スイッチを手にしている。その子は「コンセントはどこ? もう1%しかない」と言い、コンセントを見つけて充電を始めた。「充電していいですかって聞いた? ちゃんと聞いてからよ」 この人が、本当に赤ちゃんポストに子どもを置いたのだろうか。私も2人の息子がいることを伝えると、理恵さんはさっと顔を上げた。「男の子2人って、大変ですよね」 理恵さんと私は男の子の子育て「あるある」をしばらく話した。そしておもむろに「この子たちにはお姉ちゃんがいて、ゆりかごに預けたんです」と話しだした。◆「ばれたらどうしよう」──そこには誰にも言えない大きな問題があった。 熊本市の発表によると、2019年3月までの約12年間で預けられた子ども144人中、推定で生後1か月以内の新生児は118人。うち1週間以内の早期新生児は76人。生後1年未満の乳児18人。1歳を過ぎたとみられる幼児も8人いる。接触できた親に聞いたところ、預けた理由で最も多かったのが「生活困窮」で、次いで「未婚」「世間体・戸籍に入れたくない」「不倫」と続く。誰にも言えない人たちの「駆け込み寺」として機能する側面がある。また、北海道や関東など全国から預けられている。 理恵さんはなぜ子どもを預けたのか。理恵さんは結婚して既に5年以上過ぎていたが、なかなか妊娠しなかった。「もう子どもはできないかもしれない」と半ば諦めかけていた。妊娠に気づいたのは、夫と別居して実家に帰っていたときのことだった。生理が遅れ、「もしかしたら」と思った。子どもが欲しかったので、「正直、うれしい気持ちもあった」と振り返る。ただ、大きな問題があった。子どもの父親が夫ではないことだ。「ばれたらどうしよう」 喜びと不安に揺れた。妊娠したかもと思いつつ、市販の検査薬を使って調べることはしなかった。「現実を見なければいいというか、問題から逃げてしまったんです」 おなかが大きくなり、動きを感じるようになって妊娠を確信した。「それでも誰にも言いませんでした。言ったらいけないと思い込んでいて」 もともと細身の理恵さんが大きめの服を着ると、おなかの大きさは目立たなかった。周囲には隠し続けたという。「隠しているのに、誰か気づいてくれないかなという気持ちもありました。甘い考えなんですが、誰か気づいて、『子どもを育てていいよ』って言ってくれないかなって」 理恵さんが掛けてほしかった言葉は、意外にも「育てていいよ」だった。赤ちゃんポストはテレビで見て知っていた。妊娠中、慈恵病院のホームページを何度も見て、産んだら熊本へ連れて行こうと決めた。理恵さんは最終月経から、「十月十日」となる出産予定日を計算していた。その2日前の午前5時ごろ、おなかが痛みだしたが、病院に駆け込むことはしなかった。「江戸時代は家で産んでいたはずだって自分に言い聞かせていたんです。私にもできるはずって」 誰にも頼らず、たった一人で理恵さんは子どもを産もうとした。里帰り出産した姉が置いていったベビー服を引っ張り出した。陣痛が始まってバスタオルとビニール袋を、風呂場に備えた。「おなかがすっごく痛かったんです。すっごく痛かった」 理恵さんはあまりの痛さに携帯電話を取り、慈恵病院にかけた。午前11時ごろだった。「つなぎますからお待ちください」と言われたが、待っている間に自分から切った。「何て言っていいか分からず、怖くなってきて…」「救急車を呼ぼうとは?」と尋ねると、理恵さんは首を大きく横に振った。「救急車だなんて(思わなかった)! でも、手元にずっと携帯電話を置いていたんです。誰か助けに来てくれないかな、という思いはあったと思います」 午後1時ごろ、赤ちゃんが生まれた。「袋に包まれていたんです」と言って、理恵さんは両手で円を描いた。破水せず、卵膜に包まれた状態で生まれてきた。「被膜児」(幸帽児)と呼ばれ、珍しいケースだ。「被膜児」は縁起がいいとされ、子どもは幸運に恵まれるという言い伝えがある。理恵さんは「袋があったから、衝撃が和らいだと思う」と話す。取り上げる人もいない状態で産み落とされても風呂場の床に頭を強打せず、生きていたことは幸運そのものだった。 理恵さんは袋を破って赤ちゃんを取りだした。女の子だった。「泣かせなきゃいけない」と思って胸をたたいて刺激を与えたところ、小さな泣き声を上げ、ほっとした。「かわいい」。赤ちゃんを見たとき、そう思った。出産できたことにうれしい思いもあった。その一方で考えた。「この子の未来はどうなるのだろう」 へその緒を洗濯挟みで留め、はさみで切断したところ、血が一気に噴き出した。頭から全身が血まみれになり、壁にも飛び散って動転した。風呂場も血だらけだ。 まずは自分の体についた血を流すため、起き上がろうとしたが、意識を失って倒れてしまった。意識を取り戻すと、シャワーが出しっ放しになっている。赤ちゃんを抱え、はうようにして2階に上ったところでまた倒れた。赤ちゃんに怪我がなかったのは運がいいとしか言いようがなかった。午後3時半ごろ、母親が帰ってきた。もう隠すことはできない。「実はさっき、一人で子どもを産んだ」と告白した。 母親は「ちょっと買い物に行って来る」と言って出掛け、おむつとミルク、ほ乳びんを買ってきた。母親は理恵さんの妊娠にうすうす気づき、「いつ話してくれるのだろう」と思っていたという。告白を受けても、一切問いたださなかった。 その日の夜、理恵さんは赤ちゃんをずっと抱っこして過ごした。◆「親のことは知りたいです」──ポストに預けられ、成長した少年は正直に言った。 翌日、赤ちゃんを車に乗せて、母親の運転で熊本の赤ちゃんポストを目指した。建物の脇に扉があるのを見つけ、そっと開いた。赤ちゃんを置き、扉を閉めた。 数メートル歩いたところで「待ってください」と呼び止められた。背後から3人ほどが走ってきた。「まさか声を掛けられるとは思っていなかったので、驚きました。逃げようとは思いませんでした。すべてを話すときが来た、と。ホッとしたような気持ちです」 赤ちゃんポストは「匿名性」が謳われている。だが、現場の状況やスタッフの判断次第で、声を掛けることもあるという。 慈恵病院にかつて勤務し、ポストも担当していた助産師・下園和子さんは言う。「もし自分がこの赤ちゃんだったら、親は誰なのか、自分はどんな人に助けられたのか、知りたいでしょう。でも、戸籍を調べても親の名前はありません」 だからできるだけ親や子どもの情報を得ようと努めた。「預けに来る人は何らかの問題を抱えているはずです。その問題が何か分からなければ、解決の糸口も見つからないじゃないですか」 下園さんは、赤ちゃんが置かれたときの記録には、写真をつけたという。赤ちゃんだけを撮るのではなく、看護師に抱っこされた姿を撮影した。「抱っこしてかわいがっていた人がいたんだよ、と赤ちゃんに伝えたかったんです」 下園さんによれば親がいない赤ちゃんたちを、看護師たちは積極的に抱っこしたという。「私が引き取って育てたい。家族に話してみる」と言い出すこともあった。しかし、ポストに置かれた子どもは前述の通り、児相が保護するのが決まりだ。その後の処遇も児相が決める。 ちなみにポストに預けられた子どもを扱っていた、熊本県中央児童相談所の元児童相談課長の黒田信子さんは「児童福祉の立場では親を捜すのは原則。わずかな手掛かりを基に調査しました」と話す。病院に置かれていた手紙や赤ちゃんの所持品などから親が判明するケースがある。 理恵さんは幸いにして子どもとのつながりを失わずにいまに至るが、親との接点が完全に失われた子どもは26人(2017年3月時点)を数える。 私は、ポストに預けられ、その後、里親に育てられた男児を取材したことがある。10代の活発な少年に成長した彼は、「ゆりかごがあったから、ここの家に来ることができて、いまの生活があります。ゆりかごに入れられたことは、自分の運命だった。いまのお父さんとお母さんに会えてよかったです」と快活に話した。一方で、実の親について訪ねると、正直にこう話す。「親のことは知りたいです。教えてほしいです。