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「村山政権時の自民党はダイナミックだった」と筆坂秀世氏

日本共産党政策委員長などを歴任した筆坂秀世氏

 安倍首相の頭の中は、5月26・27日の伊勢志摩サミットという晴れ舞台のことでいっぱいのようだが、消費増税から熊本地震まで問題は山積しており、浮ついているヒマなどないはず。

 そこで立ち上がったのが、政界大物OBによる我らが老人党。“新人党員”も参戦し、総勢7人による“爺7(ジイセブン)”サミットとなった。メンバーは以下の通り。

●村上正邦氏(83/自民党参議院議員会長などを歴任)
●戸田邦司氏(81/東北運輸局長を経て新進党から出馬)
●二見伸明氏(81/元公明党副委員長、運輸大臣などを歴任)
●平野貞夫氏(80/元自由党副幹事長)
●山口敏夫氏(75/新自由クラブなどに所属。元労働大臣)
●筆坂秀世氏(68/日本共産党政策委員長などを歴任)
●東祥三氏(64/国民の生活が第一幹事長などを歴任)

 合計年齢532歳の重鎮が大激論した“爺7サミット”の一部を紹介しよう。

山口:村山首相の自社さ政権なんて、野合ではなく“夜盗政権”です。自民党は共産党より左巻きな社会党を抱え込んで内閣総理大臣に祭り上げた。自民党と社会党は、55年体制下で握り合っていた闇の歴史があったわけでしょう。

平野:弁解させてもらえば、55年体制というのは米ソ冷戦という国際構造のなかにあって、日本に社会主義政権を誕生させないという命題があって、私は政治的中立を求めた国家公務員法に違反する仕事をしていたわけですよ。だけど、昔は人間が金を使っていて、金に使われていたわけじゃない。

筆坂:村山政権の話は、自民党はそれくらいダイナミックなことをやったということですよね。政権に返り咲くためには手段を選ばなかった。いまの野党はそこまでの覚悟がない。

山口:そうそう。

二見:民進党は政治の足し算、かけ算をわかっていない。野党第一党なんだから、自分たちがリードして野党を結集させて、大きく見せないでどうするのよ。

村上:私が秘書をしていた玉置和郎(元総務庁長官)は、政治資金で百円もらったら千円もらったと申告するような男だった。存在感を高めようとしたんだね。私は百円もらったら十円にしようとしたけど(笑い)。

筆坂:岡田代表はもっと大風呂敷広げればいいんですよ。だいたい、共産党もいまは政策的に民進党とも自民党ともそんなに変わらないんだから。

東:もう一つ問題は、安倍さんの次の人材がいないことですね。与党にも野党にも見当たらない。

 経済が男神だとすれば政治は女神。ですが、女神に好かれるようなエロスを醸し出す魅力的な人物が枯渇しているのが、日本の政治の現状だ。

※週刊ポスト2016年5月6・13日号

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