国内

東大初の「推薦入試合格者」は就活で不利になる?

東大初の推薦入試合格者の実力は?

 面接と書類審査で東大に入れる。そんな東京大学の「推薦入試」が今年からスタートした。昨年12月に書類審査を通過した受験生に面接が行なわれ、年明けのセンター試験の点数が加味された上で、2月10日に「推薦入学一期生」となる77人の合格が決まった。しかし、“推薦で東大に入った”といわれても、どれだけ優秀なのか、ピンとこない。

 国公立、私立を問わず推薦・AO入試を導入する大学は数多くあるが、決して評価が高いとはいえない。

「推薦は受験勉強をマジメにしなかったイメージがあるのか、就活で不利になるといわれています。企業側が大学名で学生を選別する『学歴フィルター』と別に『入試方法フィルター』があるのではないかと学生の間では評判になっている」(AO入試組の私立大学4年生)

 進学・就職情報サイトを運営するマイナビが2013年に行なったアンケート調査では、「一般入試」で入学した学生の内定率が約63%だったのに対し、「推薦入試」は約51%、「AO入試」は約43%となっている。

 東大生も、推薦組は評価が低くなるのだろうか。就活ジャーナリストの石渡嶺司氏はこういう。

「たしかに早稲田大学については、AO入試一期生の小保方晴子さんがSTAP細胞騒動を起こしたので、入試形態を気にするリクルーターもいますが、合否を決定づけるほど大きな要素にはなりません。しかも国立大学の推薦入学は要求水準が高く、就活にほとんど影響はないでしょう」

 たしかに東大の推薦入試の募集要項を見ると、提出を求められる書類・資料として〈科学オリンピックで顕著な成績をあげたことを示すもの〉(経済学部)、〈開発したソフトウェアの概要資料、科学雑誌に掲載された論文など〉(理学部)、〈TOEFL iBT 100点以上〉(医学部)などとある。どれほどスゴいのかはわからないが、とにかく“スーパー高校生”だけが受験を許されるようだ。

 とはいえ「今回は募集要項でハードルを上げすぎて受験生が尻込みしたのか、応募者が定員を下回る学部もあった」(東大関係者)というから、ラッキーで合格した受験生もいるのかも。

※週刊ポスト2016年2月26日号

関連記事

トピックス

降谷健志の不倫離婚から1年半
《降谷健志の不倫離婚から1年半の現在》MEGUMIが「古谷姓」を名乗り続ける理由、「役者の仕事が無く悩んでいた時期に…」グラドルからブルーリボン女優への転身
NEWSポストセブン
警視庁がオンラインカジノ店から押収したパソコンなど(時事通信フォト)
《従業員や客ら12人現行犯逮捕》摘発された店舗型オンカジ かつての利用者が語った「店舗型であれば”安心”だと思った」理由とは?
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《前所属事務所代表も困惑》遠野なぎこの安否がわからない…「親族にも電話が繋がらない」「警察から連絡はない」遺体が発見された部屋は「近いうちに特殊清掃が入る予定」
NEWSポストセブン
放送作家でコラムニストの山田美保子さんが、さまざまな障壁を乗り越えてきた女性たちについて綴る
《佐々木希が渡部建の騒動への思いをストレートに吐露》安達祐実、梅宮アンナ、加藤綾菜…いろいろあっても流されず、自分で選択してきた女性たちの強さ
女性セブン
看護師不足が叫ばれている(イメージ)
深刻化する“若手医師の外科離れ”で加速する「医療崩壊」の現実 「がん手術が半年待ち」「今までは助かっていた命も助からなくなる」
NEWSポストセブン
(イメージ、GFdays/イメージマート)
《「歌舞伎町弁護士」が見た恐怖事例》「1億5000万円を食い物に」地主の息子がガールズバーで盛られた「睡眠薬入りカクテル」
NEWSポストセブン
キール・スターマー首相に声を荒げたイーロン・マスク氏(時事通信フォト)
《英国で社会問題化》疑似恋愛で身体を支配、推定70人以上の男が虐待…少女への組織的性犯罪“グルーミング・ギャング”が野放しにされてきたワケ「人種間の緊張を避けたいと捜査に及び腰に」
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
【新宿タワマン殺人】和久井被告(52)「バイアグラと催涙スプレーを用意していた…」キャバクラ店経営の被害女性をメッタ刺しにした“悪質な復讐心”【求刑懲役17年】
NEWSポストセブン
女優・遠野なぎこの自宅マンションから身元不明の遺体が見つかってから1週間が経った(右・ブログより)
《上の部屋からロープが垂れ下がり…》遠野なぎこ、マンション住民が証言「近日中に特殊清掃が入る」遺体発見現場のポストは“パンパン”のまま 1週間経つも身元が発表されない理由
NEWSポストセブン
幼少の頃から、愛子さまにとって「世界平和」は身近で壮大な願い(2025年6月、沖縄県・那覇市。撮影/JMPA)
《愛子さまが11月にご訪問》ラオスでの日本人男性による児童買春について現地日本大使館が厳しく警告「日本警察は積極的な事件化に努めている」 
女性セブン