大人になっていくにつれ、自分がどうやって生まれてきたのか、どういう父と母の間に生まれてきたのか、知っている方が自分のためになると思います」 彼はルーツを知らずに育つことへの漠たる不安を口にした。生活への満足や人生における幸福とは別の文脈で、それは存在しているのだ。成長したからといって消えていくものではない。彼は、いまもポストに入れられたときに着ていた服や靴を大切に保管していた。 出自を知る権利は世界的に保障されるべきものとされているなか、ポストの危うさを指摘する専門家の声は絶えない。ただし、慈恵病院もさまざまなリスクを承知した上で、ポストを運営しているということも補足しておきたい。慈恵病院は、困った母親が頼る「最後のセーフティネット」としてポストを位置づけながら、予期せぬ妊娠に悩む母親からの相談を全国から受けている。 ポストというシンボルを持つことで女性たちは慈恵病院を頼ることになる。それが遺棄や虐待を未然に防いでいるともいえるだろう。◆「罪の意識はあります」──子どもの誕生日には心の中で祝い、その年を数えて 理恵さんに話を戻したい。「あの時、声を掛けてもらったから、私はあの子の消息を聞くことができ、つながっていられるんです。なんだか、救われた気持ちです。あの時、逃げなくてよかった。慈恵病院ではいたわってもらい、とても優しい言葉を掛けてもらいました。ゆりかごに助けてもらいました。車で数時間で行ける熊本にゆりかごがあってよかったです」 名乗らずに子どもを置いていける赤ちゃんポストを目指した理恵さんだが、声を掛けられたことに「感謝しています」と言う。「子どもを置くことはいいことではないと分かっているんです。だから罪の意識があります。あの時逃げていたら、ずっと区切りがつかず、置いた子どものことを考え続け、罪の意識を抱えて心を病んでいたと思います」 私は二つの相反する問いの中で行ったり来たりした。匿名で子どもを置ける場所があったから救われたのか。結果的に匿名ではなくなったから救われたのか。 目の前の理恵さんは「子どもを産んだことを、なかったことにはできない」と言った。子どもの誕生日には心の中で祝い、その年を数え、袋に包まれていた姿を鮮明に思い出す。 いま何をしているか、寂しい思いをしていないか。彼女は、わが子を案じ、その幸せを願う「ごく普通のお母さん」だった。私は赤ちゃんポストに子どもを預ける人について「子どもを育てたくなかった人」だと一方的に思い込んでいたことに気づき、自分が恥ずかしくなった。 理恵さんは「ゆりかごがあってよかった」と何度も繰り返した。この言葉は本心からのものだろう。だが、「ポストがなかったらどうしていたと思いますか」と聞くと、「自分で育てていたと思います」という答えが返ってきた。 彼女に必要なのはポストだったのだろうか。本来ポストが必要ない親たちに、子どもを手放す選択肢を与えてしまっていることもあるのではないか。どうしても考えてしまう。 たとえばこれまでに障害児が10人以上いる。この中に外国人が複数おり、中国から連れて来られた障害児も含まれている。 生まれたら赤ちゃんポストに置こうと思い、妊婦健診も受けないまま、自宅出産しているケースもある。熊本市がポスト検証のために設置した専門家による専門部会は、医療の介助を受けない出産を「孤立出産」と呼び、ポストの存在が孤立出産を誘発している可能性があると指摘している。こうした点をもって、ポストが安易な育児放棄を助長していると非難することはたやすい。しかし私は取材を続けるなかで、別の視点を持つようになった。 全国からポストを訪ねてくる母子がいることにしても、障害児が預けられていることにしても、一民間病院や地方自治体が受け止めきれる問題ではないはずだ。国や法律が対応すべき課題である。それが機能していないからこそ、ポストが求められている。そうした現状に、もっと光をあてる必要があるのではないか。◆「もし、望んでくれるなら」――預けた娘への気掛かり ポストを利用する母親は追い詰められ、迷い悩んでいる。熊本市が設置したポスト検証のための専門部会部会長である山縣文治・関西大学教授は、シングルマザーへの偏見や男性からのDVを指摘する。「母親に子どもを育てる意思があっても、父親が命令して子どもを置かせるケースもあります。男女間に上下関係があって女性は逆らえず、男性が逃げ得しているケースも少なくありません」 ポストに関連し、ある医師からは、「自宅で孤立出産する女性の中には精神障害や知的障害、発達障害などの人が一定数いる」と聞いた。彼女たちは妊娠したことにすら気づかず、どうしていいのかも分からないという。「関係者が情報を共有し、その女性を支える仕組みが必要です」と医師は語った。 実際に預けた理恵さんに「ポストに子どもを預けようと考える人に、何を言いたいですか」と聞いた。「とにかく誰かに相談してください。一人で考えても何も始まりません。助けてくれる人はいます。相談してください、と言いたいです。助けを求めていいんだって」 これに関連づけていえばポストは、たしかに「助けを求めていい」というメッセージを発信しているだろう。しかし本来、人を助けられるのはポストという場所ではないはずだ。人であり、社会のはずだ。ではどうすればいいのか。すぐに答えは出せないが、少なくともそうした役目をポストに担わせたまま、「美談」として報じることは避けたいと、私は思っている。 最後に理恵さんの「その後」の話をしたい。 ポストに預けた子どもは、住んでいる県の児相によって乳児院に預けられた。理恵さんは出生届を出すように言われたが、市役所では出産に立ち会った医師や助産師が書く出生証明書がないとして受理されなかった。このため法務局まで行って事情を説明した。乳児院では子どもとの面会は1週間に1回だけ、時間も1時間だけと決められた。「子どもが近くにいるのに、会う時間も限られ、何もできないことがつらかったです」 早く養親のもとに行ってほしい。両親がそろった家庭で愛されて育ってほしい。そう願ったが、面会も限られ、なかなか養子縁組の手続きが進まず、児相に対して不信感を募らせた。ある日、児相の職員が持っていた理恵さんに関するファイルに、「ネグレクト」と書かれているのを見て驚いた。ネグレクトとは養育放棄のことだ。「私ってネグレクトなんですか」 そう聞くと、職員は「何か分類をつけなきゃいけないので、つけているだけです」と答えた。役場や法務局の担当者とのやり取りは事務的かつ煩雑で、児相職員にも不信感を募らせた。結局、娘は生後6か月で養親に預けられ、いまは別の養親に育てられている。「一貫して同じ人に育てられていないことが気掛かりです。手放したいまは祈ることしかできません。幸せになってほしいと祈っています。いまの養親さんはしっかりした方だと聞いて安心しています」 娘は、先に養子となったきょうだいとともに暮らしている。養親は「元気に大きくなっています」「上の子のまねばかりしています」と話しているという。そんな話を伝え聞くと、「とてもうれしい」と理恵さんは言う。「会いたいですか」と聞くと、うなずいた後、表情を曇らせた。「会いたい気持ちはもちろんありますが、養親との関係を考えると、私の方から会いに行ってはいけないと分かっています。娘が成長して、私に会いたいと望んでくれるなら、会いたいと思います。もし、望んでくれるなら」※女性セブン2020年7月16日号
2020.07.08 07:00
女性セブン
4年半前に入籍していた…
大東駿介120分告白「子供3人います」、極秘別居婚の理由とは
