余談だがキャンプ地にはプロ野球のほかにもスポーツチームがいる。宮崎の例でいうと、昨年は韓国プロ野球が2チーム、Jリーグからも22チームが結集。宮崎県観光推進課によると、昨年1月から3月にはサッカー、ラグビー、ソフトボールなどスポーツの511団体、1万2222人が県内を訪れ、87万6869人の観客を集めたというデータがある。
その経済効果は130億円といわれ、宮崎キャンプを報じた全国ネットの放映時間および新聞記事を広告料に換算した額は、75億円と算出されている。
「地方自治体にとっては単なる経済効果だけでなく、知名度を上げる絶好の機会です。温暖な気候や日照時間といった有利な条件に加え、良質な設備でプロ野球がキャンプ地に選べば、社会人や大学のチームも誘致できます。沖縄は特に、2020年の東京五輪を視野に入れ、各種日本代表の合宿地になることを目指している」(全国紙記者)
単にプロ野球の一イベントに留まらず、今や地域振興の大事なコンテンツとなったキャンプ。こうした地方自治体間の招致競争が、質の高いキャンプ、高レベルなペナントレースにつながることを期待したいところだ。
※週刊ポスト2016年2月19日号