「安倍首相がオバマ大統領をはじめ欧米の首脳たちにロシアへの制裁緩和を受け入れさせるには、プーチンにウクライナ問題やシリア問題で譲歩させる必要があります。そうしないと欧米は絶対に納得しないが、したたかなプーチンが容易に譲歩するとは考えにくい。
成功は並大抵のことではありません。まさに安倍首相が各国首脳とサシで交渉する力が問われることになります。もし、安倍首相がオバマ大統領とプーチン大統領を握手させ、世界平和に貢献すればノーベル平和賞の受賞もあり得るくらいの功績でしょう」
過去に日本人でノーベル平和賞を受賞したのは「非核三原則」を制定した安倍首相の大叔父・佐藤栄作元首相1人しかいない。しかもこの3年間、日本からは安倍首相の安保法制に反対する団体が「憲法9条」を平和賞に推薦し、3年連続でノミネートされたことに首相は「政治的」と不快感を示してきた。
安保法制で「祖父の岸元首相を超えた」と自負する安倍首相が、日露外交で父の遺言を果たし、さらに米露和解の仲介でノーベル平和賞を受賞すれば大叔父と並ぶ。
※週刊ポスト2016年3月11日号