「家族をつくることが怖くて…でも子を堕胎する選択もできませんでした。彼女から妊娠を知らされたとき、『あなたは変われるの?』と聞かれて『ごめんなさい、変われません』と答えました。妻には申し訳ないのですが、『一緒には住めない』と伝えたうえで、籍を入れたのです」 意を決した表情でこう語るのは、俳優の大東駿介(34才)だ。現在放送中の『浦安鉄筋家族』(テレビ東京系)では、個性的な小学校教師役を怪演し話題。NHKの大河ドラマ『いだてん』では、水泳金メダリストの鶴田義行役を体当たりで演じた。 2005年のドラマ『野ブタ。をプロデュース』で俳優デビュー以降、映画にドラマに引っ張りだこの実力派俳優である。 だが、冒頭の言葉はドラマのせりふではなく、本人の私生活についての独白だ。過去のインタビューでは《仕事も結婚も出会いとタイミングだから、そのときを逃さず対応できる生き方をしていようと思っています》と語っていた大東。どうやら人知れずそのタイミングを手に入れていたようだ。 5月のさる週末。外出先から車で自宅へと戻ってきた大東。その車から真っ先に飛び出したのは、幼稚園に上がる前くらいの男の子だ。まだ足元がおぼつかない別の男の子がその後ろを追いかけ、さらにその後ろを母親らしき女性が追いかける。その腕には小さな男の子が抱かれている。大東も除菌グッズとおぼしきものを手にし、4人が入っていった自宅に戻っていった。それは間違いなく、大東一家の姿だった。 過去には、水川あさみ(36才)との交際が報じられたが、ほかに恋の噂はなかった。そんな大東とともに突然現れた妻と子供たち──どういうことかと本人を直撃すると、「3人ともぼくと妻の間の子供です。きちんとお話させてください」と、120分にわたり赤裸々に語り始めた。「入籍したのは4年半前、2015年12月のことです。妻は、知人の紹介で出会った同い年の女性で、飲食業をやられていましたが、いまは専業主婦として子育てに専念してくれています。 ぼくたちは、妊娠がわかった時点で籍を入れました。ただ、ぼく自身、幼少期に家庭が崩壊していたこともあり、そのときには家庭を持つという選択肢が持てなかったんです。そこで、責任は取るし、妻と子供を支えていくけれど、ぼくはぼくで生きていきたいと、妻に了承してもらったんです。そこから別居婚生活が始まりました。妻や子供とは頻繁に会ってはいたのですが…」◆壮絶な生い立ち 大東は、小学3年生のときに父が、中学2年生のときには母も蒸発したネグレクト家庭で育った。一人っ子で頼る人がおらず、空腹を満たすため、自宅に残された小銭で駄菓子を買い、その金が尽きると、学校で担任から菓子パンをもらうなどして飢えをしのぐという壮絶な体験をしていた。その後も、伯母に育てられるなど家庭環境に恵まれていたとはいえない。 2016年に第1子が生まれた後、2人目、3人目と生まれるが、家庭を持つという選択からは逃れ、別居を続けた。「2人目は計画的でした。ぼくがいられない分、家族という形をつくってあげたかった。お前が家族になれ、というお叱りの声があるのはわかるが、長男にとってもいちばんの理解者として、きょうだいがいるといいんじゃないかと思ったんです。 自分は家族という言葉にどうしても拒否反応があって、誰かが家でぼくの帰りを待っているというのがダメだったんです。家庭が崩壊する様を身をもって知っているので、あるものがなくなっていく絶望を子供に味わわせるくらいなら、初めからつくりたくなかったんです」 身勝手な言い分にも聞こえるが、家族の形は家族の数だけあるということでもある。ただ、それは別として、事実を隠す必要はなかったのではないか。「保身…だと思います。隠していれば自由だと勘違いし、それで自分を守れると思っていたんです。すべてを話せば、いま幸せに暮らしているある女性や子供たちを傷つけることになるから隠していた部分もあります。 いくつかのメディアで報道されていた通り、水川さんと交際していた時期がありましたが、当時はすでに入籍していました。結婚の事実を隠しながら水川さんとつきあって、何も伝えないままに別れたわけで、後々それが公になったらどれほど世間に叩かれるんだろう、どれだけ相手が傷つくだろうとも考えました。だから(笑福亭)鶴瓶師匠や中井貴一さんなどお世話になっている芸能界の先輩、地元の友人、育ての母である伯母も含め、誰にも言わずに隠し続けてきたんです」 しかし、昨年から今年にかけて心境に変化が起こる。「(2020年2月に公開された)映画『37 セカンズ』の現場での経験や、鶴瓶師匠とお話させていただく機会をいただくなかで、過去の生き方に縛られている自分を捨てようと。そして、いまの状況を隠している自分が情けなくなってきました。 そういうときに新型コロナがあって、もう、自分の生き方や弱さを言い訳にはできない、これから家族として正しい形になろうと腹が決まりました。妻の両親にも、テレビ電話で報告し、安心してもらえました。今年の4月から新居に引っ越し、家族5人で暮らし始めています」 そうやって家族について語る大東は、どこか吹っ切れたようにも見える。長く続いた話を、こう締めくくった。「あるとき、長男に“パパの友達に会ったことないね”と言われたときに、隠していることが不甲斐ないって感じて。昔、加藤浩次さんのご自宅にお邪魔したときに、加藤さんが“家族こそが絶対に裏切らない仲間だ”と仰っていたんです。それを聞いたときは、意味が全くわからなかった。でも、いまはすごくわかります。家族は仲間です。これからも自分なりにではありますが、妻には感謝し、子供には愛情を注ぎながら家族というものと向き合っていこうと思います」 隠すものがなくなった34才は、どんな再スタートを切るのだろうか。※女性セブン2020年6月18日号
2020.06.04 07:00
女性セブン
コロナ禍のストレスで追いつめられ…。親と子のSOSが急増(写真/PIXTA)
外出禁止でわが子を虐待してしまいそう… そんな時の対処法
“もう限界”――毎日のようにインターネット上の窓口に寄せられる相談の中に、この言葉が何度も登場している。感染リスク、休校、在宅勤務、収入など、過去に前例のない大きなストレスに襲われた母親たちの悲鳴だ。わが子にいら立ちを爆発させる前に、母にできることとは。 長い自粛生活で、日本中の人々が大きなストレスを抱えている。一日中家の中に閉じこもって家族と顔を突き合わせていると、ストレスの発散もままならない。親たちも苦労が絶えないが、追い詰められた親たちの“はけ口”になるのはいつも子供だ。 5月12日、厚生労働省は、1~3月に全国の児童相談所が対応した虐待相談件数が前年より1~2割増加したことを発表した。 児童相談所に限らず、虐待防止のためのNPOや民間団体などにも、「わが子を虐待してしまいそう」「虐待してしまった/された」といったSOSが急増しているという。◆4月の相談件数は3月の3倍に NPO「あなたのいばしょ」は、悩みを抱えた人が誰でも気軽に相談できるように、24時間365日、チャットでの相談を受け付けている。慶應大学3年生で代表の大空幸星(こうき)さんは、4月に入ってから相談件数が増えていると話す。「平均して1日に約200件の相談が寄せられる中、新型コロナの影響による家事や育児のストレスを訴えるかたが増えています。実際に虐待したのではなく“虐待してしまいそう”という相談だけでも、4月は3月の3倍です。“虐待の一歩手前でなんとか踏みとどまっている”という声が多い」(大空さん・以下同) 実際の相談を見てみると、母親の行き場のない思いが伝わってくる。《自粛生活が長びいてイライラしています。在宅ワークをしていますが、子供も休校で家にいて、日に日にストレスが増していって、どうやって過ごしたらいいかわからなくて。今日、子供とウマが合わず家を出ました。いま、ひたすら歩いています。不安です》 この相談者と同じく、多くの母親は、自分が“虐待の一歩手前”にいることを自覚していると、大空さんは言う。「“子供に話しかけられただけでイライラする”という母親も多く、“このままではダメだとわかっているのに、どうすればいいかわからない”という切実な思いが伝わってきます」 一方で、本当に限界を超えてしまった母親もいる。生後2か月の子供を育てる母親は、「あなたのいばしょ」に悲痛な思いを明かした。《リモートワークと外出自粛でイライラして、赤ちゃんを叩いてしまいます。