ビジネス

【日本株週間見通し】日銀や財務相による介入への思惑高まる

 投資情報会社・フィスコ(担当・村瀬智一氏)が、株式市場の2月8日~2月12日の動きを振り返りつつ、2月15日~2月19日の相場見通しを解説する。

 * * *
 先週の日経平均は大幅に下落。週初こそ前週の下げに対する自律反発から5日ぶりに反発をみせ、17000円を回復する場面をみせた。しかし、その後はドイツ銀行の財政不安が欧州銀に広がりをみせたほか、原油先物相場の弱い動き、さらにイエレンFRB議長の議会証言において追加利上げペースが鈍るとの見方から、為替市場では日本の祝日で商いが細る局面での円急騰となり、一時1ドル110円台をつけた。この流れを受けた祝日明けの日本株市場は全面安となり、日経平均は一時約1年4か月ぶりに節目の15000円を割り込んだ。

 イエレン議長証言では、中国を巡る海外経済の不透明感が米国経済に影響を与える恐れがあるとの認識が示された。春節明けの中国市場の動向が注目されるほか、世界的な波乱展開に向かう場面においては、政府・日銀による動きが意識されやすいだろう。安倍晋三首相と日銀の黒田東彦総裁は12日昼、首相官邸で会談し、国際金融情勢や日銀のマイナス金利政策について意見を交換している。また、麻生太郎財務相は円高ドル安が急激に進んでいることについて「必要に応じて適切に対応していく」と述べ、円高の動きをけん制している。口先介入等を含めて、今後は日銀や財務相による動きが出やすいだろう。

 日経平均は節目の15000円を割り込んだ。明確な底入れを見極める必要があるが、週末には三菱UFJ<8306>がプラスに転じる場面をみせるなど、底堅さが意識されてきている。また、決算発表がピークを通過することから、業績に安心感のある中小型株などには、外部環境の不透明要因を避ける流れからも、見直しの動きが向かいやすいと考えられる。

 経済スケジュールでは、15日に10-12月期のGDP(速報値)が発表される。また、1月の中国貿易収支のほか、ECBのドラギ総裁が欧州議会の経済金融委員会で証言を予定している。16日には2月の独ZEW景況感指数、17日には米FOMC議事録(1月26、27日分)、1月の米住宅着工件数、18日に1月の中国消費者物価指数、EU首脳会議、19日に1月の米消費者物価指数が予定されている。ドラギ総裁の証言によって欧州市場が落ち着きをみせてくるかが注目されそうだ。また、ドイツ銀行の動向も引き続き関心が集まりそうだ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

”シカ発言”を受けて、日テレのニュース番組がまさかの事態になっている(時事通信フォト)
《日テレ“検証番組”が大炎上》「もはやネットリンチ」高市早苗の“シカ発言”で擁護派が過激化 日本テレビを〈仕込みの役者がインタビュー〉〈偏向報道〉と批判 関係者は「事実無根」とバッサリ
NEWSポストセブン
たばこ祭りに参加した真矢と妻の石黒彩
《杖と車椅子で10メートルの距離を慎重に…》脳腫瘍のLUNA SEA・真矢が元モー娘。の妻と夫婦で地元祭りで“集合写真”に込めた想い
NEWSポストセブン
"外国人シカ暴行発言”が波紋を呼んでいる──(時事通信フォト)
「高市さんは1000年以上シカと生きてきた奈良市民ではない」高市早苗氏の“シカ愛国発言”に生粋の地元民が物申す「奈良のシカは野生」「むしろシカに襲われた観光客が緊急搬送も」
NEWSポストセブン
「めちゃくちゃ心理テストが好き」な若槻千夏
若槻千夏は「めちゃくちゃ心理テストが好き」占いとはどこが違うのか?臨床心理士が分析「人は最善の答えが欲しくなる」 
NEWSポストセブン
直面する新たな課題に宮内庁はどう対応するのか(写真/共同通信社)
《応募条件に「愛子さまが好きな方」》秋篠宮一家を批判する「皇室動画編集バイト」が求人サイトに多数掲載 直面する新しい課題に、宮内庁に求められる早急な対応
週刊ポスト
ポストシーズンに臨んでいる大谷翔平(写真/アフロ)
大谷翔平、ポストシーズンで自宅の“警戒レベル”が上昇中 有名選手の留守宅が狙われる強盗事件が続出 遠征時には警備員を増員、パトカーが出動するなど地元警察と連携 
女性セブン
「週刊文春」の報道により小泉進次郎(時事通信フォト)
《小泉進次郎にステマ疑惑、勝手に離党騒動…》「出馬を取りやめたほうがいい」永田町から噴出する“進次郎おろし”と、小泉陣営の“ズレた問題意識”「そもそも緩い党員制度に問題ある」
NEWSポストセブン
懲役5年が言い渡されたハッシー
《人気棋士ハッシーに懲役5年判決》何度も「殺してやる」と呟き…元妻が証言した“クワで襲われた一部始終”「今も殺される夢を見る」
NEWSポストセブン
浅香光代さんの稽古場に異変が…
《浅香光代さんの浅草豪邸から内縁夫(91)が姿を消して…》“ミッチー・サッチー騒動”発端となった稽古場が「オフィスルーム」に様変わりしていた
NEWSポストセブン
群馬県前橋市の小川晶市長(42)が部下とラブホテルに訪れていることがわかった(左/共同通信)
【前橋市長のモテすぎ素顔】「ドデカいタケノコもって笑顔ふりまく市長なんて他にいない」「彼女を誰が車で送るかで小競り合い」高齢者まで“メロメロ”にする小川市長の“魅力伝説”
NEWSポストセブン
関係者が語る真美子さんの「意外なドラテク」(getty image/共同通信)
《ポルシェを慣れた手つきで…》真美子さんが大谷翔平を隣に乗せて帰宅、「奥さんが運転というのは珍しい」関係者が語った“意外なドライビングテクニック”
NEWSポストセブン
部下の既婚男性と複数回にわたってラブホテルを訪れていた小川晶市長(写真/共同通信社)
《部下とラブホ通い》前橋市・小川晶市長、県議時代は“前橋の長澤まさみ”と呼ばれ人気 結婚にはまったく興味がなくても「親密なパートナーは常にいる」という素顔 
女性セブン