そういう外部経済から富を得る新しいエコノミクスが突然出現したのである。これを活用すれば、70歳以上まで重い住宅ローンを抱えて苦労をしている人でも、余裕のある生活が可能になるのだ。
一方、いま大都市では不動産価格が上昇している。不動産専門のデータバンク「東京カンテイ」の調査によると、1月の70平方メートルあたりの中古マンション価格は東京23区で5162万円、都心6区では7137万円に達している。この価格は、普通のサラリーマンにはなかなか買えない。
だが、ここでも発想を転換すべきだ。つまり、都心部の便利なエリアに中古でいいから2DK以上の安いマンションを新たに購入し、それを冒頭で紹介した学生と同じ要領で民泊に貸し出して、自分は別の賃貸住宅に住めばよい。これまで日本人の多くは「マイホーム取得は男子一生の仕事」とか「終の棲家」といった考え方をしてきたが、もはやそういう時代ではなくなったと心得るべきである。
※週刊ポスト2016年3月18日号