その場から離れても、戻ってきたときにまだ泣いていると、やっぱりイライラしてしまう。絶対にダメだとわかっているのに、今日、子供を乱暴に床に置いてしまいました》 大人は前述のような暴力やネグレクトといったわかりやすい行為にばかり目がいくが、一方で、子供たちから届く相談は「死ねと怒鳴られた」「家から出ていけと言われた」といった心理的虐待に関するものも多い。《両親の喧嘩が収まりません。家が狭くて、逃げ場がない。外も、家も怖いです》《お父さんがお母さんをなぐります。わたしにできることはありますか》── 両親のけんかや暴力を毎日見せることも、立派な虐待だ。◆どんな親だって虐待の可能性がある 積もり積もったストレスを子供にぶつけてしまう、子供の目の前で爆発させてしまう──温かいはずのわが家が“コロナ虐待”の現場になってしまうのはなぜなのか。母娘関係専門カウンセラーの高橋リエさんは「子供に理不尽に怒りをぶつけてしまう原因は“過去の恐怖”」だと話す。「ご自身の子供の頃を思い出してください。ほとんどの人が親から“なんでこぼすの!”と叩かれたり、“早くしなさい!”と怒鳴られたりした記憶があるはず。いまは“厳しくしつけてもらった”“苦労をかけた”と親に感謝していても、子供の当時は“怖い”“痛い”“嫌だ”などと強く思ったはず。どんなに親に感謝していても、怖い思いをした記憶とは別物で、大人になっても消えません。 自分の子供がかつての自分と同じシチュエーションになると、無意識にわが子とかつての自分を重ね合わせ、“怒られて怖かった”という思いがわいてきます。すると、恐怖に対処するために怒りの感情となって勝手に表れるんです」(高橋さん・以下同) 虐待の“素養”は、誰にでもあるということ。いまのストレスフルな状況が恐怖に拍車をかけ、虐待を招いているのだ。◆目をそらさず子供の顔を見つめてわれに返る 多大なストレスを理性で抑え込む苦労は並大抵ではない。わが子に向けないためには、どうすればいいのだろうか。「親に厳しく叱られた」という当たり前の体験が原因になっている以上、打開策は“対処療法”しかない。 過去の恐怖と怒りでわれを失っているのを、強制的にクールダウンさせるには、いちど怒りから“意識をそらす”のがいい。「例えば、手が出そうになったら、冷蔵庫の扉を両手で触ったり、氷を握りしめたりして冷たさを感じる。太ももなどを軽く叩いて痛みを感じる。“部屋の中にある赤いものを数える”など、自分の五感に集中するような行為は、気持ちを落ち着かせてくれます」 お小言がいつの間にか暴言になってしまう、延々と説教をしてしまうという人は、意識を子供に向けるといい。「30分以上も説教し続けているようなときは、たいていが自分の感情をコントロールするための“デトックス”になっている。目の前にいるわが子の顔をよく見てください。愛おしく思う気持ちを思い出して、冷静になれます」 それでも、どうしてもカッとなってしまうこともあるだろう。「自分は悪い親だ」などと絶望すれば、あなたの恐怖や焦りは余計に膨らむ。わが子に真摯に向き合い、本当の気持ちを伝えてみてほしい。「“叩いてごめんね、痛かったね。お母さんが怒りすぎちゃった。〇〇ちゃんが悪いんじゃなくて、お母さんの問題だからね”と謝りましょう。“あなたは悪くない”“私はあなたを大切に思っている”“カッとなって人を傷つけることは間違いだ”と伝えて。きちんと話せば、幼くても理解できます。ちゃんと伝えてあげないと、子供が自分を肯定できないまま育つため、将来、人の顔色ばかりをうかがうようになってしまう」 ストレスや不安の逃げ道をつくっておくことも必要だ。「家から出られないなら、子供から見えない場所で、クッションなど柔らかいものを投げるのも1つの手段。児童相談所に連絡すると“しばらく様子を見て”と言われ、すぐに対応してもらえないこともある。その場合は、自治体の保健センター、子育て支援の窓口やNPOなどに相談するのがいい。保健師などが相談に乗ってくれます。 プロに助けを求めることに抵抗があるなら、SNSでつぶやいたり、友人に電話やLINEで吐き出したりしてもいい。ひとりで抱え込むことだけは避けて」 もしあなたが一線を越えそうなら、すべきことはがまんではない。ここに記した対処法を試してみてほしい。※女性セブン2020年6月4日号
2020.05.26 16:00
女性セブン
動画『外出自粛で高まる家庭内の虐待リスク』(「THREE FLAGS 希望の狼煙」より)でその危険性を訴える西坂さん。相談窓口も多数紹介している
外出自粛の弊害 連れ込み性犯罪、DV、ネグレクトの危険あり
 新型コロナウイルス感染防止のための外出自粛が求められるなか、家庭内暴力の危険度が高まっている。 子供の前で親が配偶者に暴力を振るう「面前DV」の経験者で映像作家の西坂來人さんは「長期にわたる休校は考えただけでゾッとする」と語り、YouTubeに『外出自粛で高まる家庭内の虐待リスク』という動画を掲載して注意喚起をしている。「虐待がはらむ大きな問題は当事者にはそれが異常な状況だと理解できず、学校の先生など周囲の大人に指摘されるまで気づかないことです。子供はしつけの延長で叩かれることが多く、自分が悪いと思ってしまう。特に小学生以下の小さな子供は“虐待されても親のことは好き”というアンビバレントな感情を抱いていることも多く、自ら発信することが非常に難しいといえます」(西坂さん) 恐怖心からSOSを出せないケースも目立つ。「ぼくの場合、父が酒を飲むと母に暴力を振るっていましたが、誰かに相談してそれを父が知ればもっと怖くなると思い、がまんするしかありませんでした。だからこそ虐待には第三者の気づきが大切です。いまは休園休校や外出自粛で子供とかかわる大人が少なく、多くの虐待が発見されにくい状況になっています」(西坂さん) 実際、東京都児童相談センターに問い合わせたところ、「休校によるきょうだいげんかが増えたなどコロナに関する相談内容もあるが、件数が増えているという実感はない」という回答だった。しかし地域によっては相談件数が増えているところもあり、予断を許さないことは間違いない。加えて、この特殊な状況だからこそ起こり得るケースもある。「親が小さな子供を置いて外出することが心配です」 そう指摘するのは認定NPO「児童虐待防止全国ネットワーク」理事の高祖常子(こうそ・ときこ)さんだ。「いまは“子供を連れて買い物に行くな”という風潮のため、親が家に子供を放置してスーパーに行く可能性があります。しかし乳児であれば寝返りを打ったときに口がふさがれてしまったりと目を離したすきに何が起きるかわからない。こうした“放置行為”は日本では見逃されがちですが、海外ではすぐに通報される。これもネグレクトにあたります」(高祖さん) もう少し成長した子供であれば「ステイ・ホーム」が性犯罪につながる恐れもある。公益財団法人「あすのば」代表理事の小河光治さんはこう話す。「カラオケボックスやネットカフェなど安価で長時間ひとりで過ごせる場所は軒並み閉鎖されており、家に居場所がない子供たちは社会のなかで比較的安全な場所からも締め出されてしまっている。このため『ウチに来たら?』との誘いについていき、性的暴行などを受けることも起こり得ます。子供が事件に巻き込まれるとよく『なんで夜遅くに外にいたんだ』と批判されますが、子供たちには家にいられない理由があるのです」※女性セブン2020年5月21・28日号
2020.05.20 07:00
女性セブン
学校を変えた西郷校長もついに引退
中学生への接し方、母親の過干渉はあまり問題ないが父親は問題
