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【日本株週間見通し】ECB金融政策で相場の転換点あるか

 投資情報会社・フィスコ(担当・村瀬智一氏)が、株式市場の2月29日~3月4日の動きを振り返りつつ、3月7日~3月11日の相場見通しを解説する。

 * * *
 先週の日経平均は上昇。週末には2月8日以来、約1ヶ月ぶりに17000円を回復した。注目されたG20財務相・中央銀行総裁会議の声明では、「機動的に財政政策を実施する」と明記され、金融安定化への期待から、日経平均は大幅に続伸して始まった。しかし、中国・上海指数が昨年来安値を更新したことが重石となったほか、中国PMIの悪化や円高が嫌気される格好から、一時16000円を割り込む場面もみられた。

 ただし、日経平均は15800-16400円辺りでのもち合いが続く中、米国市場ではISM製造業など予想を上回る経済指標の発表を受けて1日のNYダウが350ドルに迫る上昇に。これが好感される格好から、日経平均はこれまでのもち合いレンジを上放れた。

 その後も米ADP雇用報告が予想を上振れたほか、地区連銀経済報告(ベージュブック)で大半の地区で経済活動が拡大したとの認識が示されたことなどが好材料視される格好からリバウンドが強まると、3日の日経平均は今年初の3日続伸を達成。そして週末の米雇用統計への期待が高まった週末は、4日続伸で節目の17000円を回復している。

 まずは米雇用統計の結果が週明けの市場に影響を与えることになろう。市場コンセンサスは、雇用者は19.5万人増(前月は15.1万人増)が見込まれている。コンセンサス通りであれば市場は好感することになると考えられる。また、利上げ見通しに影響を与える可能性はあるが、それでも3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での市場予想は「据え置き90%」である。雇用統計の結果が予想通りであれば、一先ず市場は好感しそうである。

 そのほか、原油相場に底入れが意識されてきている。先行きに対する不透明感が強いものの、一部のヘッジファンドなどは底入れからの反発を想定したポジションに切り替える動きもみられているようである。

 中国全人代への期待のほか、今週は7日にEU首脳会議、ユーロ圏財務相会合が開催される。10日にECBが政策金利を発表し、ドラギ総裁が会見を行う。ECBは既に、刺激策を「見直し、再検討する可能性」があると言明しており、金融安定化に向けた、手段が注目される。週末には先物・オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)を控えている。

 さらに翌週14、15日には日銀金融政策決定会合、15、16日にはFOMCを控えている。金融安定化に向けた各国の舵取りに市場の関心が集まりやすく、SQの需給も加わることで、相場の転換点を迎える可能性もありそうだ。

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