また、抗うつ剤の服用に加え、カウンセリングや、物事に対する考え方や受け止め方を改善することで、抑うつ感や不安感を緩和させる『認知行動療法』などの治療法を用いる手もある。

 知っておいてほしいのは、必ず治る病気だということ。だが、治療には周りの人の病気や治療に対する理解が不可欠だ。

 うつ病は主観と客観が大きくずれると高木さんは言う。患者と家族が診察に来た際、「いちばん元気な時を100%とすると、今はどれくらいですか?」と必ず質問するそうだが、患者は「30%くらい」と答え、家族は「そんなことないよ。60~70%くらいはあるよ」と違った答えをする。

「本人と周囲とでは感覚が30%くらいずれることが多い。周りが思っているよりも、本人は苦しいのです」

 内科疾患と比べて、治るのに時間もかかるため、周囲の人はとにかく焦らないことがポイントになる。

 また、うつ病の治療中は、かける言葉にも注意が必要だ。よくいわれるように、「頑張って」「元気を出して」といった激励の言葉や、「旅行に行こうよ」などの外出の誘いは逆効果。本人は頑張ろうと思っても、頑張れずに苦しんでいるので、ますますうつ状態を深めることになりかねない。あたたかく見守りながら、「必ず治る」というメッセージを与え続けることが大切なのである。

※女性セブン2016年2月25日号

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