 すべての校則は廃止、定期テストもない、授業中のスマホ利用もOK──あまりにも自由な校風で話題となった東京・世田谷区立桜丘中学校。2010年より同校の校長を務めた西郷孝彦さん(65才)が、この3月に教員生活を終える。教育評論家の尾木直樹さん、麻布学園理事長の吉原毅さんとともに、新書『「過干渉」をやめたら子どもは伸びる』を4月2日に上梓する西郷さんが親の過干渉について語った。◆父親の過干渉が子どもの自尊感情をそぐ 自主・自立を促す桜丘中学校にあって、親の理解が得られない場合もある。西郷さんはこう話す。「少し前の話ですが、父親の希望で音楽関係の高校に進学した生徒がいました。娘に音楽の才能があると思った父親は、バイオリンの英才教育を施していた。学校の音楽の成績が落ちると、“不当評価だ”と言って、学校に怒鳴り込んでくることもありました。 進学先も父親が“この高校に行け”と決めてしまった。父親は気づいていなかったかもしれませんが、彼女は日々、無気力になっていきました。まるでロボットのように、指示されるがまま演奏するだけ。ネグレクトの子どもが、わが身を守るために自ら考えることを停止してしまうのと同様の状態に陥っていました」 芸術やスポーツにしろ、勉強にしろ、親がわが子に過剰に強要することを、昨今では「教育虐待」と呼び、問題視されている。 教育ジャーナリスト時代、世田谷区長の保坂展人さんはこんなケースに遭遇したことを話してくれた。「母親が“あのレベル以上の高校に進まなければダメよ”と言い、挙げ句、入試に失敗してしまったわが子に向かって、“お前の人生は終わった”と言い放った。結果、家庭内暴力に発展してしまったのです。 わが子をあたかも自分の分身のように錯覚してしまう。この思い込みが教育虐待を生み出してしまうのでしょう。子どもと親は、別個の人格です。子どもは親の所有物などでは、決してありません」 最近では、2016年にも、名古屋市で父親が中学受験を控えた小学6年生の長男に対し、刃物で脅して勉強を強要し続け、ついには胸を包丁で刺して殺すという痛ましい事件が起こった。これも過干渉ゆえの教育虐待といえるだろう。 親の過干渉、なかでも父親のそれは、子どもの自尊感情に悪影響を及ぼすと西郷さんは言う。自尊感情は一般的に自己肯定感とも呼ばれ、桜丘中学校では教育学の専門家の協力を得て、親の干渉の程度と自尊感情の関係を研究している。あくまでも同校の調査によるものだが、結果は意外なものだった。「母親の過干渉の度合いが強いことは、子どもの自尊感情に影響はほとんどなかったものの、一方で、父親の過干渉が強いと、子どもの自尊感情が低いという結果が報告されました」(西郷さん・以下同) つまり、普段から一緒に過ごす時間が多い母親は、口うるさいのが当たり前だと子どもが認識している。ところが、たいていの父親は、母親にくらべて子どもとの接触が少ない。そんな父親からいきなり口うるさく言われると、子どもの人格形成に悪影響を与えてしまうのだ。「こうした口うるさい父親は、高学歴の場合が多く、社会的な高い地位にいる人も少なくない。仕事のストレスのはけ口が、わが子に向かってしまっているのかもしれません」 過干渉が子どもにとってマイナスなのは、家庭の中だけでなく、学校でも同じこと。髪の毛の色や下着の色、牛乳の飲み方まで詳細に決めるといった不必要な校則で縛るのも、れっきとした過干渉であり、「教育虐待」なのだ。◆「桜丘中学校が特別」ではない この3月に行われた桜丘中学校の卒業式では、男子生徒が、答辞にこんな言葉を残した。《桜丘中学校で学んだ、枠にとらわれない考えを生かしながら、自由とわがままをはき違えないように、新たな場所で新たな出会いを大切にして活躍していきます》 彼らは自由を満喫したと同時に、自分を律する力も身につけた。 同校の理念に共感する教育評論家の尾木直樹さんが言う。「桜丘中学校は特別なのでしょうか。ある意味、そうかもしれません。でも、この中学校で行われていることは、ほかの学校や、そしてもちろん家庭でも、すぐにも真似ができることが多いのではないでしょうか」 桜のつぼみが陽光を受けてゆっくりほころんでいくように、新たな人生という花を咲かせんとする子どもたちに、親が、教員が本当にすべきことは何か。 それは決して、「過干渉」という冷風を吹きつけ、つぼみを再び閉じさせることではないはずだ。※女性セブン2020年4月9日号
2020.03.30 07:00
女性セブン
家事ができない嫁はどうして生まれるのか?
家事ができない嫁はどうして生まれるのか?
昔は、家事は嫁がやるのが当たり前という考えが一般的でしたが、女性の社会進出が進むにつれて、家事は夫婦で分担するという考えが広がってきました。しかし、最近は家事ができない奥さんが増えているとのこと・・・。自分の奥さんが家事をできないなんて、旦那さんは少なからずショックを受けるのではないでしょうか。ここでは、家事ができない嫁が生まれる原因や対処法について、詳しくまとめてみました。嫁が家事をしないと起こるデメリットは?幸せな家庭を築くために結婚したはずなのに、家事ができない嫁がいると家庭にはいろいろなデメリットが生じています。まずは、嫁が家事をしないと起こることをまとめてみました。夫婦だけではなく、子どもにも影響が出ることがあるようです。家が散らかっていて落ち着けない家でリラックスするためには、きれいな環境が保たれていることが必要です。しかし、家事ができない嫁は掃除をしないため、家が常に散らかって汚れている状態になってしまいます。疲れて仕事から帰ってきて家が汚れていると、気分が下がってしまいますよね。もちろん自分が掃除をしても良いのですが、それが毎度のこととなると、家事ができない嫁に対して怒りや不信感が強まってくるでしょう。体に良いまともなご飯が食べられない毎日しなくてはいけない家事といえば、料理です。しかも1日に3食あるので嫁の料理の腕前は非常に大切です。しかし、家事ができない嫁は料理が苦手だったり、作るのが面倒だと思ってしまうので、いつも同じメニューだったりレトルトで作ったりと、まともなご飯が食べられなくなってしまいます。また外食が多くなることもあるでしょう。すると、なかなか体に良い食事が食べられず、家族の体に悪い影響が出ることも考えられます。子どもに対して良くない影響を与える家事ができない嫁は、子どもに対して良くない影響を与えることもあります。散らかった家で過ごしていると、それが当たり前になって片付けられない子どもに育つ恐れがありますし、洗濯をしないことで着替えがなくなって、何日も同じ服を着せることにもなりかねません。程度によってはネグレクトに近い状態になってしまうことも考えられます。もしこのような状況が見られれば、もう一人の親として何か対策を考えなくてはいけません。なぜ家事ができない嫁が生まれるの?では、なぜ家事ができない嫁が生まれてしまうのでしょうか?その原因が分かれば、どう対処すべきかが見えてくるかもしれません。以下に、家事ができない嫁が生まれてしまう理由をご紹介しましょう。実家暮らしで家事をする機会がなかった一人暮らしの経験がなく、結婚するまで実家で暮らしていた場合は、親が食事や洗濯の面倒を全てやってくれていたため、家事の経験がほとんどないこともあります。そういった環境で育つと家事ができない嫁になる可能性があります。つまり、ただ単に経験が少なく、家事をどうやってやったら良いのかが分からない状態なのです。実家暮らしで家事ができない原因になっている場合は、やり方を教えれば家事ができる嫁になることでしょう。夫が家事をやってくれるから甘えている家事ができない嫁になったのは、皮肉にも夫のせいであることもあります。夫が一人暮らしが長かったり、家事が好きだったりすると一人でも家事をこなせてしまうので、「どうせ夫がやってくれる」と嫁が思い込んで家事をやらなくなってしまうのです。そのため、家事が得意でもやりすぎてしまわないように注意することが大切です。特に結婚生活を始めた当初は、二人でバランスよく家事を分担するように意識しましょう。ストレスを抱えて家事ができないことも家事ができないのはただ怠けているだけかと思いきや、育児、人間関係などでストレスを抱えて精神的に弱っており家事が手につかないという場合もあります。