「血液というと鉄分ばかりが注目されがちですが、水を除くとほとんどはたんぱく質でできています。しかし、近年、日本人の食生活は急速に悪化し、血の原料となるたんぱく質の摂取量が著しく低下しているのが実情です。たんぱく質を摂れる食事を心掛けましょう」(堀江氏)
管理栄養士の内野未来氏に、この条件を満たす食事について話を聞いた。
「たんぱく質はもちろん、血液の成分となる鉄分や、その形成を助けるビタミンCを一緒に摂取することが重要です。たんぱく質と鉄分が豊富な牛肉の赤身やカツオなどの魚類、アサリなどの貝類といった食材が良いでしょう。
抹消血管まで血流が届くよう血管を広げる効果のあるビタミンE、血行を促進して体温を上げるカプサイシンを使った料理ならば、さらに効果が期待できますね」
具体的なメニューとしては牛の赤身肉を使った「牛肉とグリーンアスパラの唐辛子炒め」や「カツオのカルパッチョ・にんにくソース和え」、鉄分の形成を助けるジャガイモを加えた「あさりのクラムチャウダー」などがオススメだと内野氏はいう。
最近の“ヘルシー志向”で野菜中心の食生活を送っている人からすれば、「健康」というイメージからはほど遠く感じるメニューだが、血をつくり、増やすには「肉食」を取り入れることが近道のようだ。
※週刊ポスト2016年4月29日号