京都の嫌なところを暴露する本『京都ぎらい』(井上章一著・朝日新書)が話題を呼んでいる。この本は京都人だからこそわかる地元民の特徴を捉えているわけだが、もちろん京都以外の都道府県でも同様な“県民性“があるのだ。
たとえば、日本の首都・東京都の場合。東京は『世界の住み良い都市ランキング』(英月刊誌『モノクル』、2015年)で1位を獲得。評価されたのは、犯罪が少なく医療制度も充実、働きやすい環境があり、娯楽や食が豊かで、交通に便利という点からだ。
そんな東京の葛飾区柴又に3世代前から住む30代のOLは「東京人には2種類いる」と語る。
「昔から東京は地方から人が集まる場所でしたから、生粋の東京人からすると、相手がどこ出身か、今どこに住んでいるかは気にもしていません。ですが、地方出身の東京人に限って、何区に住んでいるかとか、マンションが高層かとか、ヒエラルキーを気にしてやたらクールにふるまうんです(苦笑)。東北出身という世田谷区住民から“下町、ウケる~”といじられた時はさすがに“お前東京じゃないくせに”と思いましたね」
生粋の東京人は全住民の半数にとどまる。
「会社でも趣味のサークルでも23区出身者ってなかなか会わないものなんですよ。親も東京っていうと、妙に親近感が沸きますね。ただ、うちは江戸川区の小岩で、治安はあまりよくなくて…。小岩と言ったとたん明らかに空気が重くなるのがつらい(苦笑)」(45才・女性・会社員)
また「東京人に劣等感が刷り込まれるとすれば、中高の学校ブランドでしょう」と言うのは40才の主婦。
「どこの学校に通えるかというのは、本人の学力と家庭の財力で決まる。それが制服で一目瞭然なんです。ざっくりいうと『都心の私立(慶応・青学)>港区の学校(都立)>その他』の順。部活で練習試合をした時は露骨でしたね。私は港区青山中学だったのですが、墨田区両国中学の子からは恐れられ、逆に私たちは私立慶応中等部の子が怖かったものです」