その言葉通り、復帰後の徳永は病気を悪化させかねないタバコや酒をやめ、多くの人々に歌声を届けてきた。

「30周年を盛り上げるため、昨年は半年にわたるロングランツアーを開催しました。その疲れからか年末頃には結構痩せてしまっていました。またストレスがあったのか、一時は控えていたお酒も頻繁に飲んでいたようです」(前出・レコード会社関係者)

 人気歌手故の多忙さが病状を悪化させたのだとしたら、何とも皮肉なものだ。所属事務所に徳永の病状について聞くと、

「救急車で運ばれたということはなく、手の痺れが続いたため、自分で病院に行きまして手術に至りました」

 とのこと。3月いっぱいはリハビリを兼ねた療養を続け、4月から活動を再開する予定だという。前出の菅原院長は言う。

「バイパス手術は血液不足を補うために、別の動脈を脳につなぐ血行再建術のこと。一度手術をしても別の場所が詰まっていくこともあり、対処が悪いと脳出血から死に至ることもある。2~3か月で仕事に復帰する人もいれば、1年かかる人もいます」

〈グラミー賞を獲りたい 海外でツアーをしたい 心で外国の人に歌いかけたい〉

 デビュー30周年を迎えて、今後の夢についてそう語っていた。一日も早く、あの美声を聴ける日がやってくることを祈りたい。

※週刊ポスト2016年3月18日号

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