パラッとしたご飯とふんわり卵、味わい深いチャーシューが渾然一体となって絶妙なハーモニーを生み出すチャーハン。お店で食べるようなあのパラパラ感を、家庭で再現するにはどうすればいいのだろうか?
「強い火力で一気に仕上げるのがおいしく作るコツですが、火力が弱い家庭のコンロの場合は、いくつかポイントがあります」と、料理家の上島亜紀さん(以下同)。
まず、中華鍋型の深くて大きいフライパンを使うこと。均一に火が通り、熱も逃げにくいので高温をキープできる。2人分なら直径28cmがベスト。
「フライパンを振ると熱が逃げてしまうので、家庭ではご法度。パラパラに仕上げるには、一度にたくさんの量を作りすぎないことです」
料理人によって意見が分かれるのが、卵を入れるタイミングだ。
「卵が生の状態でご飯を加えると、表面が卵でコーティングされ、パラパラにはなりますが、水分がとびにくく、お米のおいしさも感じにくい。その点、先に炒り卵を作って取り出し、後で戻す方法なら、卵のふんわり感や香りが引き立ち、失敗しにくいですよ」
炒める時間を短くするためにも、ご飯は火の通りが早い温かいものを。ほぐれやすく、ふっくらしたままパラパラに仕上がるという。
【おうちチャーハン6つの極意】
・中華鍋型の大きいフライパンを使う
・強めの中火で一気に炒める
・卵は先にふわっと炒めて取り出す
・ご飯は温かいほうがパラパラに仕上がる
・むやみにフライパンを振らない
・ご飯と具はヘラで大きくほぐす
【おうちチャーハンのレシピ】
■材料
ご飯…400g、チャーシュー…100g、卵…1個、長ねぎ…1/2本、酒…大さじ1、鶏がらスープの素(粉末)…小さじ1、塩・こしょう…各適量、しょうゆ…大さじ1/2、サラダ油…大さじ1.5
【1】すべての材料を作る前に準備
チャーシューは5mm~1cm角に切り、長ねぎはみじん切りに。卵は塩・こしょうを加えて溶きほぐす。
【2】卵は熱した油で炒めて取り出す
フライパンにサラダ油大さじ1を入れて強めの中火でよく熱し、卵を入れて約2秒後に火を止め、半熟の炒り卵にし、いったん取り出しておく。
【3】具は酒を回し入れ一気に火を通す
フライパンをさっと拭いてサラダ油大さじ1/2を入れ、長ねぎを入れて強めの中火で炒める。ねぎの香りがしてきたら、チャーシューを加えてすぐに酒を入れて炒めてアルコール分をとばす。
【4】温かいご飯を入れてほぐしながら炒める
ご飯を入れてヘラで大きく返しながら手早く炒める。ご飯を押さえたり、かき混ぜたりしすぎると、ご飯粒がつぶれてベタつきの原因に。フライパンは振らず、ヘラのほうを動かす。
【5】味付けして完成 ここまで約5分!
鶏がらスープの素を入れて炒め、卵を戻してほぐしながらさらに炒める。塩・こしょうで味を調えて火を止め、鍋肌からしょうゆを回し入れて全体をさっと混ぜる。
撮影■高橋進
※女性セブン2016年3月31日・4月7日号