この状態では、家事をやるようにキツく言ったり、話し合いの場を設けても成果は出ず、むしろ逆効果になりかねません。もし、話しかけてもあまり笑わなかったり、理由もなく泣き出したりするような様子が見られるなら、まずは精神科などを受診するのがおすすめです。家事ができない嫁に対してできる改善策は?家事ができない嫁を見ていると、イライラしてつい離婚しようかという考えがよぎることもあるかもしれませんが、その前に対策をして様子を見るのがおすすめです。そこで、家事ができない嫁に対してできる改善策をまとめてみました。一緒に家事をして やり方を学んでもらう家事の仕方が分からなくて家事ができない嫁になっている場合は、一緒に家事をすることでやり方を教えてあげましょう。方法が分かれば嫁も自然と家事をするようになるはずです。また、一緒に家事をすると夫婦間のコミュニケーションの時間が取れたり、用事が早く済んだりと多くのメリットがあります。ただ、一度に多くを教えすぎると嫁がパニックになってしまう恐れがあるので、ゆっくり焦らずに教えてあげましょう。食器洗浄器など機械に頼ってみるいろいろと教えてみても嫁の状況が変わらない場合は、機械に頼るという方法もあります。今は食器洗浄器や自動で掃除をしてくれるロボットなど、家事を手伝ってくれる機械がたくさんあります。もし経済的に余裕があれば、こうした機械を買って家事ができない嫁に対する悩みを減らしましょう。大きな家電量販店に行くとこうしたアイテムがたくさんあるので、楽しみながら選べそうですね。家事代行サービスを頼んで解決する思い切って、家事代行サービスを頼むという解決方法もあります。家事代行サービスなら、掃除や洗濯など家事全般をやってくれますから、嫁の負担はかなり軽くなるでしょう。サービスをお願いするごとに決して安くはないお金がかかってしまうのはネックですが、精神的な理由から家事ができなくなっている時にはよい改善策になるでしょう。お住まいの地域にはどんなサービスがあるかを、ぜひ一度調べてみましょう。おわりに家事ができない嫁がいると、部屋がいつも散らかっていて気がめいったり、まともな食生活が送れなかったりと多くのデメリットが生じてしまいます。しかし、家事ができないのはただ怠けているだけかと思いきや、単に家事の仕方が分からなかったり、夫が全部やってくれると思っていたりといろいろな理由があります。理由に合わせて対処することで、お互いに無理なく家事ができるようにしていきましょう。※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。ご了承ください。
2020.03.02 10:00
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「お姉ちゃんはできたのに」きょうだい比較の子育て正しい?
「お姉ちゃんはできたのに」きょうだい比較の子育て正しい?
 今年4月に「改正児童虐待防止法」と「改正児童福祉法」が施行され、体に苦痛や不快感を与える罰は、たとえ、しつけのためでも禁止となる。子供をきちんとしつけるためなら体罰もやむを得ないとされてきたこれまでの“しつけ”の功罪について、この機会に一緒に考えてみたい。 虐待には、身体的暴力だけでなく激しい叱責も該当する。口頭で叱るだけでも、子供に恐怖心を与えれば、心理的虐待になる。 厚生労働省「福祉行政報告例」(平成30年度)の「児童相談所における児童虐待相談の対応件数、児童虐待相談の相談種別×児童虐待相談の経路別」から編集部で作成したデータによると、身体的虐待25.2%、性的虐待1.1%、心理的虐待55.3%、保護の怠慢・拒否(ネグレクト)18.4%となっている。 では、具体的な実例から子供にどのような影響を与えているかを考えてみたい。◆比較して育てるとあきらめる癖がつく「うちの夫は、下の娘がいい評価をとってきても、“お姉ちゃんはもっとできた”などと言います。それを聞いてもっと頑張ってほしいと思っているようですが…」(41才・会社員) きょうだいなどを引き合いにする場合、「〇〇ちゃんができていたことを、あなたもできたらうれしいね」など、前向きな言葉がけなら問題ない。“子ども心理”に詳しい山梨県立大学教授の西澤哲さんはこう言う。「しつけとは、子供が自分をコントロールする力“自律心”をつけるよう手伝うこと。それなのに、恐怖や痛みで言うことを聞かせようとすれば、罰が与えられないと何もできない人間になったり、親からされてきたように、恐怖を与えて人を動かそうとする人間に育ちます。また、きょうだいなどと比較して劣等感を植えつけられれば、自分はダメな存在、不要な存在だと思い込みます」 そうなると、「自分にはどうせできない」などと、最初からあきらめるクセがつくという。親は、しつけの方法がほかにないか、考え続ける習慣をつけるのがおすすめだ。※女性セブン2020年3月5日号
2020.02.24 16:00
女性セブン
しつけの“常識”に大きな変革の波が(写真/アフロ)
反省する心を養わぬ「体罰」 民法で容認した間違った過去
 今年4月に「改正児童虐待防止法」と「改正児童福祉法」が施行され、体に苦痛や不快感を与える罰は、たとえ、しつけのためでも禁止となる。子供をきちんとしつけるためなら体罰もやむを得ないとされてきたこれまでの“しつけ”の功罪について、考えるべき時がきた。 恐怖心や痛みを与えても、子供は何も学ばない。心にトラウマを植えつけられ、人格形成に悪影響を与える可能性も──これが子供のしつけを巡る最新の知見だ。人によっては自分の子育てを否定されたように感じるかもしれないが、だからこそ知っておきたい「本当に子供のためになる」子育て。◆親を追いつめるための法改正ではない 今回の法改正の背景には、2018年の「目黒女児虐待死事件」と、2019年の「野田市小4虐待死事件」の影響がある。両事件ともに、未来ある女児が“しつけ”と称する親からの行きすぎた体罰(これらのケースでは身体的虐待などと認定)により、命を落とした事件だ。 今後、このような悲劇が起きないよう、しつけのためだろうと、体に苦痛や不快感を与える罰は一切禁止とされる。通告を受ければ、児童相談所や、場合によっては警察が介入することになる。 事件のような過度な体罰はレアケースだと考える人もいるかもしれない。しかし、今回の法改正に尽力した認定NPO法人児童虐待防止全国ネットワーク理事の高祖常子さんは、そもそも、しつけのためなら恐怖や痛みを与えてもいいという考え方に問題があると言う。「改正法に、体罰への罰則が明示されていないのは、親を追いつめるための改正ではないからです。しつけのためなら体罰もやむを得ないという考えを、体罰に頼らない子育てをしようという意識に変えること。そして、社会全体で子育てをしていこうとすることが目的だからです」(高祖さん)◆これまで体罰は民法で容認されてきた 2017年の調査では体罰を容認する人が約6割(公益社団法人セーブ・ザ・チルドン・ジャパンが、全国の20才以上男女2万人にウェブ調査)と、「しつけのためなら体罰はやむを得ず」と考える風潮は根強い。そもそも、なぜ体罰がまかり通ってきたのか。「その背景には民法の懲戒権の存在がある」と言うのは、子どもの虹情報研修センター長・川崎二三彦さんだ。「日本の民法は、親権者が子供を懲戒することを認めていました。その中には体罰も一部含まれていたため、子供に暴力を振るった親が、しつけだと言って言い逃れし、結果として深刻な事態になることが多かったのです」(川崎さん)◆体罰では反省する心は養われない とはいえ、体罰はしていたが子供はちゃんと一人前に育ったという人もいるだろう。「子供は暴力を振るわれるのはいやだという気持ちから親の言うことを聞くようになります。それでは自分の行為に対して、反省する心は養われないのです」(川崎さん) しかも、暴力は繰り返されると慣れてしまい、反省はもちろん服従もしなくなり、むしろ憎しみが芽生える。すると親は「もっと痛い目に遭わせないと」と考え、暴力がエスカレート。虐待へとつながる。「これまでも、殴るなどの暴力で傷を負わせたり、生命に危険を及ぼすような身体的虐待につながる体罰は許されませんでしたが、虐待と体罰の線引きは明確ではありませんでした。そのため体罰から、命に危険を及ぼすような虐待に至るケースもあったのです」(川崎さん) 虐待には、身体的暴力だけでなく激しい叱責も該当する。口頭で叱るだけでも、子供に恐怖心を与えれば、心理的虐待になる。厚労省「福祉行政報告例(平成30年度)によると、「身体的虐待」が25.2%、「性的虐待」が1.1%、「心理的虐待」が55.3%、「保護の怠慢・拒否(ネグレクト)」が18.4%となっている。近年の虐待の傾向は、「お前なんて生まれてこなければよかった」などと言って心理的に苦しめるケースが増えてきている。※女性セブン2020年3月5日号
