バー経営などにも乗り出しているという
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そんな“名古屋のおばあちゃん”は2012年に他界。前田けゑはマンション2棟などの不動産を中心とした総資産15億円を相続することとなるのだが、1か月以内に相続税5億円を一括で支払わなければならなくなるなど、相続の大変さを体験した。
そして15億円を相続した前田は現在、芸人として活動すると同時に、自らが取締役となって会社を設立。バーを経営したり、イベント事業を手がけたりなど、幅広いビジネスを展開している。
──15億円の遺産を相続するわけですが、生活はどう変わりましたか?
前田:とりあえず家ですね。家賃40万円のタワーマンションに引っ越しました。このマンションは、ぼくが会社を設立する時に、来客をちゃんとした場所でもてなしたいっていう気持ちで借りたんですよ。あと、単純にそういうマンションに住んでみたいっていうのもありましたけど、やっぱりセキュリティーがしっかりしてるっていうのも重要です。
相続でゴタゴタしていたとき、名古屋のおばあちゃんの本宅に泥棒が入って、宝石なんかを盗まれたんですよ。とにかく名古屋の本宅は広くって、どこに高価なものがあるのかぼくも知らなくて、泥棒に入られて初めて「ここにこんな高いものが眠ってたのか!」ってなりましたけどね(笑い)。そういうこともあったので、セキュリティーがしっかりしているタワーマンションを選んだということです。
──それにしても若くして15億円を相続し、さらに会社を経営するというのは、なかなか貴重な体験ですよね。
前田:確かにそうなんです。なので、ぼくが今一番伝えたいのは「相続は大変だよ」ってことですね。高齢化社会だし、遺産相続でトラブルになる人も多いと思うんですよ。ぼくは若いうちに相続の大変さを知ったので、今後それをメディアで伝えていく義務があるんじゃないかと思っています。生前からいろいろやっておいたほうがいいよとか、そういうことを芸人活動の中で、わかりやすく伝えていけたらいいですね。あと「相続診断士」っていう資格を取得したので、相続関連のコメンテーターみたいな路線もできたらいいなとも思います。
【前田けゑ(まえだ・けえ)】
1982年、大阪府生まれ。タレント活動のほか、カスタネットを使ったパフォーマンス、イベントMC、不動産経営、BAR経営などマルチに活動。“赤の他人”から遺産15億円を相続したことで話題に。