2020.02.20 07:00
女性セブン
保護犬・猫に自宅を開放する原奈弓さん(左。撮影/神史子)
自宅を保護犬猫に開放、年100匹を殺処分から救うボランティア
 一般社団法人「アニプロ」の代表・原奈弓さんは、神奈川県動物愛護センターから毎年、傷病・老齢を含む100匹以上の犬・猫を毎年引き出し、同センターの6年連続殺処分ゼロを実現したボランティアの筆頭格。新センター立ち上げの検討委員にも任命された。「ブリーダーやペットショップを責めても、動物放棄はなくならない」。原さんは無責任な飼い主たちの無慈悲を問う。◆10年以上前から、老犬や傷病犬を優先的に保護。献身的に介護も 神奈川県の自然豊かな真鶴町。3棟の建物に庭、車庫付き戸建て住宅が「アニプロ」の拠点だ。ここに犬・猫を中心に常時40~50匹の動物が暮らす。 代表の原奈弓さんに出迎えられ、「まずはこちらから」と案内されたのは、猫たちが暮らす部屋。20匹ほどいるだろうか。こちらの姿を認めるなり、みゃーみゃーと鳴きながらすり寄ってくる。「ようこそ、どうぞどうぞ」 声の主は事務局長の平本英幸さん。猫たちに頭を舐められ、ひざの上で眠られ、指を甘噛みされ、全身猫まみれ。ニコニコしながらあやしている。「動物愛護センターは、午後5時以降は誰もいなくなりますから、3時間おきに授乳と排便をさせてやらなきゃいけない子猫の保護は無理なんですよ。そんなんで引き取っているうちに猫でいっぱいになってきちゃったんです。離乳までは私が親代わり。ベタベタにかわいがって人間大好きにして、もらわれた先でもうんとかわいがってもらえたらいい」「アニプロ」では保護動物との面会は、健康なグループから老齢、あるいは看取りの段階に入った個体グループへと巡回の順番を決めている。“屋内感染”を防ぐためだ。 すべての保護動物は基本的に譲渡の対象だが、老齢やがんなど不治の病にかかった犬・猫たちはほぼ、譲渡の見込みはない。それでも原さんは、10年以上前からそんな犬・猫を優先的に、年間100匹もの動物を殺処分から救ってきた。 ノミ、ダニ、フィラリア、寄生虫などは当たり前。虐待やネグレクトで瀕死の状態で収容された犬を引き出してその足で獣医のもとへ走ったり、暴れる犬に爪をかみちぎられながら看病をし、しつけて最終的に里親を見つけたケースもある。◆「私は助ける“命”を選択した」 胸に深く刻まれた無念と後悔 原さんの献身の背景には“救えなかった3匹の犬”への後悔がある。「保護を始めた頃、センターに殺処分目前の犬が5匹収容されていて、本当は5匹とも引き取りたかったんですが、どうしても当時は2匹しか引き取れなかったんです。 私は命を選択した。3匹を見殺しにした。その無念さは今も胸から消えていません。だから…というわけではありませんが、いちばん助けを必要としている子たちを救いたい。ガス室やひとりぼっちの檻ではなくて、暖かい部屋で安穏と暮らさせてやりたいと思うんです」(原さん・以下同) 治療費やえさ代は寄付などもあり、なんとかやりくりしているが、長く猛暑が続いた今夏、3棟つけっ放しの冷房代には泣いた。 次に案内されたのは、健常犬たちの部屋。盛大に歓待する犬たちをよそに、じっと微動だにしない犬も。「ああいう子は飼いやすいんですよ。信頼を得れば、飼い主だけに忠実だから」と原さん。 すると、ちょっと大きめのケージから、おずおずと真っ黒な顔が覗いた。「歌丸、おいで」と原さんが呼ぶと、もそもそと現れたのは、なんとも立派なグレートデン! 艶々と凜々しい立ち姿に反して、上目遣いの哀しそうな瞳が気になった。「センターに収容された時はガリガリにやせてて…。捨てられたんですよ。手に負えなくなっちゃったんでしょうね。なかなかグレートデンを飼える家庭なんてないですから、里親探しは難しい。やさしい性格のいい子なんですけどねえ」 最後に案内された部屋は、おむつをして寝たきりの大型雑種犬・ショーンを囲むように、心臓病で闘病中のチワワなどが暮らす。「寝たきりで動けないんですけど、食事をおいて、頭を支えてやると、ガツガツとよく食べるんです。まだ“生”への執着がしっかりとある。最期まで見守ってやりたい」◆熟年犬と過ごす穏やかなペットライフがおすすめ 動物愛護センターでの殺処分はなくなったが、殺処分自体がなくなったわけではないと、原さんは言う。「収容頭数が増加したり、状況の変化があれば殺処分は復活しますよ。ほかの保健所などでは今も殺処分しているわけですし。そうさせないためにも、私たちボランティアが引き出してケアし、譲渡会などで新しい飼い主を見つける…という活動が不可欠なんです。保護期限が過ぎてガス室へ送られることはなくなりましたが、飼育放棄、ネグレクトは今も続いているのですから」 最近は、ブリーダーによる多頭放棄やペットショップによるネグレクトなども問題になっている。元凶はそこでは…と問うと、「それは違います」と真顔になった。「いえ、ないとは言いませんが、元凶はそこじゃない。私たちボランティアが不要にならないのは、飼えなくなったら捨て、きちんとケアをせずに病気になったら見殺しにする飼い主が存在するからです」 本当はこんな活動、辞めたいんですよ…と原さんはため息をついた。「ペットショップの子犬・子猫を買って、最期まで大事にしてあげるのももちろんいいんです。でももし、里親になってもいいなと思われるなら、ぜひ、成犬と残りの数年を過ごすことを考えてもらえるとうれしいです。そして看取ってやってほしい。シニア犬は穏やかな子が多いです。小さなお子さんのいる家庭では、見守り犬にもなってくれます」※女性セブン2019年10月31日号
2019.10.18 16:00
女性セブン
子どもが話しかけてもママはスマホに夢中。スマホネグレクトの危険
子どもが話しかけてもママはスマホに夢中。スマホネグレクトの危険
スマホネグレクトとは、親がスマホに夢中になって、子どもを無視したり放置したりすることです。ネグレクトは、育児放棄という虐待。スマホは便利な道具ですが、使い方によっては子どもの心を深く傷つけてしまいかねません。自分がスマホネグレクトをしていないか、回避するにはどうしたらいいのか、育児中のスマホとの付き合い方についてまとめました。スマホネグレクトが子どもに与える影響スマホネグレクトは、スマホが原因で引き起こされる育児放棄という虐待です。「ごはんもあげているし、ちゃんと世話もしているし、ちょっとスマホを見ていただけでおおげさだ」と感じるかもしれませんが、子どもに与える影響は少なくありません。スマホに夢中で子どもが話しかけているのに気づかなかった経験があるママは、要注意です。自尊感情の低下自分が誰かに話しかけて、無視されたとしたらどう感じますか?「用があるのに!」と腹をたてたり、寂しい気持ちになったり、不安になったり、マイナスの感情がわくのではないでしょうか。日常のさまざまなことを大人に頼って暮らしている子どもなら、なおさらです。「自分に関心がない」「ないがしろにされている」と感じると、自分自身を大事にする自尊感情が低下していきます。自尊感情が低下すると、「どうせ自分なんて」というネガティブな思考をしがちになり、物事に対する意欲が失われていきます。そして、自分の感情を素直に表現することも怖くなり、うまくコミュニケーションがとれなくなってしまいます。子どもには、親や先生など、周囲の大人から大切にされているという実感や安心感が必要なのです。愛着形成が阻害される人の心の成長過程には、愛着形成の時期があります。愛着(アタッチメント)は心理学用語で、乳幼児と養育者との間で育まれる信頼関係のことを指しています。通常、愛着形成は乳幼児期におこなわれると考えられおり、親子間のコミュニケーションが重要になります。親子間のコミュニケーションは、赤ちゃんがほほえんだら親が笑い返す、目と目が合う、スキンシップをする、などの非言語コミュニケーションからはじまり、言語を介したコミュニケーションがプラスされていきます。スマホネグレクトが問題になるのは、特に非言語的なコミュニケーションの機会を損なう原因になるからです。愛着形成が阻害されると、他者への共感力が十分に育まれず、社会性の獲得が困難になりかねません。こんなときがあぶない!チェックポイントスマホネグレクトの問題点は、自分では気がつきにくいことです。おおくの人にとって、スマホで予定をチェックしたり、調べ物をしたりすることは、習慣になっていますね。少しだけのつもりが長くなり、スマホネグレクトにつながらないように意識することが大切です。つい、利用が長くなりそうなタイミングをチェックしてみましょう。電車などの移動時間スマホネグレクトが起こりやすいのは、電車やバスなどの移動時間です。大人でもなんだか手持ち無沙汰な時間ですし、乗り継ぎや目的地のことを調べるためにスマホを使う機会もおおくなります。そこでちょっと見るつもりが、ついでにメールの確認をしたり、気になるWEBニュースを見つけたり、ということになりがちです。しかし、ここは我慢のしどころ。電車やバスなど公共交通機関の利用ルールを教えるよい機会です。また、知らない大人に囲まれて、子どもが落ち着かない気分になっていることもあります。手をつないだり、おひざに抱っこしたり、スキンシップをとりながらよく見ていてあげてください。電車のホームはもちろん、座席に座っていても長時間目をはなすのは危険です。食後の休憩中外出先でも家庭でも、食事をしたあとの休憩中は、気をつけたいタイミングです。おなかがいっぱいになってリラックスした雰囲気のなか、つい油断してスマホに手が伸びてしまいます。もちろん、必要なこともあると思いますが、急ぐ用事でなければちょっと一息ついてください。もし、子どもの相手をしてくれる人が一緒にいるなら、「ちょっとスマホを使うから子どもの相手をしていて」と頼むのもひとつの方法です。子どもに「5分だけいい?」と確認してもいいでしょう。とにかく、無自覚にスマホに向かい、子どもを無視することは避けなくてはいけません。スマホネグレクトを予防する方法自分では気がつきにくいスマホネグレクトは、ただ意識をするだけではなく、具体的な対処法を用いて予防することをおすすめします。そもそもスマホネグレクトを引き起こしてしまうような状態は、一種のスマホ依存症になっている恐れがあります。物理的に隔離する一番有効な対策は、スマホを物理的に隔離してしまうことです。すぐに手にとれる環境にあるから、ひまな時間につい触ってしまうのです。「食事中は玄関に置いた充電器にさしておく」というような守りやすいルールを作って、徐々に隔離する時間を延ばしていきます。「家のなかでは電話の音以外は消音にしておく」といった設定上の管理も有効です。ラインやメールの通知音が鳴れば、すぐに確認したくなる気持ちがわきますから、最初から気づかないようにしておくわけです。そして、いちいちとりにいくのが面倒な場所をスマホの定位置にしておくことをおすすめします。生活時間にメリハリをつけるスマホに依存しがちな人は、ちょっとしたすき間の時間にスマホを手にとり、だらだらと使い続けてしまうことが問題です。家事や育児の合間のちょっとした息抜きのつもりが、つい長くなってしまうというケースはおおいでしょう。こうした状態を予防するには、生活時間にメリハリをつけることです。子どものことに集中する時間、生活周辺に使う時間を決めて、スマホを使うのはなるべく子どもがいない時間に限定しましょう。やることをやってしまえばスマホを使える!と思えば、てきぱきと行動できます。まとまった自由時間ができれば意外にスマホではないことをしたくなるかもしれませんよ。おわりに幼い子どもたちは、常に自分が世界の中心です。大人の都合は考えてくれませんし、いつも自分を見ていてほしい、愛情をかけてもらいたいと願っています。それをすべて受け止めるのは大変なことです。ひとりで家事育児を担っているママには、息抜きも必要です。それがスマホネグレクトにつながらないように、まずは周囲に助けを求めてください。スマホに夢中になって子どもの声に気づかない状態は、心が休息を求めているサインです。
2019.10.17 12:00
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京アニ放火容疑者、金と女にだらしないハンサム父親の素行
京アニ放火容疑者、金と女にだらしないハンサム父親の素行
 単独犯による犯行で戦後最大の被害者を出した京都アニメーション放火事件。34人の命を奪ったのは青葉真司容疑者、年齢は41才。事件現場からは数百kmも離れた茨城県常総市で、3人きょうだいの次男として生まれ育った。 青葉の父親は奔放だった。「あの子の父親は背が高くてハンサムでモテた。でも、どうしようもない男でした。奥さんとの間に6人もの子供がいて生活は大変だった。本業の農家だけじゃ食べていけないから、幼稚園のバスの運転手も始めたんです。そしたら幼稚園の保育士さんと不倫をして家を出ていった。最悪なのはここから。ある日残された妻子の元に不動産業者がやってきて立ち退きを求めた。父親が家と田畑を勝手に売っていたんです。奥さんと6人の子供は路頭に迷うことになったが、本人は知らぬ顔で再婚したそう。 その2番目の奥さんとの間に生まれたのが真司です。ほかに兄と妹がいます。たぶん6人の異母きょうだいとは会ったことはないと思う。再婚生活は10年もたなかったんじゃないかな。奥さんが愛想を尽かして出ていったようで、父親が3人の子を連れて埼玉に引っ越しました。普通は母親が子供を連れていくことが多いのに、そうせずに出ていったんだから、よっぽど嫌だったんでしょう。真司が小学校低学年の頃だったと思います」(青葉の親戚) 移り住んだ先で青葉は古いアパートに暮らし、兄と共に柔道スクールに通っていた。その頃から大柄で、将来は「大金持ち」になりたいと周囲に語っていた。当時の同級生はこう話す。「青葉の家に遊びに行き、彼が好きだという『ガンダム』のアニメを見ました。漫画の話もしたし、2才年上のお兄さん、妹も一緒に公園でサッカーや野球をしました。お父さんの姿を見たことはないですね。あと、青葉からお母さんの話を聞いたこともなかった。それ以外は、“普通の子”という印象でした」 しかし中学2年時に一家は引っ越しをする。原因はまたも父親の“私生活”だった。「父親は、ほぼ働かずにフラフラしていた。いわゆる“ヒモ”。何番目か知りませんが、奥さんらしき女性もいましたが、彼がフィリピン人女性と不倫したとかで、刃傷沙汰になったという話もありました。結果的に家賃を滞納し追い出されたようです。カネにも女にもだらしない男でした。 そんな親だから、子供たちのことはほったらかしでしたね。勉強はしていなかったみたいだし、柔道もとっくにやめていました。今で言うネグレクトですよ」(青葉家を知る近隣住民)※女性セブン2019年8月8日号
2019.07.25 16:00
女性セブン

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